ザ・グレート・展開予測ショー

かけおち その15


投稿者名:いたけし
投稿日時:(01/ 9/30)

チュンチュンッチュン
わけのわからん夜だったが朝が来た
昨日のことも朝が来たらすべて許せる感じだな
俺は窓に近づき窓を全開にする
う〜ん気持ちいい、やっぱり朝はこうでないと
「お〜い愛子、起きろ朝だぞ」
「あと、5分」
いくら休みとはいえ
こんないい朝に起きないとは重罪だ
よって愛子を布団返しの刑だ
俺は敷布団を手にかけ、いっきに上へ持ち上げる
ごろんと愛子は畳の上を転がる
それでもまだかけ布団にくるまりそのまま寝ようとする
今度はその布団を持ち上げた
ごろん、また愛子が畳を転がった
俺は愛子が転がっている間に愛子の布団を片付ける
片付けて愛子の方を見ると俺の布団をいつのまにか取り出し、自分で敷いて寝ていた
「おいおい」
おもわず俺の口からそんな言葉がもれていた


「ちっくしょ〜、昨日はえらいめにあったぜ」
どうやら昨日の出来事は雪之丞のちょっとした『いたずら』だったらしい
「あ〜はら減った、昨日も横島のとこで食わして貰おうと思ったんだけどすげ〜、じ〜さん会えて忘れてた、今から横島に何か食わして貰おう」
そう思って横島のアパートに行こうとしたところ
横島のアパートを覗いている怪しい女がいた

「く〜、この前の恨みは絶対はらしてやる、待ってなさいよ〜、バカよこしま」
とにかく怪しいとしかいえない格好をしているタマモ
タイガースの帽子にドラゴンズのロゴの入ったTシャツ
カープのロゴの入ったズボンに
スワローズのマスコットの入ったくつ下
ジャイアンツのサングラスにベイスターズの双眼鏡を身に付けていた
う〜んとてもあやしい、本人いわく自分があやしくないと思えばあやしくないらしい
「ふっふっふっ、今日はいたるところに罠を仕掛け、あいつが失敗するところをこのカメラで撮ってやる」
「おいお前、横島のストーカーか」
後ろからきこえてくる男の声に振り向きそして答える
「ちがう、あいつは私の宿敵なの」
その男の声の主は小柄で私よりちょっとだけ大きい男だった
「そういうあんたはあいつのなんなのよ」
「友達でありライバルってとこかな、でお前はなにをしてんだ」
「監視よ監視、ふっふっふっしかしただの監視じゃないけどね」
それをいい終わる前に雪之丞は横島のアパートに歩き出していた
「あ〜はら減った」

仕方無い俺は寝ている愛子ごと布団をたたみ
寝ている愛子ごと布団を押し入れに片付けた
「これでよしと、飯はこいつにまかせられないから自分で作らんとな、しかしなにつくっかな」
冷蔵庫の中身を調べに行こうと台所にいった時、俺は絶望感を感じずにはいられなかった
「昨日の野菜炒め、残ってるよ」
昨日の食べた時のことを思い出す
しかし捨てるわけにはいかない、なんとしても食べなければ
もったいないし愛子が作ってくれた物だからな
「お〜す横島、めし食いに来たぞ」
この声は雪之丞、あいつなら大丈夫だ、俺より貧乏だし
そう思った俺はフライパンに残っている野菜炒めを炒め直した
う〜んいい匂い、たしか人間は目と匂いでうまいかまずいがわかるらしい、しかしその見た目と匂いを超越する味がここにある
雪之丞、達者でな
そして、俺は雪之丞に最後の食事を差し出す

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