ザ・グレート・展開予測ショー

愛子の青春時代5


投稿者名:NGK
投稿日時:(01/11/ 5)

横島忠夫。
かれの特技・特徴としてもののけに好かれるというのがある。
その理由としては・・・

「(人、妖怪問わず分け隔てなく接すること)」
と愛子は言葉を続けた。
愛子が学校で授業を受けるようになってまず感じたのは距離であった。
クラスメイトの視線、好奇の目、疎外感。
それでも愛子は幸せであるとそのときは思ったときがある。
愛子は30年以上生徒として授業を受けることを熱望していた。
だから妖怪である自分が学校の授業を受けることができるだけで幸せなことだと。
しかし、横島は違った。
初めの一言こそきつかったが、それからは割と親しげに話しかけるようになっていた。
そして、日が経つにつれ周りの生徒たちが愛子に話しかけるようになってきた。
そのとき愛子は横島が自ら自分と親しく話すことで
人間と妖怪の壁を壊したのだと思ったのだ。
(たぶん横島はそこまで深く考えていたとは思えないが)

横島は愛子をチラリと見て、
「(これはあのひとを頼るしかねぇよな)」
と思い、教室から出ていった。
「(もう自分の周りで悲しい顔をされるのもいやだしな。)」
横島には昔ひとりの彼女がいた。
彼女との中は一月ほどであったが、その密度はそれ以上だったと思っている。
あのときとは全く事情が違うとはいえ、
自分のせいで愛子がこういう目に遭っていることには変わらない。
「なんとかしないとな」
横島は事務所の方へと歩いていった。

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