ザ・グレート・展開予測ショー

A REBELLION AGAINST HEAVEN(8)


投稿者名:ラクン
投稿日時:(01/10/14)

「斉天大聖老師っ!?」
小竜姫に続いて美神が素っ頓狂な声を上げる。
「まったく・・・もう少し物を考えて行動せい、小竜姫!自分が明神山の管理人である事を忘れたわけではなかろう。もしもの事があった時はどう責任をとる気じゃ!」
老師と呼ばれた傍目からはどう見ても眼鏡をつけた猿にしか見えない人物(??)は姿をあらわすなり小竜姫を叱咤した。
「も、申し訳ありません!」
小竜姫がヘコヘコと頭を下げる。いくら相手が位の高い神だからといって、これでは竜人の威厳のかけらもない。
一応反省しているようなので、これ以上小竜姫を責める事を切上げ、老師は自分ほどの実力者を前にしても顔色一つ変えずに平然としている男に見据えた。
「まさかあんさんみたいな大物が出てくるとはな、ちっと計算外やったわ」
シャオロンがバツが悪そうに頭を掻く。
「・・・ならば今回はこれで引いておけ。ここで争えばお互いただでは済まんぞ」
目の前の青年が、しばらく思案した後ふぅと息をつく
「・・・せやな、暗殺が俺の任務やったんやけどこんだけ事を大きくしたら暗殺もくそもあらへんわな。お言葉に甘えさせて、今日はここらへんでお暇させてもらいますわ」
そう言うとシャオロンは今度は一気に四つもの文殊を同時に生成し、
それぞれに「瞬」「間」「移」「動」の文字を念じた。
「ほな、また来ますわ、美神はん」
「二度とくんな!」
美神が神通棍を投げ飛ばす。
しかしシャオロンは首を僅かに傾けただけでそれをかわす。
「ははは、ずいぶんと嫌われたな、ま、当然か」
そして、床に腹ばいになって倒れている横島に顔を向ける。
「・・・おまえにもまた今度会うのを楽しみしてるで、横島」
そう言い終わるとシャオロンは文殊を発動させ、瞬きをする間に消えてしまった。

「横島さん!?」
たった今事務所に戻ってきたおキヌが壁に空いた穴の向こうに倒れている横島を見つけ、悲鳴にも近い叫び声を上げる。
おキヌが連絡をとったときにはすでに美神は車で帰路についていたため、走りのおキヌたちより早く到着したのであった。
あっという間の出来事に一時呆けていた美神と小竜姫も正気を取り戻し横島に駆け寄る。
「横島さん?しっかりしてください!横島さん!!」
おキヌが懸命に横島の体をゆするがまったく反応がない。
三人の脳裏に最悪の事態がよぎった。
慌てて小竜姫が横島の口の前に手をやる。
「・・・大丈夫!呼吸はしてるわ!」
美神とおキヌがほっと息をつく。
「でも、重傷である事には変わりはないわ。!ヒャクメ、ちょうど良いところに来たわ!救急車を呼んで、速く!」
息を切らせながら階段を上ってきたヒャクメに美神が叫ぶ。
「な、何なんですかいった・・・よ、横島さん!?」
「速く!」
「わ、わかりましたね!え〜と、電話電話・・・あったこれなのね!」
ヒャクメが病院に連絡をとっている間に小竜姫が横島の容態を調べる。
「・・・霊的な怪我よりも肉体の方の損傷がひどいわ。骨が何本か折れてるかも・・・。壁に強く叩きつけられたみたいだから背骨も折れているかも・・・」
小竜姫の言葉を聞いて美神とおキヌの顔が再び青ざめる。
背骨が折れたらどうなるかなんてことは、いまどき小学生でも知っている。
「とにかく今私達にやれる事をやるしかないわ。私も多少ならヒーリングの覚えがあるから・・・おキヌちゃんも頼むわ」
「は、はい」
「・・・・・・・・・・・」
見せ場が無かった上に、今この状況でも役に立てない事にまたまた腹が立ったのか、なんとなく居心地の悪そうな美神。そんな時視界の端に老師が映り、やり場の無い怒りをぶつけるかのように食って掛かる。
「さーて、老師。どういう事か・・・詳しーーーーく説明してもらえるかしら?(はぁと)」
にっこりと笑う顔に怪しげな影がさしているように見えるのは目の錯覚だろうか?
「ヒャ、ヒャクメに聞いてくれぃ」
老師が視線をそらす。
どうやら美神の殺気は相手の実力に関係無く作用する優れものらしい。
くるーりと振りかえる美神の顔にメデューサ(神話に出てくる方)かカトブレパスにでも見つめられたかのごとく石化するヒャクメであった。合掌。



なんか小竜姫ファンの方々に石投げられそう(汗)
別に小竜姫をいじめたくていじめているわけではありませんのであしからず。

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