ザ・グレート・展開予測ショー

奴の名はユダ!・・・24


投稿者名:スーパーたーくん
投稿日時:(01/11/19)

横島は魔鈴の元に足を運んだ。中は相変わらず荒れ模様であった。
「ああん、まただめ。どうしてこうも上手くいかないのかしら」
魔鈴はイスにのけぞる様に座ってぼやく。
「困ったぞい、どうしてもこの合成で行き止まるぞ、嬢ちゃん、お主の学校の先生とやらに頼んでみたらどうじゃ?」
カオスはさらに四百歳は年をとったようであった、彼の言葉に魔鈴は首を横に動かす。
「ダメよ、多分先生たちは手を貸してくれないわ。それが掟ですもの、それに・・」
今度は横島を見る、横島は苦々しく言った。
「ユダが情報を手に入れた場合が怖い・・・」
カオスはフウッと溜め息をこぼして机の計算書に向かい始めた、無理だとわかっていたよと言いたげであった。
「横島さん、私たちまた作り始めるんで・・・」
外へと魔鈴は指を扉に向ける。
「でも魔鈴さん、休まないと。二人とも体に相当きてるはずだ」
横島がそうは言ったがカオスはさらりと返した。
「お前さんに心配されるほどヤワな人生は送っておらんわ」
それを言われたので横島は外にでた、少なくとも二人に任せる他無い。
「横島さん、どうですか?」
おキヌはロングフリースを着ていたが寒そうに横島に尋ね寄って来た、恐らく外に今しがたまでいたのだろう。
「ダメ。予想はしていたけど不安だよ、ユダが十字架に気付くのも時間の問題だし」
ユダの狙いはあの人の復活(だからヴォル○モ○トじゃないって)とギュスターブは言った、あいつは生きてるのか?横島は自問自答を心の中でし続ける。
「考えても仕方ないぞ」
歯切れよく聞こえてきたのは雪乃丞の声、手を自分の方にクイクイしてるのでこっちに来いと言いたいみたいだ。
「ちょっと待ってろよ、おキヌちゃんじゃあ」
返事をしておキヌと別れ雪乃丞の元に足を運ぶ。
「横島よぉ、いつまでもこんなとこにじっとしているのは耐えがたいと思わないか?」
雪乃丞は横島に腕を廻して囁くように放し始めた。
「待てよ雪乃丞、まさか仕掛けに行きたいと言う気じゃないよな?」
雪乃丞の戦闘オタクさは横島にはわかっていた。
「違うって、俺は魔鈴たちが作ってる物が出来ない限り行動は起こせないわけだ、違うか?」
横島はその通りと言うほか無かった。
「だからだ、ユダの情報をもっと集めておかないと手のうちようが無くなる!そうは思わないか?」
確かに、横島は今自分たちが一番恐れている事を突きつけられ声がでなかった。
「図星だろ?」
雪乃丞は肩をポンッと叩いた。
「だがなぁ、あいつに奇襲を掛けたりスパイ活動をするのは・・・」
横島が言わないうちに雪乃丞は口を止めに入る。
「馬鹿、違うぜ。そんな事がやばいのは俺でもわかるぞ、俺が言いたいのはだな、捕虜を調べたいって事さ。どうやらここに来てまだ何も話していないらしいからな」
雪乃丞の目が光る。
「しかし、捕虜って・・・・あっ!」
横島は思い出した、コーデリアの腹心達を。
「そうさ、俺が押さえただろ、ジニーってガキをよぉ」
雪乃丞はその後横島に面会に必要なものを全部パスさせてくれと言ってきた。
横島はためらったが自分が美神でも許可すると踏んでヒャクメに許可半を押させた。
「それじゃあ、良い情報を待っててくれ」
そう言って地下の捕虜収容所へ向かっていった。


「薄暗いな、電灯増やしたらどうよ」
捕虜収容所は独特の嫌な雰囲気を漂わせ中には人間の見張りは一人もいない、人間は。
「あいつは一番奥の房か、ユダの右手の仲間だからな、他にも俺達の知らない情報を知ってる可能性は高そうだ」
廊下の終わりが見え始めた。中にはベッドを粉々に砕きガラスを猛然と殴りつけた後があったが本人はもうぐったりとしているだけであった。
「杖がなければ安全ってわけじゃあないみたいだな」
雪乃丞は房の中に入った。ジニーは意外にも脱走しようとはしなかった。
「逃げる気もなくしたのか?」
雪乃丞の声を聞いてようやく人がいたのと言った表情をした。
「いいえ、でもここは最低よ、最初の日にわざと房の扉のカギをあいつら閉め忘れたわ。私は脱走しようとしたわ、でもね・・・」
彼女は外を片目で見た。
「あんな恐ろしいトラップは初めてよ、初めて屈服したって感じたわ、ここは霊力を失わせる空間なんだって」
雪乃丞はジニーの話し方に多少驚きを見せゆっくりと話し始めた。
「そうだ、俺だって今は単なる人だ、とても弱い雑魚の霊にも殺されてしまうだろう」
雪乃丞はジニーの横に座った。
「おいおい、あんたさぁ、敵の隣に無防備に座るってどうかしてないかい?」
ジニーはせせら笑った。
「条件をだす、お前のボス、ユダについて知ってることを全部教えて欲しい」
ジニーは雪乃丞を見た、あんたどういう事かわかってるの?と言った目だ。
「断ったら?」
雪乃丞はジニーをたしなめるように言った。
「やめとけ、お前には良くない事だ」
「条件は?」
ジニーは話に乗るしかないと判断をつけた、賢い女だと雪乃丞は思った。
「俺と戦え。勝ったら消えな、ユダのとこにでもどこへでも行けば良い」
ジニーは考える余地無しと雪乃丞にOKとだけ言った。
「日時は追って知らせて来い、お前の体が完全に復活したら時だ」
雪乃丞はそれだけ言って出て行った。
ジニーは笑っていた、高らかに笑っていた。
「人間って愚かだわ、あいつったら私に一回勝っただけで調子に乗ってるみたい、潰してやるわ。ジニーとはヴァージニア、エリザベス一世を暗示してつけられた名前、あいつには知らしめてやるわ、私のユダ様の偉大さと強大さを!」
もう一度高らかに笑い彼女は床についた。

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