ザ・グレート・展開予測ショー

A REBELLION AGAINST HEAVEN(14)


投稿者名:ラクン
投稿日時:(01/11/11)

10年前、アメリカ――――


空港は不気味なほどの静寂に包まれていた。
ほんの1、2分前まではハイジャックされた旅客機の報道をする取材班や野次馬で
耳元で喋らないとものも話せないほどの喧騒だったのだが、今では皆、水を打ったように静まり返っている。
政府が要求された金額を拒否したため、逆上した犯人グループの一人が見せしめにと一人の少女を乗降口で射殺しようとした瞬間に異変が起きた。
男の首が一瞬にして消えうせ、血飛沫を上げながら倒れたのだ。
スナイパーが撃ったのではない。本人は目を見開いて匍匐の姿勢のまま、スコープの中で起きた事が信じられないといった様子で固まっている。



少女は今起きた事を理解できず、ただ呆然としていた。
彼女の後ろには首のない男の死体が一つ、仰向けに倒れていた。
ついさっきまでこの男は自分に銃を突きつけて、何かわけの分からないことを
わめき散らしていたはずだ。
それが今は自分の後ろで血の池を作っている。
そのさらに後ろではこの男の仲間達が尻餅をついていた。
覆面をしているため表情はよく読み取れないが、穴からのぞくその瞳には恐怖の色を浮かべていた。
それは座席に座っている乗客も同じだった。
皆一斉に自分を見つめている。
・・・いや違う。正確には自分の上の空間を見つめていた。
なぜ何もない宙を見ている?その疑問は首を上に向けたとき解消された。

少女は首を傾けた姿勢のまま、微動だにしなくなってしまった。
自分の上には無数の頭蓋骨が飛びまわっていたからだ。
それもただの頭蓋骨ではない、全てが青白く透けていた。
その中の一つが口から血を滴らせ、少女の方にゆっくりと振り向く。
そして・・・笑った。
無論、頭蓋骨が笑えるはずがない。
しかし少女は確かにこの頭蓋骨がにたりと笑うのを感じた。
そして頭蓋骨の口が徐に開かれる。
その中には・・・血塗れの男の首が恨めしそうにこちらを見つめていた。

「・・・・・・イヤ――――――――――!!」

少女が叫ぶと同時に彼女の体から無数の光の筋があふれ出る。
次の瞬間、衝撃波が髑髏とテロリストを襲った。
霊とおぼしき髑髏は霧散し、テロリスト達は壁に叩きつけられた。
「ば・・・化物・・・」
テロリストの一人がそう言い残し、気絶する。


あまりにも非現実的な光景にしばし思考が止まっていたが、数十秒後に正気を取り戻し、指揮を取っていた警官が部下に命令を飛ばす。
「は、早く乗客と乗組員を救出し犯人を拘束するんだ!」
突入態勢のまま固まっていた突入部隊もその声で現実に引き戻され、慌てて機内へと駆け込む。


少女は再び呆然として、空を見ていた。
夜空には雲一つかかっていない満月が怪しい光を放っていた。




く、暗い!なんかこれだけだと「GS美神」とはまったく関係の無い文章ですね。
次回はまたギャグ満載?の明るい普段の「GS美神」の雰囲気に戻しますのでよろしく。
テストは・・・爆死しました(泣)

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