ザ・グレート・展開予測ショー

A REBELLION AGAINST HEAVEN(11)


投稿者名:ラクン
投稿日時:(01/10/23)

夜中のビル街に赤のオープンカーのマフラー音がけたたましく響きわたる。

「タイガーもっと飛ばせないワケ!?」
エミが隣の運転席でハンドルを握っているタイガーに叫ぶ。
「こ、これが限界ですけぇ!」
「おたく太り過ぎなのよ、もうちょっとダイエットしなさい!」
エミが後部座席に移動し、シートを上に持ち上げる。
「?何をしてるんですかい」
「『アイツ』に一泡ふかせてやるのよ」
シートの中からエミが重そうに持ち上げたものは・・・装弾数が一発の小型のロケットランチャーだった。
「な・・・」
タイガーの口があんぐりと開く。
「対令子用に隠し持っていた武器がこんなところで役に立つとは思わなかったわね・・・」

くくくと笑うエミに美神と戦争でもおっ始める気だったんかいとタイガーがつっこもうかと思ったその時
手前のT字路に唐突に黒い塊が左手から滑り込んできた。
その黒い塊に向かってエミが素早くランチャーの照準を合わせる。
「ケケケ、今度は逃がさないぜぇ、エミ・・・ってなんじゃそりゃあ!?」
「おたくに関わるのはもううんざりなワケ、ベリアル!」
エミが躊躇い無く引き金を引く。
白い尾を引きながらロケット弾がベリアルに直進する。
「タイガー、ブレーキ!!」
「が、合点!」

タイヤが悲鳴を上げる。
ようやく車が停止したとき、ベリアルに弾が着弾し、鼓膜が破れるかと思うほどの爆音とともに周囲の物体を吹き飛ばした。

「キ、キーーーーーーー!!」
ベリアルの甲高い絶叫を聞き、タイガーがほっと胸をなでおろす。
「何してるの、さっさとバックして別の道に逃げるワケ!」
「で、でもこれじゃさすがに・・・」
エミがいっそう声を大きくして怒鳴る。
「あんな程度でくたばるようなタマじゃ無いワケ!早く!!」
タイガーが着弾地点に目をやると中で僅かに動くものが確認できる。
よく見ようと目を細めたその時、煙の中から手が突き出してタイガーの首を鷲づかみにした。

「ぐ・・・・はっ・・・」
100キロはあるかというタイガーの体が軽々と宙に浮いていく。
「・・・のっ!」
エミが神通棍を取り出してベリアルの腕を切り落とす・・・つもりだったが逆にこちらの神通棍がどこぞの棒菓子の様にいとも簡単に折れてしまった。
そしてエミの首にもう一方の手が伸ばされる。

「ケケケ・・・今度は俺の勝ちみたいだなぁ・・・エミィィ・・・」
ベリアルの瞳が輝く。その輝きは獲物を捕らえた猛禽類のそれだった。
エミの首をつかむ手に力が入る。

「うあ・・・ぁ・・・」
「ケケ、良い顔だぁ・・・」
「調子に乗るんじゃ・・・無いワケ!」
「強がりはみっともないぜ、エ・・・」
その時になってやっとベリアルはエミの体に急速に霊気が集まっていることに気付いた。
「キ・・・お、おまえその技はまさか・・・」
「・・・二年前の私と同じに見られちゃ困るワケ・・・」
「よ、よせぇ!!」
「霊体・・・撃滅波!!」
「またかぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
エミの体から圧縮されていた霊波が一気に開放されベリアルを再び吹き飛ばした。

支えを失ったエミとタイガーの体が地に落ちる。
「ゲホッ、ゲホッ!」
首を押さえ、あの馬鹿力めと心の中で毒突く。
視線を右にやるとタイガーの方はぴくりとも動かない。
様子を見に行こうと立ち上がるが足元がまだふら付く。
何とかタイガーの所まで辿り着いて口元に耳を寄せる。

スー、スー

・・・大丈夫、気絶しているだけとほっと胸をなでおろしたまさにその時、背後から霊波が放たれた。
まだ完全に調子を取り戻していないエミにこの不意打ちが交わせる筈も無く、背中に直撃をもらってしまう。
「ケ、ケッ、確かに驚いたけどあいつ程の威力は無いな」
(まずい・・・)
エミがタイガーの襟を掴み、車内に引きずり込もうとする。
背中にまるで火でもつけられたかのような痛みが走るがそんな事を気にしている余裕は無い。
しかし、女性一人で男性を運ぶのは簡単な事ではない。
それがタイガーのような大男ならなおさらだ。
どんなに力を入れてもびくともしない。
ベリアルも口では強がっているが先程の攻撃が相当効いているようで、体を起き上がらせる事に奮闘している。
だが相手が体制を立て直すまで恐らく30秒もかからないだろう。
対してこちらはたとえ10分かけてもタイガーの巨体は到底持ちあがりそうに無い。

もう駄目かと思いかけたとき、不意にエミの後ろ襟を何者かが掴む。
(・・・新手!?)
エミを絶望感が襲う。しかしそれは後ろを振り向いた瞬間どこかに消えてしまった。

「掴まって・下さい・ミス・エミ」
「マリア!」
地獄に仏とはまさにこの事だ、かの(まだ死んじゃいないが)Dr ・カオスが全盛期に作り上げたこのロボットならばタイガーの巨体も造作無く持ち上げられる。

ベリアルがようやく起きあがり逃がすまいと飛びかかるがマリアの足に装備されているクレイモアであえなく撃退される。
どうでも良い事だがそんなものを調達できるなら先に家賃を払えんのかと思うのは作者だけであろうか、メンテナンス費や燃料費(何を使っているかは不明)もばかにならないはずだが・・・。

マリアがエミとタイガーを抱え飛びたつ。
なお、服の強度がタイガーの体重を支えきれず千切れてしまい、地上30メートルからまっさかさまに落下したタイガーであったが、運良く下を通過しようとしていたパトカーに落下したため一命をとりとめたのはまた別の話し。




こんなんでテスト大丈夫なんだろか・・・(滝汗)

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