ザ・グレート・展開予測ショー

全国除霊道派選手権!!! (予測のための過去ダイジェスト 〜キヌの子供〜)


投稿者名:ギャグレキスト後藤
投稿日時:(01/11/ 7)

おキヌ。
妙神山で修行を教えあげるハヌマン。
とはいっても、たいした事はしていない。
死津喪比女を地獄から召還させ・・・2たび、比女はキヌの姿に戻る。

目の前には、二人のキヌがいる。
そう、キヌと比女は、かつては一心同体であった。
そのキヌの能力の片方は荒れ狂うように言葉にならない叫びをあげ、妖力を放出。
これがかつての・・・300年前のおキヌの眠れる力だったとは思えないほど。
キヌの本来の精神体が比女へと化していく過程など創造し得ない。

精神体をキヌの能力とは知らずに倒した美神と横島たちには、恥じるしかなかった。
とはいえ、キヌも覚えていない程だったからと思うと、
なんで人を考えない性格なのだろうかと、美神と横島は嘆く。
2人はもともとキヌ思いだったからだろうか。

今は、「全国除霊道派選手権!!!」に参加される数週間前の晩・・・
医学どころか、科学などでは、到底説明のできないことだった。
突然、おキヌは出産をあげようとしていたのだ。

「あ・・」
「どうしたおキヌちゃん!」

われらが横島と美神は、妙神山にいる。
恥ずかしながら、キヌを見守る2人と小竜姫、天龍童子。
シロとタマモは、夏休みということで里帰り中。
さぞ、小学校の旧友と話がはずんでいることだろう。
それはともかく。

その時は突然のことで、キヌは妊娠すらしていなかった。
なぜなのか。
まったく持って理由はわからない。
考えられることといえば・・・

比女を絹から切り離した高嶋盟信導師との子供。
何しろ、前世の名を継ぐものでもあり、横島の家系の一人でもあった高嶋。
冷凍保存していたのも、導師とキヌとの種子を残す計算だったのは言うまでもない。
あの高嶋導師なら十分に考えられる話だ。
しかも、「俺に惚れろ」といっていても可笑しくはないだろう。

『・・・何をしている、産湯を用意せぬか。』
と、ハヌマン。
ハヌマンの一声にイッセー尾形・・・もとい、一斉にドキリ。
一瞬で見抜くところは、凄まじかった。

おキヌの子供。
とくると、直ぐに横島以外の人間は横島のほうを向く。

「・・・あ、あんたねーー!」

美神の振りかざす手が地獄の釜のごとく恐ろしく見えた。
それに加えて、小竜姫と天龍童子の軽蔑的な眼差し。
キヌの目の前でだ。
なのにわざとらしくというか、そそくさと逃げるように産湯を用意するよう
慌ててその場を去る小竜姫。

「あの、ち、ちょっと待ってくださいよ。
 俺にはそんな心当たり無いっスよ。」

おキヌを押さえつけるかのようにタンマと差出す手。
よく見ると、ぶるぶると震えている。
重量を超えて振り切れた針のように思考がぐるぐる回る横島。

『・・・しかし、その横島との子ではないだろう。
 大体、受精から出産までどのくらいの時間がかかると思っておるのじゃ。』

ハヌマンのフォローが入るが、美神は聞いていないまま話す。

「横島の文殊なら、十分にありえるってことなのよ。」
『いや・・・それも無理だ。文殊は、神のレベルを超えるような願いだけは叶えられぬはず。』

そこへタイミングよく、小竜姫は産湯を持ってくるが、横島には目もくれずに
ドンと突き放すと、入り口のドアーからホイと締め出されて・・・
勢いあまって、妙神山の崖も越え・・・・

「ぎいぃええぇやああぁーーーーーーーーーーーーーー!」

と、横島は叫ぶ。
無論、お約束のオチかと思われる前に、鬼門は助けようとするのだが・・・。
それもむなしく、0.0000000000000000000000000000000001秒手前で
横島の手に掠ることもなかっただけなのであった。

これで横島は下山したのをいいことに、小竜姫はふてくされる。

「もうっ、横島さんたら・・・」
『ほうほう、あの横島と言う男を好いとったのか?』
「・・・老師っ!?」

小竜姫は顔を真っ赤にする。
かつて、「俺に惚れろ」と口説かれたことを思い出していたのだろう。
それを忘れようとばかり、御座を引くとキヌを寝かせる。

はぁはぁとうなされるキヌ。
体温が異様なほどに上がる。
だが、それ以上に信じられなかったのは、50℃近くの高熱を発していたこと。
それでも苦しがっているだけで生きていられるということは、もはや人間のレベルを遥かに越える。

もう、おキヌちゃんも普通の人間じゃない。
キチンとした、能力者。
それも、霊能力とは異なる、念能力者。
ネクロマンサーは本来、霊能力とは別個の能力で、人の精神体そのものを操る。
いわば、ESP(最古死ねキス・・・もとい、サイコキネシス)といったものに近い。

「しっかりして、気を持つのよ!」

美神は冷静に声をかけたつもりが、裏返っていた。
このような現場を見るなど、美神令子には初めてだ。
しかも、唐突なこの展開がゆえに、声に焦りを見せる令子を前に、小竜姫はてきぱきと
取り出しの準備をする。

『小竜姫、お前ひょっとして赤ん坊を出す作業をしたことがあるのか?』

びくり。
小竜姫はびくつくと同時、

「ほら、大の男がみるんじゃないですよっ!」

と、苦笑しながらも天龍童子に言葉をなすりつけてごまかす。

『へえ、あるんじゃな。』
「老師は黙っててくださいよぉっ!」

キヌの心拍数が高まっていくのを確認しながらも突っ込みつつ作業をする。
これほど手馴れたことをみる美神も、思わず小竜姫をからかいたくもなる所だったが
あえて言わなかった。

おキヌちゃんがかわいそうだった。
せっかくのおキヌちゃんの子供が難産してほしくない・・・
そんな思いが、美神自身にはわからなかったが、体が勝手に抑制する。
・・・というか、それを機に身の回りをしてくれるおキヌちゃんが事務所を止めてもらった

一体全体どうなるかを考えていたのだろう。


((※・・・あとのこの辺は、×××な表現が続くので省略。))


「おぎゃあ!」

元気のいい一声が聞こえる。
成功したのは確認した。
後はしばらく小龍姫から白井総合病院に送ってもらうことにして、
暫くは、小竜姫にその病院代を任せる美神だった(・・・極めてセコイ!)
なにしろ、キヌの修行を断ったら修行場を壊したことを老師に言ってしまおうと
ばかりに美神が脅したのだ(まったくセコイ!)

この後の、キヌは・・・
落ち着くとともに全国除霊道派選手権!!!(その1)の会場へと向かったのである。
子供を見たら、情に任せて動いてしまい、せっかくの修行の意味がなくなる。
そう思いつつ、会場へと救急車は走っていく。
サイレンは鳴らさなくとも、ランプは点灯している。

しかし、あの高島導師との子とは・・・いったい、どういう運命をたどることになるのか。
そして横島は・・・・?(どうせ生きているだろう。どーせ・・・)

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