ザ・グレート・展開予測ショー

全国除霊道派選手権!!! (予測のための過去ダイジェスト 〜死津喪キヌ(その3)〜)


投稿者名:ギャグレキスト後藤
投稿日時:(01/ 9/27)

オロチダケの歴史は閉ざされるか、閉ざされまいかという瀬戸際に迫る。
それは、樹鵺の能力が最後の暴発をあげようとするとき。

樹鵺?

それは、陰陽師に愛されてつけられた名前。
親には、”キヌ”と呼ばれていたそうなので、そう呼ぶことにはしていたが、
この頃の区役所には、死津喪 機鵺 という名で登録されていた。

樹鵺の生み出したもの。
…いや、生み出したのではない。
ノスフェラトゥーの能力によりその時代のその世へ生み出された樹鵺…
その樹鵺の能力によりさらに生み出されようとしていた者がある。
…悪魔。
その遠吠えが、今夜も響きかけた。

ドゥグオオ・…
それは、地鳴りとして…地震として、又も響くと地は揺れあがる。

ドロドロドロドロドークロドッドッドーーー!!
タイムボカン王道復古の『悪役ドアーが開く』の2番目の効果音のような声をあげて
地は揺れあがるや、寝ていた村人たちは目を覚ます。

「なーだんだ!(何だ何だ?)」
「ばや、地鳴がきゃ(こりゃあ地震か?)」

村人の一人は起き上がって松明に火をつけると、死津喪の家の方へ走り出す。
今、死津喪には人間が二人、それも陰陽の関係にある者が寝泊りしている。
もう今や、いつ何が起きてもわからないほどに樹鵺は成長していた。
それも、3554日間だ。

幾度となく、その場その場で解決してきた二人の陰陽師。
樹鵺は10歳近くになるが、そろそろ真実を語るべきかと迷っていた。
もう5年になるのだから、あの時のことは忘れただろう。

      ☆            ☆            ☆

…五年前。
本名・樹鵺、実のところは5歳。

ずば抜けた死津喪の娘の能力は、村中に伝わっていた。

「やーい、人殺しー!」
「親を殺したんだってぇ、自分の能力でぇ〜〜〜?」

村中の人たちには、白い目で見られた。
私が、一体何したって言うんだろう。
…でも、頭の中は空白。
空白の後に目覚めたら、母さんが…母さんが…
締め上げられていたように、かすれ声を上げた母さんがいた。

「…母さん…!」

忘れたくても忘れられない苦しみ。
その苦しみには、何故か憎悪感と喜びが見え隠れする。
あの時
…なんであの時笑っていられたんだろう。
私が、気持ち悪いほどに歯を明石屋さんまのように光らせてにやけていたって
父親は言っていた。

「…おまえは悪魔だ……!うちの子なんかじゃあない!」

いきなり私をしかりつけて、家を出て行った。
蒸発って言うものだっけ。
以来、私は一人ぼっち。
金もなくなり、寺子屋にも行けなくなった。
私、何をすればいいんだろう。

…理解できない。
ぼうっとするしか、手段はない。
野に行って腰を落として眺めるのみ。
ボーーッと眺めること。

それが日課になるなんて今まで考えられなかったけど、
その野で子供たちが遊ぶ光景を見てると、混ざりたくなっちゃう。
でも、混ざりたくないという重い気持ちもある。
また、この子供たちを巻き添えなんかにはできないから。

その時、子供が一人、私に話し掛けてくる。

「どうしたの、お姉ちゃん。暗〜〜い顔しちゃってさ?」

たしかに、私には暗いことがあった。
というか、あり過ぎた。
寺子屋で友達と話すこと、友達と一緒に学ぶこと、
そして、友達と帰りに寄り道すること・・・・
そんなことがもう出来ない。
ほって置いてほしかったから、つい…

「ありません!」

なんて言ってしまって、子供に不快感を浴びせたような気がした。
けど、不快感?
一応不快感のようなものは感じてるんだ。

そう思っているうちに、少し楽になった気がした。

「…なんて冗談!マイケルジョーダン!」
「姉ちゃん、誰それ?」

思わず、つまんない事を言ってしまったような気が、
なんでそんなことを知っているのかというような気がするけど、
とにかく今は遊びたい気分になった。

「良いわよ、遊んであげる♪」

こうして、その子たちとはお友達にはなったけど、どうしても不安が残る。
定期的な能力の発作。
生理とは異なる、正体不明の体の内部から巻き起こる発作。
フォッサマグナ。
寺子屋で学んだそれに近かったような気がするけど・・・・。

      ☆            ☆            ☆

「樹鵺、にゃもんだ?(何かあったのか?)」

夜晩、高嶋導師に尋ねられた。
いつもより明るい顔をしていることに、高嶋導師は気づいていた。

「え…なんでもないです。」

思わず、前より顔をにこやかに笑わせる。
微笑んだ顔には、少し高嶋導師は動じていたように見えた。
決して、導師と動じを洒落た訳ではない。

「…みゃより、きゃわーらしくなってもんだび(前より可愛らしくなったような…)」
「やだ、導師様ったら。」

導師と喋ることが、野から帰った後の日課になっていた。
しかし、今日はやけに同士が絡んでくるな…
私がそう思っていたとき、

「盟信〜〜〜〜、浮気〜〜〜〜〜するの〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

冥子のような声をした六道家1×代目の六道志乃。
その志乃が、高嶋盟信導師にサンダラを仕向けていた。
きっと、ヤキモチを焼いているのね・・・と、雷鳴に焼かれる導師を前にクスリと笑った。

      ☆            ☆            ☆

「・・・この分だと〜〜、多分〜〜〜、私たちの役目〜〜〜すぐに〜終わるわよね〜〜〜!」

寝る前、志乃はそう言って床につく。
陰陽師たち3人の出した答えにかなり近かった。
導師としては、志乃を強引に押し倒して×××を×××して××××してしまいたかったが、
式神と性格に問題がありすぎて、了承を得た楽しみしか出来なかったことが悔やまれる。

が、今はそうではなく、考え事をしていた。
あのカオスの助言が気になっていたのだ。

「・・・じゃが、体内に眠る能力自体は消えない。
 物の怪の場合、いやがおうにも能力と性格とが分離して、その能力だけが膨らんで
 いった場合にどうなるかを考える必要がある。
 このワシが、あのビブロスに追われているときにふと、そんな考えが浮かんだぐらいじゃからな。」

そういえば、カオスが見当たらないが・・・
と導師が気づいた頃には、どこか彼方で爆発音が聞こえた。
何らかの設備の研究といって、場所を提供させてくれというので、ワザワザ貸してやった方角だ。
まぁ、貸してやった分、そこでの寝泊りが出来なくなり、樹鵺のとこに寝泊りできるように
なったのは我ながら好都合だと思った。
直接みはれるからな。
が、理由はそれだけではない。
樹鵺に夜這いを掛けようとすることだって出来る(おいおい!)

その理由から、カオスがまたも実験に失敗したのだろうと勝手に思って仮眠に入る。
だが、その晩にある者が誕生しようとは夢にも思わなかった。
それこそ、陰陽師たち3人の出した答えに反するものであった・・・・・!!

(次回に続くぞ!)

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