ザ・グレート・展開予測ショー

誤解(18)


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/10/15)

今回はアルコール類は飲んでないらしい。
美神はデスクに座って黙々と書類を片付けている。
表情こそ無表情だが、ある種空気を身に纏っておりおもいっきり近寄りがたかった。
ドアが開いたことに気付いているだろうに、横島の方を振り向こうともしない。
デスクに灯されているランプの光は暖かいのにこの部屋をとりかこむ空気といったら氷点下と思わせるものがある。
いつもなら、触らぬ神に祟りなしとばかりに回れ右をする横島だが今回は、そのまま突き進んだ。
何しろ明日の幸せなバレンタインがかかっているのだ。
もしここでほおっておいたらチョコどころか、三ヶ月前に逆戻りという気がする。
デスクの前までくる。
まだ美神は書類から目を離さない。
「美神さん」
名前を呼ぶ。
「………」
だが美神は書類に視線を落としたまま答えない。
「美神さん…って」
横島は、ぐりっと体を動かしデスクに頬を当て再び美神を呼んだ。
「…何よっ」
さすがにこう来る(デスクにへばりつく)とは考えてなかった美神が不信げに言葉を放つ
「好きっす」
なんでも無いように横島。
「へ…?」
ぱさり
手にしていた書類が落ちる。
瞬間ぞくりとしたものが背筋を走った。
それは第六感がつげる真実。
【本物の言葉】だ。
デスクにへばりつきながら言っているだとか、なんでも無いように言っているだとかそんな事は関係ない。
本当の感情。
「あれ?聞いてました?」
「……………聞いてたわよ。」
不承不承といったかんじで美神。
書類を持ち直し、視線を上げる。
「で、何?横島くんが私を好きだって事ぐらい知ってるわよ」
にっこりと美しいと思われる、微笑をうかべ美神。
すると横島は、体をおこし右手にずっと握り締めていたチケットをそっとデスクの上に置く。
「……」
それは美神が破り捨てたチケットだった。
「これ、俺といこうって思ってくれたんですよね」
チケットを見つけたときを思い出し顔をほころばせ横島。
嬉しかったのだ。
思わず暴走しそうなほどに。
いや、暴走してぶちのめされたが。
明日のことをちゃんと考えてくれていたことが。
自分といこうとしてくれたことが。
「俺、すげえ嬉しかったですよ」
だってチョコとか、もらえるとしても十円チョコくらいしか貰えないと、思ってましたっなのに…でもこんな風に誘ってもらえるなんて。
心底嬉しそうに横島。
そんな横島の表情に美神は頬が赤くなるのを感じた。
つづく
………どうしよーらぶらぶかく気力あるかなー自分(笑

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa