ザ・グレート・展開予測ショー

かけおち その16


投稿者名:いたけし
投稿日時:(01/10/ 1)


「うめ〜横島、お前こんなにうまいの作れるのか」
この料理を普通に言えるこいつに俺はただ驚くばかりだった
「お前普段なに食ってんだ」
「えっなにって、え〜とスーパーでマヨネーズ買ってきてそれを食える雑草にぶっかけて『雑草サラダ』にして食ってんだ、でそれが苦くてまずいんだけどいつの間にか普通に食えるようになったんだ・・・ってなにをあわれんで泣いてる」
上には上がいる言うが下には下がいるもんだな
雪之丞、お前の味覚は退化したんだ
「ほら食い終わったろ、さっさと帰れ」
「ああそうだな、それじゃあまた明日」
「また明日」
そういって玄関から出ていった雪之丞
(あいつはいったいなにに金を使ってんだ)
そう思いつつ、横島は今日はどうするか考えはじめた
「う〜ん、天気もいいし布団でも干すか」
布団を干すため横島は押し入れを開けた
ズドン、そんな効果音を出しながら布団が横島に襲いかかってきた
「ううっ、横島くんひどいよ〜」
布団と一緒に落ちてきた愛子が半べそをかきながら訴えてくる
「寝てて起きたらさ、真っ暗で狭くて・・・」
「わかったわかったから愛子、どけてくれ」
横島は布団と愛子に押し潰されそうだった
一応どけてあげるが顔は半べそをかいたままだった
「ごめんごめん、愛子があまりに起きなかったから」
「ごめんですむなら、警察はいらない」
「うっわかったよ、今日は愛子の好きなところに連れていってやるから」
「えへへ、じゃあ遊園地に行こう」
さっき泣いてたのがもう笑っていやがる
しかも、遊園地は高くつくんだよな〜トホホ
「じゃあ、さっそくいくか」
「ちょっと待って、女の子はね〜いろいろ準備が必要なのだから先に行ってて」
「行ってて、ってどこに?」
「駅前10時OK?」
「いま9時だぞ、1時間もなにしてりゃいいんだ」
「男がガタガタ言わないの、待ってりゃあいいでしょ」
「わかったよ、じゃあ待ってるからできるだけ早く来いよ」
「いってらっしゃ〜い」
「いってきます」


「と言いつつ1時間もなにしてりゃあいいんだか」
一応、横島は外へ出てきたが何もすることがなくブラブラ歩いている
「んっ、あそこにいるのは」
かなり怪しい格好をして双眼鏡でこっちを見ているタマモと同じく双眼鏡でこっちを覗いている雪之丞だった
なにやってんだあいつら
当の本人たちは横島が自分たちの存在に気付いたとみじんも思ってなく変装は完ぺきと勘違いしていた
「ようタマモ、こんなところでなにしてんだ、それに雪之丞も」
突然声をかけられ焦るふたり
「俺はただおもしろそうだから付いてきてるだけで別に監視なんて、もごもごもご」
口を抑えられくちごもる雪之丞
「ほっほっほ、タマモって誰かしら私はただのセ・リーグファンよ、ほーほっほ」
「いや、セ・リーグファンでもそんな格好はしなと思うが」
「うるさい、ふっふっふっ今日はこの前のかりを返してやるいまにみてなさいよ〜」
「やっぱり、タマモじゃん」
「ちが〜う、私はあんたに恨みのあるセ・リーグファン、わかった」
「じゃ〜な付いてくんなよ、セ・リーグファンのタマモ」
「そんなの私の勝手でしょ」
「じゃ〜な雪之丞」
そう言い残すと横島は駅の方へ歩いていった
「おいどうすんだ」
「行くに決まってんじゃない」
「よしゃ〜あいつの一日の過ごし方も知りたいしな」
どうやらふたりはいつの間にか意気投合したようだ

駅前
「おい、横島はだれ待ってんだ」
「私の予想だとおキヌちゃんあたりかしら」
「美神の大将ってこともあるぜ」
「あの美神さん、ないない絶対無い」
「そうか〜ありそうな気もするが」
「あっ、あのバカが立った、だれか来たんだ」
「早く隠れろタマモ」
「わってるわよ雪之丞」


「おまたせ〜、さあ行きましょう」
「んじゃあ、行くとすっか」
「ねえ横島くん、あそこでガサガッサと動いているのって」
「気にするな、俺も気にしないから」

「もうちょっと、そっちいけよタマモ」
「雪之丞こそレディに譲りなさいよ」
「お前がレディになるにはあと10年は必要だ」
「なによ、まだ男になりきれてないくせに」
「うるせ〜」
「うるさいのはあんたの方よ」

「あの声、こっちまで聴こえてくるんですけど」
「あいつら多分金持ってないから電車に乗れば大丈夫」
「まっ行きましょう、私たちの初デートなんだし」
愛子は微笑みながら横島の手を引いてホームに向かっていった

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