ザ・グレート・展開予測ショー

人間と少女と妖怪と【3・5】


投稿者名:眠り猫
投稿日時:(01/11/ 8)



―――――?
「あれ?よくわかんないなぁ?」
理科室。粉々になった欠片はキラキラ光る。少女はそんなものには目もくれず棚に座っていた。別に、座らなくても大してかわりはないのだが。
『さっきのおにーさん、ケガしてたよねぇ?もーナオっちゃったのかなぁ。ズルイ、私はナオらなかったのにな・・・。』
それに・・・と小声で呟く。
『あの、アカいヌノ、アタマにマいてたヒト・・・』
“高校生にはなれない”
『そんなことないよ!!ないったら!私、ここにいるもん!』
突き刺さった一言を思い出して叫んだ。少女の心の内を表すかのように試験管やらビーカーが黒板に当たって砕けた。
そういえば、ここにいてから私ずっとひとりぼっちだ。
友達を作ろうとしても失敗するし、見えたヒトには邪魔される。
かといって、何故か自分は理科室から離れられない。
なんで、皆、邪魔するの?
フと上を見上げた。薬品が丁度自分に向かって落ちてくる。
『き、きゃあああああ!!!』
自分が幽霊ということはなんとなくわかってた。薬品だって当たらないものだとわかってた。
だけど――――――






似ている
「あの子・・・私に似てるんだ・・・」
そう思うと胸が痛んだ。
あの子は私なんだ。
高校に行きたくて、でも仲間になれなくて、それなら仲間をつくらなきゃ・・・
今の生活が楽しくてそんな自分がいたことなんて忘れてた。
クラスにもうすっかり馴染んじゃって・・・妖怪の自分を受け入れてくれるとは思わなかった。
あの子は除霊して、私は高校を青春する・・・?

できるわけ・・・ないじゃない・・・



教室に除霊委員が戻った時、愛子は居なかった。
「あ、れ?あのさ、愛子は?」
近くにいた女子に聞いてみる。その子は首をかしげた。
「えー?知らない。どうかしたの?」
「え・・・いや・・・」
今日の愛子におかしいことは気づいてる。
だけど、理由がわからない。
「どうしたんだよ、アイツ・・・」

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