ザ・グレート・展開予測ショー

もっと守ってあげたい〜略して今日パロ〜


投稿者名:ダテ・ザ・キラー
投稿日時:(01/10/26)

前回までのお話――横島との散歩を断念してタマモ救出にきたシロは
斬り殺される寸前だった。(いいのかオイ、こんなやっつけなあらすじで)



「……………え、あれ?」
生きている。彼女に到達する筈だった二振りの刀は、壁に突き刺さってもがいている。
彼女がへたり込んだ動きに、二人が一拍遅れたゆえに、彼女が壁と密着状態だった故にだ。
ザブワァッ、ザズシュッ
二体をそれぞれ一刀の下に屠った彼女が、最後の敵とまみえる。
「観念して女狐を解放すれば、終わりにしてやってもいいでござる」
四人がかりの包囲網を破った。一対一で負ける筈が無い。彼女は眼前の相手を睨み据える。
「……チームってモンは足並み揃えた方が効率はいい。効果が最大ではなくとも、な」
「なにを……?」
「フンッ!」
ザヴッ、ギギャッ
白銀の風が舞い、殺気がシロに迫る。彼女はすんでのところでそれを霊波刀で受け止る。
「くぉっ!?」
あまりの剣圧に右腕が軋む。
「クククッ!貴様こそ観念して、ワシに傅いたらどうだ?」
「ほざけ!誰が、武士の魂<もののふのこころ>あらざる剣士に屈服するか!!」
「それはどうかな?見せたかったぞ、床に頭擦りつける不様な狐…貴様の友なのだろ?」
専念の古来より、九尾の狐は身の安全のために時の権力者に取り入ってきたという。
普段、プライドの高い彼女にもそういう習性が内在していたのか…
いずれにしてもこのツクモガミは、生来最大の失言をしたといえる。
ミシッ
そんな音が、白濁する理性の最後の知覚としてどこか、すぐそばで聞こえた気がした。
「ごぁぁぁあああぁぁぁぁああぁぁぁっ!!!」
「!!?」
ヅガァァァァァァァッ
凶獣の咆哮、虚ろなる剣の煌き、鎧武者の胸部中心に大きく穿たれた暗い穴、それら全ては
電光の迅さで生まれたモノだった。反応どころか、認識さえ追いつけぬ獰猛な速度。
「ハァーッ……!ハァーッ……!ハァーッ……!」
常軌を逸した瞬発力で全てを吐き出し、なおも憤りが残る彼女の息は荒い。
「うくぅ?…馬鹿な……」
「おい、今の話……もしも誰かに喋ったりしたら………!!」
うめくツクモを睨みやって、シロが押し殺した声音で告げかける。
「わ、判った!それに奴なら奥の部屋にいる!ワシの負けだ!!」

(アイツ……落ち込んでるかも知れんでござるなぁ…ここは一つ、明〜るく…)
ガチャ
「やぁ、タマモー。助けにきたでござるよー♪」
だが、そこにいたのはボサボサ頭に極端なツリ目が印象的な見知らぬ女性。
「え?なんだか解んないけど助けてくれんの?」
「……あれ?……狐?」
「いやぁ、ははは…こー見えても稲荷様なんで、ヨ・ロ・シ・ク・ね♪」
「………へ?」
「ふふふ、稲荷なんだけど昼の連ドラ『アイドル天使ようこそ妖狐』の主役を……」
「えー、と………」
シロは、今度は意識的に理性を閉ざした。(逃避ともいう)


未だ立ち直れない意識をひきずって、シロは学校へと、とぼとぼ走っていた(器用な奴…)。
しかし、卓越した動体視力と広大な視野を持つ彼女の瞳が見覚えある二つの影を捉えた。
「おぉ!シロか、遅かったな。まぁ、全面禁止は言い過ぎだったよ。けどちょっとは控えろ」
シロの元気が著しく低下してる気が少しした横島が気まずそうに譲歩する。
「なぁに、アンタその怪我?そこらの野良妖怪と喧嘩してきたの?
まったく、血の気が多いんだから……クズいたぶって、何が面白いんだか……」
シロの左腕の裂傷を目敏く見つけて非難するタマモ。
「…………………………………」
シロは、どこか遠くを眺めていた。
おわり

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