ザ・グレート・展開予測ショー

A REBELLION AGAINST HEAVEN(16)


投稿者名:ラクン
投稿日時:(01/11/23)

「修行・・・ですか?」
1分前まで眠りについていた横島は、寝ぼけ眼でたった今自分へその言葉を告げた老人猿(失礼)に鸚鵡(おうむ)返しに尋ねた。
「そうじゃ」
老人猿、もとい斉天大聖老子が問いに答える。
「・・・なして?」
「お前や美神達を襲ったシャオロンと言う男とその仲間の身柄の拘束、或いは殲滅の為だ」
事務的に返答する老子に対して横島がしかめっ面を作る。
「そんな事何で俺が・・・」
「お前だけではない、こいつらも修行をする事には異存はないと言っている」
そう言って老子が横島のベッドを挟んで向かい側に座っている美神とおキヌを目で指す。

横島が首を左に傾けると・・・少なくとも美神が修行することに異存がない理由は理解できた。
いや、正確に言えば顔を見る前から予想は出来ていた。
”あの”美神があそこまでコケにされて平気でいられるはずがない。
果たしてその予想は的中していた。
背景に灼熱の炎を燃やし、顔は笑っているが普通の笑顔ではなく、どこかイっちゃってる笑顔をしていた。
やたらに暑いと感じるのはどうやら暖房の効き過ぎではないようだ。
恐らく頭の中はあのシャオロンという青年の息の根を止めることで埋め尽くされているのに違いない。
この女の事だ、連載も終わったことだし(読み切りが年内に完成するらしいが)殺人でも平気でやってしまうだろう。

下手に声をかけると八つ当たりの嵐に巻き込まれそうなので、とりあえず横で冷や汗を流しているおキヌに声をかける。
「でもなんでおキヌちゃんまで・・・」
「それは・・・」
「わしから話そう」
老子がおキヌを遮る。
「実は今回の事件がただの暴動ではないことがわかってな。どうやら神界、魔界のどちらにも属さない第三勢力が裏で糸を引いているらしいのだ」
「それが俺達を襲ったやつらだって言うんですか?」
「うむ。目的は先日アシュタロスが画策した霊的秩序の転覆と同じと予想されているが、アシュタロスが神界と魔界のチャンネルを遮断している間に霊的秩序を転覆しようとしたのに対し今回は、神族と魔族を正面衝突させ、両面の戦力が消耗した所を叩くつもりらしい。
神魔族の抗争は前々から燻っていたからな、恐らく宇宙意思の抵抗もほとんどないだろう」
そこで横島が口を挟んだ。
「・・・なんか誰でも思いつきそうな作戦っスね。アシュタロスもなんでそうしなかったんだ?」
「あれだけ有名な魔族になると行動を起こせば何らかの形で漏れる。そうすれば神魔両陣営から袋叩きに合うだけだからな」
「じゃあいったい誰が?」
老子は横島から目をそらし、一息ついてから答えた。
「・・・まだはっきりはしとらんが・・・神界はアレスという副神族長が今回の反乱の首謀者と見ている」
「神さんが反乱を起こしたのかよ?」
「断定はできんが・・・牢獄の事件が会った前日から部下4名とともに姿を消しているのだ」
「じゃあそいつらのことを神魔族に話して戦争止めればいーんじゃないスか」
「無駄じゃ、戦争はもう始まっておるし、過激派の連中は戦争をする言い分さえあればいいんじゃからな、証拠のない憶測を伝えてもデマだと受け流すだろう」
「んで、俺らにその証拠をつかんでこいと?」
「うむ、情報部によるとどうやらアレスは中立地帯の人間界に身を潜めているらしい。
神界としても討伐隊を出したいのは山々なのだがこの状況だ、下手に動けば人間界まで戦場になりかねん。そこでおぬし等に白羽の矢が立ったというわけだ。月のとき同様人間達だけで動く分には問題ないからな」
「人間界を戦場にしたくなかったら協力しろってことっスか・・・・」
「協力するかしないかはおぬし次第だが・・・」
「選択の余地はないじゃないっスか」
はぁとため息をつき頭を掻く。
「ではすぐにでも明神山に向かってくれ、後は小竜姫がやってくれる。わしも一緒に行きたいところだが立場上そういうわけにもいかんからな。そろそろ神界に帰らせてもらおう。
アシュタロス以上になるかもしれん相手だ、気をつけろよ」
老子の体が前に現れたときと同じように、半透明になり、やがて消えていった。

「簡単に言ってくれるよなぁ・・・」
そう言って横島はもう一度、今度は深くため息をついた。




明日成績表が帰ってくるので今回が最期の投稿になるかもしれません(T T)
しかしどうも説明文くさくなってしまいますね。次回からの修行編ではもうちょっとメリハリが利くように頑張ります。
・・・ネット禁止令が出されなければの話ですが。












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