ザ・グレート・展開予測ショー

ルシオラ復活の日々四日目後編『心境』


投稿者名:G-A-JUN
投稿日時:(01/11/ 4)

依頼内容はビルで自殺して悪霊となった霊の除霊だった。
霊のレベルのランクも低いので横島1人でも充分倒せる相手だ。

除霊

今回の除霊の対象となっている悪霊は霊団に近い性質を持っていた。
霊同士が合体はしないが、少し霊を呼び寄せることができるようだった。
この部屋には5体程いた、どれもが同じ様な心境をしているように感じられた。
どの霊もブツブツと言いながら室内をうろついていた。
横島がドアを開け室内に入り相手を確認した途端5体の霊が一斉に横島ルシオラを見た。
しかし、無気力状態で2人を襲う気がまるでなかった。
「ここだな、にしても1体じゃないのか?まぁどれもたいした強さじゃないようだし構わないか。」
横島が室内にどんどんと入っていくといきなり5体の霊が横島を攻撃対象に一斉に襲いかかってきた。
「来たわよ!ヨコシマ」
「おっと!」
横島は霊波刀を出現させ一番近くまで向かってきた1体を斬りすぐに構えると残りの4体が接近を止め横島を囲もうと考えたのか左右に広がり始めた。
そして、再び一斉に接近してきた。
横島はハンズ・オブ・グローリーを真っ直ぐに伸ばし横に払い右の2体を倒し、すぐに縮めてサイキック・ソーサーに変え、左側の先に向かってきた相手に投げつけ倒した。
そして、残った1体を接近し霊波刀で倒した。
「よし、終わったな。一応念のためこれを使っとくか。」
横島はそう言うと文珠を作りだし「浄」と入れて発動させた。
「これでよし。っと」
「すごいわね。ヨコシマ。本当に1人で終わらせちゃったわね。」
「まぁ1体1体がたいした強さじゃないし、あの頃から1年ぐらい経ったし俺も少しは成長してないとな。」
そして、横島はギャラをもらい(すでに7割ほどは美神の口座に振り込まれていた。)ルシオラとビルを出ていった。
「よし!これで数日は持つぞ。」
「そう言えば西条さんから借りたお金はどうするの?ヨコシマ」
ルシオラは自分が着ている服を見ながら横島に聞いた。
「まっ、その内返すさ。多分」
本心としては返す気など全くないが、かと言って返さないのも何か借りを作られた気がして嫌だし…と少し悩んでいた。
「そういやー、ベスパとパピリオはどうしてるだろう?」
これもまた西条のおかげで2人は宿で生活していた。
「そうね。会いに行ってみよーか。」
「そうだな。パピリオも喜ぶだろーし。」
2人は途中で昼食をとりベスパとパピリオに会いに行った。
「ベスパー!パピリオー!居るー!?」
「え!?姉さ…ルシオラ、どうしたんだ?」
「ルシオラちゃん!ポチも!会いたかったでちゅよ」
2人が来たことがパピリオはとてもうれしいかった。
「久しぶりに2人に会いたくなちゃった。別に今は何もないでしょ?」
「そうだけどいいのか?私は2人のジャマをするわけにはいかないと思ってパピリオにも言い聞かせていたのだが…」
「だったら別にいーじゃねーか。ベスパ達だってルシオラに会いたかったんだろ?」
「………ルシオラ、その…なんて言えばいいんだろ?…」
「せっかく3人揃ったんだからその話は止めようよ。ヨコシマがパピリオのペットだった時の頃みたいにみんなで楽しく話したいわ。」
「…そうだな。パピリオもいるし、私もあまりこんな話はしたくない。」
「あ、そうだ!ヨコシマ。今は私たちしかいないからって変な気を起こさないでね。」
「変な気って何でちゅか!?」
「できるわけないだろー!!…って別に知らなくても関係ないんだよ、パピリオ。」
ルシオラが多少きついがみんなが楽しんだ話ができるようきかっけを作ってくれてどんどんといろいろな話が出てきて盛り上がった。
全員が時間を忘れて話に夢中になった。
…ベスパがふと、外を見てルシオラに聞いた。
「そろそろ時間じゃないのか?ルシオラ」
「あ、そうみたいね。よく気づいたわね。教えてくれてありがとう。ベスパ」
……時間?…あ!そっか!!、そう言えばそろそろだったな。
横島も何の時間か気づいた。
「じゃ、そろそろ行くか。ルシオラ」
「そうね。あまり長くいてもベスパとパピリオに悪いしね。」
そして、2人は夕焼けを見に宿から東京タワーに向かった。

………姉さん、ごめん。そして、ありがとう…
ベスパは2人が出たあとパピリオに気づかれないように背を向けて心の中で呟いた。

横島とルシオラはいつも2人で夕焼けを見ていた場所で目の前に広がっている光景を目を輝かせて見ていた。
「ちょうど良い時間に着いたわね。やっぱいつ見ても良いわね。」
「俺は最初はあまり気にしてなかったけど、お前に教えられてからは、なんかいつも気にするようになったからなぁ」
………………………
2人は夕日が沈んでいく様子に目も心も奪われていた。
やがて、夕日が完全に沈んだ時はルシオラは話し出した。
「…沈んじゃったね。」
「…そうだな。…じゃ、そろそろ帰るか……」
横島はいつも1人で見ていた時は沈んだあとなんとなく寂しさというものを感じて、暗くなってきても少しの間その場から動かない時があったが、今回はすぐに帰ろうという気になれた。
…やっぱルシオラが近くに居てくれてるおかげなんだな…
帰る途中、ベスパとパピリオのところで話していたような事をルシオラと話ながら心の中で呟いた。

アパートに着き夕食をとったあとルシオラが横島に聞いた。
「今日はいつもと比べると煩悩が普段ぐらいまで高まってたの朝だけじゃない?ヨコシマ」
「たまにそんな時もあるさ。今日は楽しかったし…」
「じゃ、今日はもう腕相撲やらなくてもいいわね。」
ルシオラは横島の煩悩を刺激するような発言をした。
「う!…う〜ん……まあ今日はいいや。疲れてるから先に寝ていいか?」
ルシオラの発言に一瞬反応したがそれだけで、終わった。
「じゃあ、私も早く寝るわね。」
横島は再び何故か反応した。
「じゃあ、おやすみ。ルシオラ」
そして、自分の布団を敷いて寝た。
…どうしたんだろう?と、少し不思議がっていたが、それでも今日はヨコシマのいろいろな表情が見れてうれしかった。と、思いながらルシオラも眠り始めた。



本当ならここで横島がルシオラに夜這いをしようと考えていたのだが本当に疲れていたためそのまま自分の布団で熟睡した。

これで、2人のこの日の1日は終わった。


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