ザ・グレート・展開予測ショー

奴の名はユダ!・・・20


投稿者名:スーパーたーくん
投稿日時:(01/11/11)

真っ暗だった。
「あれれ、俺こんなとこで何してんだっけ?」
横島は河原に立っている。
「そうだ、俺あっちに行かないと・・」
向こう岸は明るくて花に満ち満ちている。
「こんなの文珠で・・・」
「ダメよ!」横島をとめる声。
「ヨコシマ、こっちに来ないで」
ルシオラだった。
「ルシオラ!?あれお前なんで・・・待ってろ今行くから」
河原を越えようと足を前に踏み出す。
「来てはダメよヨコシマ、貴方はまだやる事が残ってるはずよ」
だんだんルシオラが消えていく。
「おいっ、どこ行くんだよ!待てよ。また俺を一人にするのか」
横島はルシオラに問い掛ける。
「いいえ、貴方は一人じゃないわ。それに大丈夫よ・・もうすぐ・・・あ・・・」
ルシオラが消えた。
「ルシオラ!?」ガバアッ。
「えっ?あっ?はあ、夢か・・ここは・・」横島は部屋を見回す。
「病院?っそうだ俺、ユダに・・腕も体も・・・」
時刻は深夜3時を回っていたが彼はナースコールを迷わず押す。来たのはブラックとその助手であった。
「ようやく目覚めたか、気分はどうだい?」
横島は多少がっくりしていた、多分もっと別のを期待していたのだろう。
「・・最悪、体に力が入らない。他の奴は?」美神はどうなったのかと彼は思った。
「大丈夫、雪何たらって奴は軽傷だし美神って女も現場で治った・・お前が一番酷かったんだぞ」
「・・腕・・何か・・・」違和感を覚える。
「そりゃそうだ、一度解体したしほとんど新しいので補ったから慣れるまで待てよ」
解体という言葉に冷や汗が出るが他に異常が無いのにビックリでそれどこでない。
「ほらコレ」ブラックは横島に何かを渡した。
「お前がオペ中も放さなかったんだ、何なんだその十字架?」
「十字架?・・・」ブラックから手渡されて気が付いた。
「それとお前と付き添って来た女の子から手紙だホレ、明日には退院できっからな」
ブラックはそれだけ言って部屋を出た。
「手紙?・・・おキヌちゃんの字だ」筆跡で誰だか分かった。


話は彼の起きる一時間ほど前。
ヒャクメから電話に出るおキヌ。
「・・もしもし?おキヌちゃん。今何処?」ヒャクメは慌てふためいている。
「今は天界総合病院です、横島さんが・・・」
「それより、本部に戻って!ユダを倒すコンセプトがそろったから」
ヒャクメの話では十字架の力でユダを倒すとかどうとかと言っていた。
「それでおキヌちゃんには天界の白皇喬ってとこの駆け巡る天使ってのに会って抱擁の十字架ってのを貰ってきて欲しいの」
「はい、何とかしてみます・・はいじゃあ」
内心はホッとした。
「白皇喬の駆け巡る天使・・・イリスっ!」
彼女はイリスに乗って白皇喬に向かっていった、横島に短い手紙を残して。


「三つの十字架・・・・」
ギュスターブに貰ったコレは。
「明日だ、少なくとも明日。ユダはしばらく動かないはずだ・・いや動けないんだ仲間割れで・・・」
横島は眠りに付く、同時に彼の動きを見張るものもそれを止めた。


「・・・しまったな、全く酷くまずいことになった」
横島の会話、彼の一部始終を見ていた奴・・ユダ。
「ネーベルスタン、どじりましたね・・・腕までやられたなんて、あぁぁ」
「ヨハン、そう言わないでくれ。リッチも機嫌を直してくれ」
「俺は良い、だがなあの人が聞かれたらどうする?」
息を呑む。
「あの人はまだ目覚めない。ロベルトはそう言っていたよな」
「今のとこだ、だが時間の問題だ。あの人はもうすぐ・・・」
「だがな、三つの十字架をそろえられたら困るぞ」
「そうだ、三つの十字架だ。ギャダランが召喚されたら・・・」
「あの人以外では太刀打ちできまい・・・」
「しかし!彼奴等はまだ三つ目の十字架・・・皇帝の十字架を見つけてない」
「当たり前だ、我々ですら知らんのだ・・となれば・・・」
「血の十字架は奴らの手中、皇帝の十字架は行方不明」
「抱擁の十字架は駆け巡る天使・・・セラか・・・」
「厄介だが奴ら程度なら」
「私で十分だ」
「明日には腕の簡易治癒が終わる、ついでに霊力も奪って・・・」
「あの人の降臨を・・・」
「明日が楽しみだな」
「クリスマス気分か?気にくわんな・・・」
ユダは不機嫌そうに玉座に座り込む。

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