ザ・グレート・展開予測ショー

A REBELLION AGAINST HEAVEN(6)


投稿者名:ラクン
投稿日時:(01/10/10)

「その手を引きなさい!」
「!」
怒気の篭もった女の声が部屋に響く。
横島に手を向けたままゆっくりと声の主へとシャオロンの顔が向けられる。
そこには声の主と思われる女がこちらに剣を向けていた。
「・・・誰や、あんた?人間ってわけやなさそうやけど・・・」
その女は姿形こそ普通の女性であったが、頭部に生えた二本の短い角、体中から溢れ出している霊気の質、なにより宙に浮いていると言う事実が彼女が人間ではない事を物語っていた。
(確かに宙に浮いとったら誰も普通の人間とは思わんわな)
先程とは逆の立場に立たされた事でコイツの言う事ももっともやな、と思い横島の方をちらりと一瞥して軽く苦笑した。
「・・・あなたに名乗る名など持ち合わせていません。今すぐこの場を立ち去りなさい。
さもないと・・・」
「さもないと、何や?力づくで叩き出すってかい?」
「・・・」
「あんたの顔どっかで見たと思ったら・・・やっと思い出したわ。竜人の娘・・・確か小竜姫、とかいったな」
「!?」
女の顔に驚きの色が浮かぶ。
「なぜ私の名を・・・」
「さぁ?なんででしょな?」
シャオロンはシレっとした顔で両手を上に曲げた。
「まあそんな事はどうでもいいやないか。重要なんはあんたが俺を倒せるかどうかって事やろ?
けどあんたの実力じゃぁ、ちょっと俺に勝つのはきびしーと思うけどなぁ」
「・・・くっ」
小竜姫が舌を打つ。
言われるまでもなく彼我の実力の差など会った時点でとうにわかっていた。
だがここで引き下がるわけには行かない。
横島を眼の端に捕らえた後、キッと目の前の男を睨み付ける。
「刺し違えてでも・・・あなたを止めてみます」
「おっかねぇーなぁ。ま、出来るもんならやってみたらええけどな」
そう言うとシャオロンはタン、と軽く地面をけった・・・だけに見えた、が
「えっ!?」
次の瞬間、シャオロンは小竜姫の目の前にいた。
5メートルはあったであろう距離を一瞬にして移動したのである。
「あんま無益な殺生はしとーないんやけど、しゃーないな」
(うそ・・・)
小竜姫の腹部に当てられた手から青い光が漏れる。
「さいなら」
(やられる・・・!)
「!」
そう思って目を閉そうになった瞬間、シャオロンが何かに気づき後ろに飛びのいた。
ガスッ!
壁になにか棒状のようなものが突き刺さる。

「・・・こりゃ・・・ボーガンか・・・?」
シャオロンの前髪が何本かハラリと地面に向かって落ちる。
「ちぃっ、しくったか!」
再び部屋に―今度はやたらと気の強そうな女の声が響いた。



・・・なんだかんだ言って書けるもんですな。
さて、次回はいよいよ「あの御方」の登場です。

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