ザ・グレート・展開予測ショー

君がいるだけで(15)


投稿者名:JIANG
投稿日時:(01/11/21)

★前回までのあらすじ★
 小竜姫の依頼で天龍童子たちと一緒にデジャブーランドに行ってきた美神たちだったが
小竜姫たちの本当の目的は横島を調べることだった……!?
 調査の結果、出た答えは、なんと横島の体内あるはずのルシオラの魂の消滅であった。
 そんなことになっているとは、露ほども知らない横島たちのもとに、数日後グレートマ
ザー横島百合子が再び来襲!
 夏休みの間に一週間だけでもナルニアに横島を連れていこうと帰国したのだが、またも
や行く行かないでもめるやら、横島が悪霊に取り憑かれるやらで騒動になる。
 すったもんだのあげく一週間だけ、母親についてナルニアに行くことになった横島だが……!?
 果たしてナルニアで横島を待ちうけているものは?
 そして、横島の体内から魂が消滅したというルシオラの運命は……!?
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君がいるだけで(15) ナルニア編

 うっそうと茂ったジャングルの間に流れる河を一艘のボートが上流に向かって上って行く。
 そのボートには一組の若い男女が乗っていた。
 男がハンドルを握り運転をし、女の方は舳先近くに座り変わり映えのしない景色を眺め
ている。女の座った脇には虫かごのような箱が置かれていて、時折、その箱を無意識に撫
でている。
 行けども行けども、森の緑と濁った河の色、そして空の青という景色の中を半日以上ボ
ートで走らせている。その間、2人はほとんど口をきいていない。
 太陽がそろそろ傾きかけてきた頃、前を見ていた女――ベスパが、わずかに木々が開け
ている場所を見つけて、後ろの男――ジークフリードに一言声をかけた。
「おい、見えてきたようだよ」
「なんだ、その口のきき方は! 仮にも私は貴様の上官だぞ!」
「うるさいね…! 確かにあんたは私より階級が上かもしれないけど、今は軍から離れて
ここに来ているんじゃないか。いわば、私用で行動しているんだから、もう少し融通を利
かせなよ、少尉!」
 ジークフリードの軍人特有の頑固さにうんざりしていたベスパは文句を言う。その際、
融通を利かせろと自分で言っておきながら、軍階級で彼のことを呼んだのは嫌みに他なら
ない。
 そう言われてジークフリードはハッとなって頭に被っていた軍用ベレー帽をとった。
「すいません……。日差しがきつかったもので帽子を被ってました……」
「…………」
 先程とはうって変わって丁寧なもの言いで答えるジークの様子を見て、ベスパはうんざ
りしたように肩をすくめる。
(今に始まった訳じゃあないけど、相変わらずな性格の坊ちゃんだね。こう極端だと付き
合うこっちが疲れるよ。……こんな事ならこっちはこいつだけに任せてワルキューレに付
いていった方がよかったかねぇ。……だけど、このコを他人に任せにするわけにもいかな
いか。)
 ベスパは傍らの箱にそっと手を置き、数日前に妙神山に呼ばれた時のことを思い出して
いた。

 …………
「ルシオラが横島さんの子供として生まれ変わるという事は不可能になりました。」
 その場にいたのは、小竜姫、ヒャクメ、ワルキューレ、ジークフリート、ベスパ、パピリオそして土偶羅であった。
 小竜姫が話し終わると場が一瞬だけ静まり返るが、それはすぐにパピリオの声によって
破られた。
「それはどういうことでちゅか!? 前に小竜姫が説明してくれたとき、ルシオラちゃん
はヨコシマの子供として転生できると言ってたでないでちゅか! あれは、嘘だったんで
ちゅか?」
「う、嘘はついていません。ルシオラは、横島さんの子供として生まれ変われるはずだっ
たんです。ただし、それはひとつの可能性であって…」
 パピリオの剣幕にダジタジになりながら小竜姫は言葉を続けようとするが、パピリオは
聞く耳を持ってないように怒りを爆発させる。
「ヨコシマの体の中からルシオラちゃんの魂が無くなってしまったというのはどういうこ
とでちゅか。もうルシオラちゃんはヨコシマとはこの世では会えなくなるのでちゅか? 
それじゃあ、ルシオラちゃんが可哀相でちゅ。私もルシオラちゃんが赤ちゃんになって生
まれてくるのを楽しみにしてたんでちゅよ。どうしてそんなことになったんでちゅか。ち
ゃんと説明してくだちゃい。いい加減なことを言うと許さないでちゅよ。」
 怒りのあまりパピリオが小竜姫たちに向かって攻撃しようと身構える。
「お、落ち着きなさい、パピリオ」
「こんなところで霊力を使わないでー」
「お、おい……!」
 場が騒然となり、今にもパピリオの手から霊波が出されようとしたとき、それまで黙っ
て成り行きを見ていたベスパが口を開けた。
「ヨコシマが人間だったからさ……!」

*** つづく ***

長らくお待たせしましたナルニア編です。

ってここで、引くのかー、自分!?
この後、ベスパを使って説明に入るわけだけど、書いていけば書いていくほど物語が破綻
していくような気がする(泣)
現在、つじつま合わせに四苦八苦しております。
大丈夫か、オレ?(不安)

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