ザ・グレート・展開予測ショー

A REBELLION AGAINST HEAVEN(4)


投稿者名:ラクン
投稿日時:(01/10/ 9)

「もう来ちゃったみたいですね・・・」
上空から感じる気配がだんだんと近づいてくる。
3人がごくりと唾をのみ戦闘体制を取る・・・が
ヒャクメは戦闘にはあからさまに不向き。
おキヌもネクロマンサーの笛を取り出そうとするが私服を着ているので持っていない事に気づき
慌てて階下の自分の部屋へ笛を取りに行こうとした。
「待って、おキヌちゃん。多分今回の敵にネクロマンサーの笛は通用しないと思う。
ヒャクメと一緒にここからできるだけ離れて美神さんに連絡をとってくれ」
当然の如くおキヌが反論する。
「で、でもそれじゃ横島さんになにかあった時・・・」
「大丈夫、逃げれないほどの敵じゃないと思う。まずくなったらすぐに逃げるから心配しないで」
「で、でも・・・」
躊躇うおキヌを横島が叱咤した。
「いいから早く!時間が無いんだ!」
「横島さんの言うとおりね、どっちみち私たちじゃ力になれないわ、行きましょう!」
ヒャクメがおキヌの手を引く。
「・・・わかりました・・・。でも絶対死なないでくださいね!」
「ああ!」
「行くのね!」
「はい!」
ヒャクメとおキヌがドアを開けてバタバタと降りて行くのを見届け、横島は一息ついた。
そして――もう目と鼻の先にまで降下してきた敵に備え、文殊を一つ作った。

「ホントに・・・大丈夫でしょうか・・・」
「心配は要らないのね。ああ見えても横島さんはアシュタロスを倒した人達の一人なんですよ?」
「そう・・・そうですよね。きっと大丈夫ですよね!」
気持ちを切り替えおキヌは携帯電話のアドレス帳から美神を探し出し電話をかけた。
こんなときになんだが・・・手早い。彼女も何だかんだ言って一端の女子高生なんだなと変なところで感心するヒャクメであった。
しかし・・・そういったヒャクメ自身、内心かなり横島の事が心配であった。駄目と思って逃げれるような相手ならば3人とは言えあの時点で横島の文殊を使えばなんとでもなったはずである。
ということは・・・
そこまで考えてヒャクメは頭を横に振った。
(悪い方に考えてもキリが無いのね。今私にできる事を・・・)
そう思い、ヒャクメはある人物へと念波を飛ばした。

敵の落下速度が加速度的に速まってきているのを感じ、横島は慌てて手のひらにある文殊に念をこめた。
文殊に浮かび上がる文字は「護」。
結界を突き破って突入してくるものと予想し衝撃に備える。
『あと10秒で目標が事務所の結界に衝突します』
人口幽霊一号が横島に警告を促す。
「わかった・・・」
そう言うと横島は結界を展開した。

そして―――
――――――
――――――

「あれ?」
とうに10秒を過ぎているのに敵が突入してくる気配が一向に無い。
もうすぐそこに敵は来ている筈なのだが・・・。
そう思い、横島が構えを解いた瞬間―――
ガチャ
「うぃーーーーっす!」
ドガシャァァァァァ!!
テーブルごとカップやらなにやらすべてひっくり返して横島がこける。
そりゃ敵と思っていた相手がご丁寧に挨拶までして窓から入ってくるとは誰も予想できないだろう。
「な、な、な・・・」
「おっ、あんたが横島やな?んーー美神って女はおらんのか?会うの楽しみにしとったんやけどなー」
困惑する横島をよそに窓からの関西弁を扱う来訪者いきなり事務所を探索し始めた。
しかし横島は相手が視界に入るとさらに驚いた。
(・・・人間・・・だよなぁ、どっから見ても)
そう、窓からの招かざる客はどこからどう見てもれっきとした人間なのである。
別にピッコロさんのように皮膚が緑色でも指が4本でもなし、フリーザのように尻尾も生えてない。
さっき感じた背筋がゾクッとするようなプレッシャーもまったく感じられないし
服装もジーンズに黒いTシャツ、黒の長髪と、まさにどこにでもいるような至って普通の青年であった。
ただ一つ、空から落ちてきたと言う事を除けば。
どうせ空から落ちてくるなら女の子がよかったなー、と横島は宮崎アニメの事を思い出しかけたが
流石にそんな余裕は無くキッと目の前にいる関西弁男を睨み付けた。
「あんた何もんだ?見たとこ普通の人間だけど」
ここかー?とか言いながら事務所中を探し回っていた男は心外だとばかりに両手を上げて
横島に振り向いた。
「おいおい失礼なやっちゃな。見た目どころか中身やってどこにでもいるちゃんとした人間やで?」
「どこにでもいる人は空飛んだり人ん家に窓から入ったりしねーぞ」
横島がもっともなツッコミをする。
「はは、そりゃそうやな。んじゃ、どっちかっつーとあんたらに近い人間やな。これ使って飛んで来たんや」
男が無造作に手に持っていた玉を見せた。
「!!」
その玉を見て横島は絶句した。
無理も無い、「それ」はついさっき自分が作り出したものとまったく同じものであったのだから。
「も・・・文殊!?」
「せや、あんたもこれ作れるんやったな」
「う、うそだろ!なんで・・・」
「別に驚くことちゃうで、文殊を作れるやつは確かに滅多におらんけど1人だけっちゅうわけや無いからな」
文殊の恐ろしさは横島自身、よくわかっていたので後ずさりして男から距離をとった。
「もう一度聞く・・・あんた、何もんだ?」
男がどうしたものかと頭を掻く。
「・・・名乗るほどのもんでもないんやけどな、ま、いいか。俺の名はシャオロン、今の職業は・・・あんたらの抹殺、英語で言うならターミネーターちゅうやっちゃな」
そう言い終わった瞬間、男から先程感じた巨大な霊気が放出された。



すいません(滝汗)ぜんっぜん戦闘シーンに入ってませんね。
次回こそは入りますのでお許しくださいませ。
でも明日からまた学校が始まるので投稿はちょっと遅くなるかも・・・

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