ザ・グレート・展開予測ショー

かけおち 番外編(海に行こう)後編


投稿者名:いたけし
投稿日時:(01/10/11)

「やっ、やっと、終わりましたね」
3時までの仕事が終わりため息をつくピート
「そうじゃノー」
タイガーも
「ねえねえ、せっかく来たんだから泳ぎましょうよ」
愛子は疲れを見せず、遊ぶ気まんまんだ
「じゃあ愛子、あっちに更衣室があるから着替えてこいよ」
除きに行こうかなっと思ったがやめた
机にくっついてる女の子を見てもしょうがない
「わかった、じゃあまたあとで」
そそくさと更衣室に走っていく愛子、相当楽しみにしてたな
男どもの着替えは服を脱ぐだけで終了、どうやらみんな服の下に着てきたらしい
愛子が着替え終わるまで俺たち3人は海に入ってビーチバレーで遊ぶことにした
「おまたせ〜」
ビーチボールで遊んでいると愛子がやって来た
水着姿になってはいるがやはり机は背負ったままだ
ついでに水着はビキニではなく、スクール水着、う〜ん悪くない、悪くないが何か引っかかる、スクール水着、スクール水着、スクール・・・あっそうか
「お前さ、学校の授業でプールに入ってんのか」
「うんまあ、そうだけど」
マジかよ〜机背負って泳げんのかこいつは〜なんて器用な奴
「へ〜僕、愛子さんはプールの授業の時は休んでると思ってましたよ」
「体育のときは男女別々ですケン、だから全然気づ・・・・・・ギャーーーー!」
タイガーがいきなり奇声をあげた
「どうしたの、タイガー」
愛子はタイガーに近寄ろうとするがタイガーが
「こっちに来てはいかんのです、海から出てくんさい」
その忠告を聞き入れず愛子は近づいていく
「愛子、お前は海から出てだれか呼んでこい、ピートこいつを運ぶの手伝ってくれ」
愛子がタイガーにたどり着く前に俺が先にタイガーの元にたどり着き、そう指示を出す
俺とピートはタイガーを砂浜まで運びタイガーの様子をうかがう
「どうしたタイガー、どこか痛いのか」
俺はタイガーに聞いてみる
「なにかに噛まれたみたいなんじゃー」
「噛まれたってどこが」
タイガーはもごもご言ってはっきりと伝えない
「おいっタイガー早くしろ、応急処置しないと手遅れになるかもしれないんだぞ、早く血を吸い出さないと」
タイガーは短く答えた
「しり」
「なにっ?」
「尻がかまれたといっとんのがわからんのですかー」
尻が噛まれたとわかった俺はタイガーをうつぶせにしてタイガーの着ている海パンをがばっと降ろす
「ううっ、もうお嫁にいけないですけん」
確かになにかに噛まれたようなちっちゃな血のあとがあった
「ピート、早く血を吸い出してくれ」
「ぼぼぼ僕がですか」
「お前バンパイアだろ、俺なんかより血を吸い出すのうまいはずだ、だからはやく」
「でも〜」
「ウミヘビだったらはやくしないと死んでしまうんだ」
「わかりました、これもタイガーのためだ」
そういってピートはタイガーが噛まれたと思われるお尻の辺りの血を吸っては吐き出し、吸っては吐き出しを繰り返した

「お〜い大丈夫〜」
応急処置っぽいことをし終わったころ愛子がさっきバイトをしていた海の家の雇い主さんを連れてきてくれた
「ちょっと、見せて」
そういって雇い主さんはタイガーの尻を眺めてみる
「ははは、大丈夫だよウミヘビでもクラゲでもない、カニかなにかにはさまれただけだよ、それよりここにウミヘビや海の生き物より大きい噛まれたあとがあるんだけど」
ピートが噛んだところを指をさす雇い主さん
「あっ、そっそれはなんでもないです」
「そうかい、じゃあ私はもう戻るけどなにかあったら私の海の家で休んでいきなさい」
雇い主さんはそういって海の家に戻っていった
「はぁ〜よかった、なんでもなくて」
俺は安心してため息が出てきた
「よかないですよ、ぼっ僕はなんてことを、うっ気持ち悪い」
顔を蒼くして、ピートは海の家で休んでるといってふらふらと向かっていった
タイガーはタイガーでひとりになりたいと言っているので、そっとしておくことにした
俺は愛子が海を楽しみにしていたことを思いだし、ふたりにかまわないで愛子と遊べるだけ遊ぶことにした

遊び疲れた俺と愛子は砂浜にあがり少し話をした
「ねえねえ横島くん、どうして海にバイトしに来たの別に横島くんだったら、ちゃちゃっと除霊しちゃえば、今日の稼ぎの数十倍は稼げるんじゃないの」
「別にお前たちをここで紹介すると紹介料が貰えるし、海に来たかっただけだ」
ウソではないが、本音ではないことを話した
愛子は俺の方を向き、俺が本当のことを話すまでじっと待っていた、そんな愛子を見て俺は
「実は最近、除霊するのが嫌になったんだ」
ちょっと本音で話そうと思った、事務所じゃ絶対にだれにも相談できないし
「ウチの事務所ってさ、依頼のほとんどが金持ちとか大企業とかの高い報酬の出るところからなんだ、ほら美神さんお金好きだから」
愛子は海の方を見ながら、俺の話を聞いていた
「でも、その依頼内容は『会社に幽霊が出て仕事ができん』とか『私の買った1等地に妖怪が出る』とか、ほとんどが私利私欲のための依頼なんだ、しかもさほど強くない霊だし」
なんとなく誰でもいいから、聞いてほしかったのかもしれない、でも誰にでも話せることではなかった
「別に強い相手と闘いたいわけじゃない、でもなんか弱いモノいじめをしてるみたいで嫌になってきたんだ、なんのために俺の力があるのかも、わからなくなってきたんだつまり・・・・」
俺はこのあとなんて言いえばいいのかわからなかった
「つまり・・・・・」
「つまり、自分の力の使い道はこれでいいのか迷ったわけだ横島くんは」
愛子が俺がうまく言えなかったところをつなげる
「私ね最近思うのもしこの机がなくてもっと普通の女の子っぽくなれたらどんな感じかな〜って」
今度は愛子が自分のことを話始めた
「いつも周りの女の子は楽しそうに遊んだり街に出かけたり、私も出来ないわけじゃないのよ、ほらっ私さ、机背負ってるから人の多いところにいけないんだ、ぶつかって怪我させちゃうといけないから」
愛子は愛子で悩みがあるのか、じゃあ俺が
「愛子、じゃあ俺がその机をお前と切り離せるように努力する、そして愛子にひと並の幸せを味わらせてやるよ」
俺は決意した、今この使い道のない俺の力を愛子と机を切り離すために使うと
「期待しないで待ってるけど、はいっ」
愛子はそう言って右手の小指を出す
「ゆびきり、横島くんがいつか私と机を切り離してくれて、私に幸せをくれるって言う約束の」
俺も右手の小指を出し、愛子の小指に絡ませる
愛子の指は俺の指に比べると細く小さかった
「ゆびきりげんま、うそついたら、はりせんぼんの〜ます、ゆびきった」
ゆびきりをした俺たちは微笑みあった
「じゃあ、あのふたりを読んで帰るか」
「そうね、帰りましょうか」
俺たちはまだ少し高い太陽と青い海をあとにして帰路に着いた
帰りぎわ、タイガーが代えのパンツを忘れたとは言うまでもない

あの約束はふたりとも忘れるのだが、横島はのちに愛子の
机を切り離す、そのお話は本編で・・・

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