ザ・グレート・展開予測ショー

宿敵(ただし一方的に)19


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/11/28)

「横島―」
雪之丞が横島の名を呼ぶ。
それは決して大きくはない声だった。
だが確固たる意思を秘めた強い声。
その表情に迷いはない。
まっちょの相手をしていた横島は、ちらりと雪之丞へと視線をずらす。
視線が合うのは一瞬。
だが、その一瞬で横島は理解した。
「しっ」
声と共にだんと地に手をつき文珠に念を込める
込める念は―「振」
きいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんっ!!
瞬間地面が、ぐらりと動いた。
まるで地震のように。
もちろん、突然のことにまっちょの軍団もぐらつく。
たんっ
とその隙に地に付いていた両手で反動をつけ飛び上がり素早く雪之丞たちのところへと戻る。
そしてその戻る間に念を込めていた文珠を戻るなり発動させる。
込めた念は―「護」。
一瞬にして結界が三人を包んだ。
「―凄いなんの準備もなしに、真言も使わずにこんな結界つくれるなんてっ」
いささか興奮した面持ちで衛藤。
「ははははっ凄いだろー」
嬉しそうに横島。
普段の扱いが扱いなだけにこー言ってもらえるのは物凄く嬉しいらしい。
例えそれが女の人でなかろーと。
「まあ俺の相棒になりたかったら最低でもこれくらいはならんとなー」
結界を敗れないまっちょの群れをみつつしみじみと雪之丞。
今のレベルでは絶対に無理という事を暗にしめしてみるのだが
「はいっもっともっと修行して、文珠みたいな技仕えるようになりますから期待しといてくださいっ」
との衛藤の返事。
まったくダメージを受けていない。
いろんな意味で大物であるこの少年。
「なら、是くらいできるよな」
その返事にきらりと瞳を光らせ雪之丞
「へ?」
と衛藤。
「頑張れよおこの作戦はオマエにかかってるんだからな」
気楽そうに横島。
「へ?」
更に衛藤。
ぐいっと衛藤の腕をとり、顔を近づけなにやらぼそぼそと話す雪之丞。
最初の方は、真面目に聞いていた衛藤だが、だんだんと話が進むにつれ顔色が変わってくる。
そして雪之丞が話し終わったあとの言葉が
「…無理ですよー」
との頼りがいの無いものだった。
「おとこだろーが、無理でもできるくらい言ってみろ!」
むっとした表情で雪之丞。
「だって、かかっているのが僕一人の命なら、そーゆう事も言えますけど、敬愛する雪之丞さんの命もかかっているのにそんな無責任な事いえません。第一僕が失敗したらみんな死んじゃうじゃないですかっ」
がうっと噛みつきそうな勢いで衛藤。
言葉の中に雪之丞の名前だけしか出てないところが流石である。
「あのなあ…」
とそんな二人の間に横島の声が割り込む。
「横島さんもそう思いますよねっ」
縋るように衛藤。
だが、
「そこのマザコンの言うとおりだろーが…今しかこの作戦できねえって…体力と霊力がある今しかここを無理に破るなんて真似できねえんだよ」
時間がたつと不利なんだよ
それになと付け加える。
その言葉にはっと目を見開く衛藤。
「できねーなんていってたら俺らの商売やってけねーって。」
と。
うむうむと頷く雪之丞。
「ま、オマエが成功すれば全部丸く収まるって。な?」
お気楽に横島。
「あ、俺はまっちょの居るとところで死ぬつもりはないからな!死ぬのはきれーなおねーちゃんの胸の中って決まってるんだからぜってえ失敗すんなよ」
更にびしっと指をつきつけ横島。
だが、衛藤はそんな横島の言葉は耳に入らず
「今しかない…」
と、その言葉を繰り返し言っていた。
つづく

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa