ザ・グレート・展開予測ショー

ハッピーバースデイ前夜


投稿者名:メカ音痴
投稿日時:(98/ 7/27)

麿でおじゃる。なんか本編の方が余りに救いがないので、気安めに元々は以前投稿した「ハッピーバースデイ」の序章にあたる
この作品を多少手直しして投稿します。ただ、アイデアが一部裏町さんとカブってますが、別に盗作じゃなくて十三巻「Vの悲劇」
二十三巻「バットガールズ」からの引用ですからね。では始まります。
アシュタロス大戦から一月が経った。ここ白井総合病院のロビーでは一人の男が退院しようとしていた。
医「もー二度と戻ってくるんじゃないよ・・・」医者は心の底から彼にそう言った。但し彼の身を案じてではなかったが・・・
看A「ああっ、これでやっとこの病院にも平和が・・・」泣き崩れる看護婦A。
看B「何度辞めようと思ったことか・・・」言葉が鳴咽に変わり、看護婦Bも泣き崩れた。
男「みんなっ、何か誤解しているっ!!ボクはただ愛情表現を!!」言いかけたところで迎えに来たボディコンネーちゃんに警棒の様なものでどつかれた。
ネ「それがセクハラだっての、この変質者!!」彼女は吐き捨てるようにいい、なおも彼をドツキ続けた。さすがにそろそろシャレにならん位折檻を続ける彼女を少女が止めた。
少「まーまー美神さんもその辺で・・・横島さんまた入院させちゃマズイでしょ・・・」
美「それもそーね・・・」ボディコンネーちゃん・・・じゃなかった、美神も手を止めた。横島は既にすっかり血だるまで虫の息だった。それでも一応少女に礼をいった。
横「あ、ありがと・・・おキヌちゃん・・・でも・・・もー少し早く止めて欲しかったなー・・・ガクッ。」それだけ言うと横島は白目を剥いて気絶した。
ここまでで、蟲娘たちが全然でないのでご不満な読者様の為に説明すると彼女等はアシュタロス大戦で負傷し、現在都庁地下で治療中である。
美「ほらっ、いつまでも値てんじゃないわよ!!ルシオラ達のお見舞いに行くんでしょ!!」美神はそう言うと引きずった横島を後部座席へと放り込んだ。(この日はジャガーで
迎えに来た。)で、都庁に到着した3人。だが女性二人は気を利かして先に帰ってしまった。(こういう展開を「作者の都合」と言います・・・麿の作品の最大同時登場人数は4人・・)
横「具合はどうだ、ルシオラ?」パピリオを抱っこしながら横島が尋ねた。
ル「ええ、だいぶいいわ。」ルシオラが笑って答える。ふと、険しい顔をして横島に凄んだ。
ル「それはそーとヨコシマ・・・アンタ私が動けない間、看護婦さんにセクハラしてたそーね!!」
横「いっ、いえっ、そんなっ・・・とんでもない・・・ワタクシはルシオラ様一筋でございます!!」語るに落ちると言う奴ではあるが、今更言っても仕方が無いのでルシオラもそれ以上
はあえて深く追求しなかった。(勿論折檻は加えたが・・・)
ル「ま、いつものことだから今更言ったって仕方ないか・・・それはそうとベスパに会った?」
横「いや、まだ会ってないけど・・・まだショックから立ち直ってないのか・・・?」
ル「ええ、食事もとらずに一日中アシュ様のツノを見てるのよ・・・私もパピリオも元気付けようとしてはいるんだけど・・・あの娘(こ)思い詰めるタイプだから・・・」
横「そっか・・・一応俺も様子見てくるわ・・・お前は安静にしてろ。パピリオ、一緒に行こうか?」そういうとパピリオを抱っこしたままベスパの部屋へと向かった。
ベ「アシュ様・・・」部屋ではベスパがアシュタロスの形見のツノを見ながら、たそがれていた。
横「やつれたな・・・食事ぐらい取れよ・・・」横島が言った。
べ「食欲無いよ・・・」素っ気無く答えるベスパ。すっかりやつれてまるでバンシー(確か悲しみの精霊)のようである・・・(ううっ姐さん・・・)
パ「そんなこと言っちゃ駄目でちゅ!!死んじゃいまちゅよ・・・」パピリオが心底心配して言った。
べ「死んじまったらアシュ様にあえるかねえ・・・」焦点の合わない瞳で薄笑いを浮かべた。最早何を言っても無駄で有ることに気付き、二人が立ち去ろうとした時、ドスン、と言う音
がして振り返るとベスパが倒れていた。二人は大慌てでヒャクメを呼んだ。
ヒ「栄養失調・・・ですね。アシュタロスの事を吹っ切れば食事も摂るんでしょうけどこの性格では死ぬまで食べないでしょうね・・・」ヒャクメはとりあえず点滴を打って立ち去った。
パ「死んじゃいやでちゅ・・・ベスパちゃん・・・ヨコシマ、なにか考えるでちゅ!!」パピリオがベスパの左手を握り締めながらそう言った。
横「そーは言ってもなー、『忘』の文珠は効かなかったし、どーすりゃいーんだ?」横島も頭を抱えた。その時カラーンという音がして何かが落ちた。ふと見るとそれはアシュタロスの
ツノであった。
横「アシュタロスのおっさんが説得でもしてくれりゃ・・・・・・そうか!!パピリオ、俺に考えがある。ベスパを起こしてくれ。」横島のセリフを聞いてパピリオがベスパを起こした。
横「一かばちか・・・」そういうと横島はアシュタロスのツノを握り文珠を取り出し念を込めた。文字は「変」と「伝」。文珠が発動し、横島の姿がアシュタロスへと変わる。
べ「ア・・・シュ・・・様?」ボンヤリした視線で横島が変化したアシュタロスを眺めるベスパ。
ア「どうした、ベスパ?ひどくやつれてせっかくの美貌が台無しじゃないか・・・」外見だけでなく声もアシュタロスに変化していた。ベスパは彼に歩み寄ろうとしたが、足がもつれてころびそうに
なった。アシュタロスが優しく彼女をだきとめた。そのままアシュタロスの胸で泣きじゃくるベスパ。アシュタロスはなにもいわずベスパの髪をそっと撫でた。そうして少し経った後アシュタロス
が口を開いた。
ア「ベスパよ、私は最早死んでいるのだ。せっかく自由になれたのにそれを楽しんではどうだ?敗れはしたが私は自分の生涯に一片の悔いも無いぞ、だからお前達も悔いの無い生涯を
送り、あの世で会った時に話を聞かせてくれ。む、いかん、文珠の効果が切れる、では我が娘達よ、さらばだ。」そういうとベスパが止める間もなく、文珠の効果が切れ、アシュタロスは元
の横島へと戻った。
べ「あーあ、行っちまった・・・あいかわらず素っ気無いねえ・・・嘘でもいいから甘いセリフの一つくらい囁いてくほしかったな・・・」ベスパはそうつぶやくと机の上の食事を取り始めた。
パ「ベスパちゃん、食事する気になったんでちゅね!!良かったー!!」パピリオが背後から抱き着いた。
べ「げほっ、げほっ、(むせてます)いきなり抱き着くんじゃないよ、むせちまうだろ!!こんどアシュ様にあうときにあんまりガリガリじゃ、みっともないからね。ポチ・・・じゃなかった、ヨコシマ
ちょっとツラ貸しな・・・」そう言うと横島の耳を強引にひっぱって顔を近づけると、ホホにそっとキスをした。
べ「や・・・深い意味はないんだけどさ、お礼だよ。勘違いすんじゃないよ。あー、やっぱ照れ臭いね。二人ともみっともないからでてってくれよ・・・」そう言うと顔を真っ赤にして俯いた。そうして
二人が立ち去った後ベスパがクスリと笑って呟いた。「ありがと・・・ヨコシマ・・・・」




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