ザ・グレート・展開予測ショー

ルシオラ復活の日々五日目『現と幻』序章。


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/11/ 4)


これは『ほんとう』のことだろうか?

午前二時。
草木も眠る丑三つ時である。
横島は起きていた。
闇に彩られた部屋の中じっと隣で眠る女性、ルシオラを見ている。
息をひそめ、ただ目の前の女性を。
時々、恐る恐る手を伸ばしそっと体に触れる。
そして体の温かさを確認すると安心したかのように吐息をつき、そしてまたじっとルシオラを見ている。
それを、何度も、何度も繰り返す。

―『ここに、いる』
そのたった一つの事実を確かめるかのように。

―『そして、また失う』
その時が、まだ来ない事に安心する為に。

生きている限り別れがあるのは当然のことだ。
どんなに愛しい存在でも、いつか必ず別れがくる。
そして人は、出来うる事ならばその別れが、なるべく遅いものであるようにと穏やかなものであるようにと祈る。
だが、この男の別れはあまりに早くてそして、理不尽すぎた。
愛しいと感じた存在。
ほんの少ししか一緒にいれなかった。
最期の時は、隣―いや傍にもいれず。
彼女が生き残る最期の希望を砕いたのも自分。
多分、いや絶対何度その場面が来ても、自分は同じ行動を取る。
どんなに後悔しても、苦しくてもそれは、彼女と約束したのだから。
―『自分が倒す』と。

もう二度と見れないと思った。
思えば彼女の写真などは無く頼りになるのは自分の記憶だけ。
笑顔も、声も、その存在も。
忘れる事など、ないのだけどもう二度と見ることが無いのだろうと思った。
だから、こんな日が来るとは思ってなかった。
また、傍に居れるなんて
声が聞けるなんて
その体の温かさを感じる事ができるなんて
―笑顔が見れるなんて。
ウソのようで、夢かと思ったのだが、しかしこれは現実で、とても幸せな現実で
傍にいる。
たった是だけのことがこんなに嬉しいなんて知らなかったのだ。
ひどく満ち足りた感情
それと同時に襲う恐怖。


もうすぐ居なくなる。
眩暈がした
そして、それを自覚した瞬間、同時に来たのは頭を殴られたような、衝撃。
頭では、わかっていた。
そしてそれを選んだのも自分
だけど、頭で理解するのと、実際にそう感じるのは天と地ほどの差があって―

また失う。
いなくなる。
手のひらから零れる。

もう、みれない。

横島は、ずっと彼女を見る。
いつまでも、いつまでも、どんな姿でも一瞬でも網膜に焼き付けるかのように。
全てあまさず思い出せるように。
別れの時に傍で笑っていられるように。

そうして五日目の朝は明ける。

前編につづく
すいません
なんかゆんさんのお話に刺激されて書いちゃいました(汗)
しかも続きもなんも考えてないのにその場の勢いで(自爆)
ああっすいません(涙

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa