ザ・グレート・展開予測ショー

黄昏。前編


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/10/24)

届かない言葉がある。
誰に対しての言葉だかもう忘れてしまったのだろう
…哀れな霊は繰り返し繰り返し言葉を放つ。
だが、その言葉はもう意味をなさず言葉と言うよりも音としか聞こえない。
ただ一人廃墟と化した屋敷で救いの手も拒否しただ繰り返し今日も言葉とはいえない「呪」を放つ。

「で、その120年だか130年だか前からしんねえ霊能者の奴の怨霊がココにいるのか」
いかにもな廃墟とかした和風の屋敷を前にして雪之丞。
じろりとその迫力のある三白眼で隣にいる男を睨む―いや見る。
「はい」
もう随分と寒い時期となるのにとハンカチで流れ出る汗を拭きつつ男。
その年は40歳を越すくらいだろうか?
頭は大分後退しており、腹部はぼってりと出ている。
俗に言うビール腹というものであった。
「このおかげで、工事に出たものが何人…も殺されまして」
たどたどしく恐怖を抑えて言うその姿は、目の前にある屋敷に酷く恐ろしいものを感じるからであろう。
「ったく、GSの怨霊なんぞ聞いたことないぞ…」
と手のひらを頭部に当て雪之丞。
まあそっちの方が遣り甲斐ありそうだけどな…とは心の中だけで呟きとめておく。
幾らなんでも実際に被害を出された人間には聞きたくない台詞であろう。
「じゃあ、ココから先は俺一人でいい。案内有難うな。」
にやりと口元を歪ませ雪之丞。
黙っているとどう見ても人相が悪いとしかいえないが少し顔をほころばせるだけでひどく柔らかい印象をもたせる。
先程との、ギャップあっけにとられている男を置いて雪之丞は屋敷へと消えた。

「…助けてあげて下さい」
消える直前に男の声が流れた。
ひどく恐ろしいような、そして哀れむような。
願うような。

ぎいい。
半分以上壊れたドアを開く。
「!!!」
瞬間ひどく密度の高い霊圧に息が詰まるような、呼吸が出来ないような錯覚に陥る。
そして、続いて襲う悪寒。
何も無い埃を被った部屋から一人の人
いやもう人ではないものが現れる。
年のころは60歳くらいだろうか?
袴姿にだらりと下ろされた白髪は腰あたりまで伸びている。
そして黒く淀んだ瞳。
底はなく何も映っていない。
霊気の圧力はそこを中心にあった。

「……」
じっとりと額に汗が滲む。
攻撃が来ない。
悪意も、生への執着も死への恐怖も見られない。
見えるのは底の無い闇のみ。
来ないならば
と雪之丞はこちらから仕掛けようと破魔札を懐から出そうとした瞬間
ダンッッッッ!!!!
と壁に叩きつけられる。
「ぐうっ!!」
口元から一筋血が流れた。
そのままずるずると地面に崩れ落ちる。
(内臓にきたな)
妙に冷静な部分でそんなことを思いつつ必死に今何があったのか理解しようとする。
いま、自分は吹き飛ばされたという事はわかる。
それは、破魔札を出すというよりも、言葉を紡ごうとした時
『吸引』と言おうした瞬間ふきとばされたのだ。
そして今、この目の前にいるモノは何もしようとしない。
今攻撃されたらヤバイと言うのに。

つづく
誤解のおまけのラストが思いつかないから現実逃避で書いたと言うのになんだろう
なんで終わらないんだろう(涙)
しかも何も考えないまま書いたから変だな(それは全部の作品に共通してる?)
見捨てられるかなあ(涙)

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