ルシオラ復活の日々四日目前編『疑惑』
投稿者名:G-A-JUN
投稿日時:(01/11/ 4)
朝
「きゃーーー!?」
とつじょルシオラが悲鳴をあげた。
「ルシオラ!?どうし………どわーっ!?」
横島はルシオラの悲鳴を聞きつけ「ルシオラの」布団から飛び起きた瞬間ルシオラにはじき飛ばされたのだった。
「つぅー。どうしたんだよ?ルシオラ」
「どうしたじゃないでしょ!?何でヨコシマが私の布団で一緒に寝てるのよ!?」
「だって昨日ヤっていいって言ってたじゃないか。」
「それは私に腕相撲に勝ったらでしょ。」
「じゃあ今すぐ勝負だ!!」
横島はすぐにテーブルを準備して腕を置いた。
「もう…しょうがないわねぇ…あれ?右腕もう治ったの?ヨコシマ」
昨日、確かに折れて病院に行ったはずなのに…と不思議に思っていた。
「あ、あぁこれか。文珠を使って治したんだ。それより早くやろーぜ。」
「う、うん。」
ルシオラはテーブルに腕を置き横島の手を軽く握った。
「レディー…ゴー!!」
前日のように横島は闘争心がむき出しだった。始まった途端一気に自分の体を左側に傾けた。
2人の腕は一気に「左側」に傾いていった…が、横島の勝利まであと、30°のところで2人の腕は止まった。
「あと少しよ。がんばってヨコシマ」
ルシオラは人事のように余裕の表情で横島を応援した。
「うおぉぉぉー。あと少し…あと少しぃー!!」
…が、力尽きてしまい、一気に右側に傾き横島の手が先についてしまった。
「残念ねぇ。ヨコシマ」
「ちくしょーぉぉぉ!!」
横島は心底悔しそうだった。
横島の気分も一通り落ち着いて着替えて、布団を干し、朝食をとることになった。
ルシオラは砂糖水を飲み横島は………
「あれ?何もないぞ…そう言えば最近何も買って無かった気が…」
今日から絶食!?そんな事実に直面しようとした時1つの考えが浮かんだ。
「あ!そうだ。今日はいつもより早いからまだ美神さんたちも事務所にいるはずだ。なんとか仕事をもらえるように頼み込んでみよう…」
「朝から大丈夫なの?ヨコシマ」
「俺1人でもできる簡単なのをもらうさ。ルシオラに負担かけないようにしたいし。」
「じゃあ私も準備するわね。」
そして2人は事務所に向かうことになった。
仕事さえもらえれば絶食からも抜けられるし、みんなが出掛ける前になんとか着きたい。
そう考えて、駅で横島は残りわずかなお金で2人分の切符を買い電車に乗った。
「電車なんて久しぶりね。」
「そう言えばあの時も乗ったなぁ。」
「あの時はベスパとパピリオもいて四人(+土具羅&逆天号)だったわね。ヨコシマと2人っきりなんて初めてね。」
以前の話をしている内に電車は降りる駅に着き再び事務所に向かって歩き始めた。
「よし。やっと着いた。」
2人は事務所に着いた。
中に入ると台所ではおキヌちゃんの姿があった。
「おはよう。おキヌちゃん」
「あ!横島さん、…ルシオラさんも珍しいですね。」
「久しぶりね、おキヌちゃん」
「はい、そうですね。…あ、最近横島さんが来ないから横島さんの分の食事作ってなんですけど…これから作りますね。」
「あ、いいよ。食べて(飲んで)きたから。(ルシオラは)」
あまりおキヌちゃんに迷惑をかけるわけにはいかないとおキヌちゃんが安心できる形で断るようにした。…が、おキヌちゃんは横島がルシオラの手料理を食べてきたのだと思ってしまった。
「あ、…そうですか。…じゃあ…いいですね。」
横島はおキヌちゃんが少し残念そうな顔をしたため焦ってしまった。
(え!?俺なんか悪いことしちゃったの!?)
(バカね。ヨコシマに食べてもらいたかったのよ。おキヌちゃんは)
(え?そうだったの!?って言ってもホントは食べてなかったと言っても信じてもらえそうにないしなぁ…)
「あ、おキヌちゃん…」
「何ですか?」
おキヌちゃんは無理をしていつもの優しい表情になっているように思えた。
「その…迷惑だとは思うけどさ…この次、来たときは作ってもらえるかな?」
「あ、はい!わかりました!」
おキヌちゃんは本当にうれしそうな表情だった。
横島はそれを見て安心していた。
そして、目的を思い出し、美神のところに向かっていった。
「おはようございます。美神さん」
「2人揃ってどうしたの?私たちに2人の仲でも見せつけに来たの?」
美神は何故か不機嫌だった。
「いえ、そんなつもりはまったくないです。ただ、俺1人でもできる仕事ほしくて頼みに来ただけです。」
「あんたたち用の仕事ならそこにあるわよ。」
そう言って数枚のギャラ、レベル、場所が書かれた紙が置かれているところを指さした。
横島がどれをやろうか考えている間、ルシオラ、美神、おキヌの3人が集まってしまった。
「あんたも大変ねぇ。ルシオラ。確か今、横島クンと一緒に暮らしているんでしょ。」
「え!?ルシオラさん、横島さんと一緒に暮らしてたんですか!?」
「別に大変なことはないわよ。まぁヨコシマの煩悩を抑えるのは大変だけど、いつも楽しいわよ。」
「そんなこと言ってると、あとで後悔してもしらないわよ。」
美神は忠告のように言ったがその言葉はおキヌにだけ効いた。
「別に私とヨコシマは「恋人」だから私は全然、後悔するようなことは無いわよ。ヨコシマもそうみたいだし。」
「で、でも横島さんはまだ高校を卒業してないんですよ!いくらなんでも…その……」
おキヌは少し焦り気味だった。
「そんなに興奮しなくても大丈夫よ。おキヌちゃんが心配してることはしてないから、少し落ち着いて。」
「おキヌちゃんが興奮しちゃうようなことは控えてよね。ルシオラ」
「それは、私たちが決めるわ。」
この空間の霊圧が高まり始めた時ようやく横島が焦りながらどの依頼をやるか決めてきた。
「じゃ、じゃあ、仕事に行きますんで、これで、失礼します。行こうか、ルシオラ」
「そうね。」
横島とルシオラが部屋から出ようとした時1つの影が横島に向かって突進してきた。
「ぐはっ!」
横島は仰向けに倒されそのまま乗られて顔を舐め回された。
「久しぶりでござる。横島先生!!。会いたかったでござるよー!!」
「シ、シロか!だからやめんかぁー!!」
今まで美神たちに横島に会いに行くなと言われていたため会いに行けなかったシロは思う存分横島の顔を舐めている。
「ちょ、ちょっとヨコシマに何をやってんのよー!!」
ルシオラはシロとは初対面だったためシロの行動に驚かされた。
「言っても無駄よ。犬の習性なんだから。」
「い、犬!?この子が?そう言えば尻尾がある。」
「狼でござる!!」
犬と言う言葉に反応してすぐに自分で訂正した。
「よいしょ。っと、簡単に言うと人狼なんだよ。」
シロをどかして起きあがった。
「一緒に散歩に行きたいでござるよ。先生。」
「今1人で行って来たばかりだろ。」
「1人じゃ退屈なんでござるよ。」
「わかった、わかった。そのうちまた連れて行ってやるから。」
「約束でござるよ!」
「約束しなくてもいつも連れて行ってるだろ。」
シロの頭を撫でてやりながらこう言うとシロも納得してくれた。
タマモも姿を現しルシオラを見て美神に誰かと聞いた。
「まさかとは思うけど、ひょっとしてこの人って…前に説明に来た人たちが言っていた、横島の……」
「あ、タマモも来たの。そうよ、横島クンの「恋人」よ。そうでしょ、ルシオラ」
「うそ!?信じられないわ。」
…いきなり来てそれはないだろタマモ。
横島は心の中でそう呟いた。
「やっぱり横島クンの恋人とは信じられないんだって。」
「本当にそうなの?」
タマモはルシオラ本人に直接聞いた。
……そんなに信じられないのか?タマモ。俺も最初の時は疑っていたが、あとになってからだが、ちゃんとこの事実を素直に受け止めたぞ。受け止めないわけがないだろ。
再び横島は言ったところで信じてもらえないだろうと心の中で呟いていた。
「ええ。そうよ。ヨコシマも私のことそう思ってくれてるわよ。」
美神さんのところへ来てもう1年ぐらい経つのに人間社会ってよくわからないことが多いわね。
さすがにこれ以上言うと横島が怒ると思ったため、あえて口には出さなかった。
「とりあえず、そろそろ行くか。」
「そうだったわね。」
そして横島とルシオラは事務所から除霊場所へと向かっていった。
移動中、ルシオラは横島に1つの質問をした。
「美神さんやおキヌちゃんはまだわかるけど、あの2人には手を出してないわよね。」
…何で俺ってそう思われるんだ?わからんでもないが・・・
横島は少し悲しくなっていた。
「ちょっと待て!!いくらなんでも、あの2人には手は出さないぞ!!」
「でも、あの人狼の子はヨコシマのこと、すごい気に入ってない?」
会うなり、いきなり飛びついて顔を舐め回す。と、いうシロの行動を見れば誰でもわかることだろう。
「まぁ、あいつはまだ子供だからな。もともと霊波刀を教えてやったのがきっかけだったし。」
「だからヨコシマのことを先生って言ってたんだ。」
「…あ!あそこだな。よし、じゃあ手早くすませるか。」
2人は除霊場所に着いた。
…後編に続く…
今までの
コメント:
- シロよ。残念だがこの話の横島はもうルシオラのものなんだ・・・(涙)
大丈夫だよな。シロは強い子だもんな・・・。
しかし、おキヌちゃん。泣きたいほどにつらいだろうに・・・。ええ娘や。 (黒犬)
- おキヌちゃん健気・・・。
ルシオラさんの心遣いと、横島君の優しさに、ちょっぴりだけど救われてますね。
うう・・・、シロちゃんの無邪気さが今だけは胸に痛いです。
でも、今回も横島君とルシオラさんの小さな幸せが続いてて良かった・・・。 (猫姫)
- ←はぅー、兄妹そろって入れ忘れ・・・シンクロ? (猫姫)
- おきぬちゃん!!
君はいい子だ!!うーもうかわいいし(涙 (hazuki)
- 彼女の優しさに僕はもう・・もう・・もう、うえーーーーーーん(涙) (たーくん)
- ↑犬さんシロ好きですね〜 (ペス)
- ずっとこのような展開を待ってました。
健気なおキヌちゃん、意地っ張りな美神令子、無邪気なシロ、おトボケな!?タマモ…
当たり前の反応なのだけれど、それがとてもいい感じです。 (JIANG)
- ↑ええ! 大好きです!!!
だってシロニストですから!! (黒犬)
- ↑同じくボクもシロは大好きです。
…っと、言うわけで(意味がよくわからないけど)遅れましたがコメント返しをします。
黒犬さん
今回はルシオラメインですからねぇ…(とか、言いながらシロや他のキャラもだしたけど)
やっぱおキヌちゃんも複雑だろうなぁ…(自分が書いたのになんか客観的になってるし)
コメントありがとうございます。 (G-A-JUN)
- 猫姫さん
<小さな幸せが続いて良かった
キャラを増やしてもなんとか2人をメインに書けるようにがんばってたんでそう言ってもらえてとてもうれしいです。
コメントありがとうございます。
御兄妹揃ってコメントを入れてもらうことができ、とてもうれしいです。 (G-A-JUN)
- hazukiさん
今回はボクのおキヌちゃんに対する個人的イメージが出せたかな?
やっぱ自分が書いたキャラをほめてもらえることはとてもうれしいです。
コメントありがとうございます。 (G-A-JUN)
- たーくんさん
今回のおキヌちゃんは天然が無いけど(あったらあったらで内容的に困るけど)、その分優しさは出せたとコメントを読ませてもらいそう思うことができました。(実際の所はどうだろう…)
コメントありがとうございます。 (G-A-JUN)
- ペスさん
最初の方にも書いてますが、ボクも黒犬さん同様にシロ好きです。
今回の話はその結果なのかなぁ?…(他のキャラ出したのは…特にシロ)
…っと、それは後(?)にして投票ありがとうございます。 (G-A-JUN)
- JIANGさん
以前にもチャットで話してましたね。<他キャラとの絡み
ボクも考えてましたがボクの前の人達が誰もやってなかったので少し悩んでいました。
今回の話を出そうと思えたのはJIANGさんもそう言う話が読みたいと言ってくれたおかげだと思います。
コメントありがとうございます。 (G-A-JUN)
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