ザ・グレート・展開予測ショー

奴の名はユダ!・・・17


投稿者名:スーパーたーくん
投稿日時:(01/11/ 3)

美神はヘリの中で考え事をしていた。
アトランチスまでは一日掛かるとパイロットは言った。
「ちなみに一度飛ぶと外とは連絡ができなくなるんでそれでも良いですか?」
「良いわ、早く頼むわよ」
タイガーと雪乃丞は眠っていた、美神も眠ろうと思うのだがどうも瞼が閉じれない。
「おかしいわね、明日は決戦だっていうのに・・・」
美神の何かが彼女を眠らせないようにしているのだろうか、彼女はしばらく外でも見ていることにした。
「こうしとけば、すぐに眠たくなるでしょ・・・」外はもう海だった。
時刻は午後の七時を回ったくらいだろうか、海は黒くそれでいて美しいフォーミングブルーをうねらせていた。
「・・・・綺麗だけど退屈ね・・・でもそれも面白いわ」目頭が熱くなる。
不意に西条たちの顔が目の前に出る、みんな美神を呼んでいる。
「令子ちゃん、無理をしちゃだめだよ」
「美神君もう少し気を落ち着けて・・」
「美神さんそうおっしゃらずに」
「令子、あんたボケッとしてんじゃないワケ!」
「五月蝿いわね、あんたに言われなくても・・んっ!?」
ガクン、ヘリがその機体を斜めに崩し始めた。
「・・・美神の旦那!早く逃げねえと」雪乃丞が気付けば耳元で叫んでいた。
「パイロットは確保したから大丈夫じゃい」
タイガーはパイロットを肩に抱えてヘリを飛び降りる。
「一体どうしたのこれは?」
「旦那が寝てる間にユダが殴り込みにきたんだ」
雪乃丞は外を指す、ゆらりと一人の男の姿を確認する・・・ユダだ。
「嘘っ!あいつまさか」
「へっへ、追い込まれてかそれとも自信満々かどっちかって事か・・面白くなってきたぜ」雪乃丞は魔装術に身を包む。
「冥子の旦那!シンダラを貸してくれっ!」無線で冥子達のヘリに連絡する雪乃丞。
「わかったわ〜〜〜、頼んだわ〜〜〜〜シンダラちゃ〜〜〜ん」
シンダラが亜音速で美神たちの元へ向かう。
「旦那も降りるんだ、会話は多いが実際は三秒くらいしか時間は経っていないしな」
「そっそうね(何がそうねなのかしら?)あんたも無理は駄目よ、私達の目的は」
「東京であいつを確保する事だろ、合点承知の助!」
美神はシンダラの姿を視界に入れてからヘリを飛び降りる。下にはタイガー達を救助に来たマリアが待っていた。
「ミス・美神・急いで」マリアは美神をせかす。
「いえ、私達はあいつを東京に連れてかなきゃいけないのよ・・だから」
神通棍を握る美神。
「決戦は今から始まるのよ!」
ユダを見据える美神、ユダは笑っている。
「来なよ、俺がお前たちに暗殺術の全てを教えてやる。もっとも死んじゃあ意味が無いけど」
「ごたごた五月蝿えぞ!」雪乃丞の攻撃がユダに向けられる。
「口数の多い男は嫌われるのよ!」美神も便乗して神通鞭を飛ばす。
ドドドド、雪乃丞の攻撃が全て当たる。
「よっしゃあ!」
雪乃丞の歓喜の声がでる。が・・
「で?これだけか?」
ユダはピンピンしている。
「俺も遊ばせろよ・・疾風剣」疾風が雪乃丞を襲う。
「えっ、・・・ぐおっ!」体から出る鮮血が彼を染める。
「雪乃丞さん!うおおお、タイガーが精神に攻撃を仕掛けるが全く効いてない」
「マリア!前線に出て頂戴!」美神はマリアに命令をする。
「イエス・ミス・美神」
「冥子!シロ!タマモ!みんな一気に行くわよ、本気で行かないと東京に連れてくどころじゃないわ」
「令子ちゃ〜〜ん海の上じゃ〜〜厳しいわ〜〜〜」
「マリアに・任せて・・・ロケットアームX!」マリアの腕がユダを掴む。
「こんなも・・っの!?ぐぐぐ」ユダの体に雷が走る。
「なっなんだこれわぁぁぁ!」
「マリアこれは?」
「ドクター・カオスの・新作品・です」
「どうやら霊体に直接刺激を与えるやつみたいね」
美智恵がヘリから身を乗り出す。
「令子達は早くヘリに!タイガー君雪乃丞君を回収して!マリアはもつとこまでそいつを引っ張ってきて・・ヘリを出して頂戴!」
バババババ、ヘリは東京に向かってフルスピードを出す。
「こんなもの・・・フッン!」マリアの腕を握り潰すユダ。
「アクシデント・アクシデント・目標が・拘束を・解除」
「私に任せなさい!」
美智恵が扉を蹴破る。
「死ねぇぇぇ!GSどもぉぉぉ!」ユダが攻撃モーションに入る。
「甘いのよ三下ぁぁぁぁ!」美智恵は返してなかった竜の牙を変化させる。
「技には技よ!大強撃っ!!!!」激しく振り下ろされる竜の牙。
「何が三下だぁぁぁ!雷雲剣っ!!!」二つの刃がヘリの隣で噛み合う。
「うっわわ、このままじゃ墜落しますよ!」パイロットもドキドキである。
「ママ!」
美神の叫び共に美智恵は空へと飛ぶ。
「令子ここは私に任せなさい、あっちに横島クンがいるらしいかられ・・・」
その後は良く聞こえなかった、ただ横島が生きているという事が美神はしばらくたって理解できた。怒りたいのか喜びたいのか良く分からなかった。
「運転手さん急いで欲しいんじゃ雪乃丞さんが!」タイガーはパイロットに急げといい続け。冥子は手当てに必死、シロタマモは呆然と突っ立ったまま。
そして美神の背筋に凍るような寒気が襲う。
「・・まさか・・・・・・・・」ヘリで後ろを振り向く。
後ろからは誰もこない、このヘリ(G−75FC)は時速263キロで飛行できるよう改造はしてある、マリアより速く飛べる。
「ママ・・・・・」誰も来ないからこそ美神は確信した、美智恵が散った事を・・・

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