ザ・グレート・展開予測ショー

初代ゴーストスイーパー横島大樹・極楽超作戦 〜開け、チューリップ!(中後部)〜


投稿者名:ギャグレキスト後藤
投稿日時:(01/ 9/27)

『うわああぁぁんん、うわああぁぁぁんん…』

カマスは、情けないような声を出して泣きじゃくる。
大の大人妖怪がみっともなく、涙まで流して、壊されたオルゴールを見つめると、
又も一層、泣き声が夕闇にこだまする。
その夕闇をめがけて、カマスは反撃する気力を投げ尽くすなり走っていくのだった。

『・・・・ああーーん、母ちゃああぁぁぁーーーーんんんんーーーーーーーーーーーー!』

一時呆然とその光景を見つめる大樹。
こうして、5大暴君は少なくとも、ノスフェラトゥー、ビブロス、ヌルの三大暴君へと成り下がったとこまでを確認する。
さすがは、横島大樹。
かつては、『地上最強のゴーストスイーパー』と呼ばれただけのことはあった。

そもそも、昔の大樹は、霊力を持たずに悪霊をしとめるという人間だけに
ゴーストスイーパー協会ではナルニア支部行きを最後まで反対するほどまでの人物であった。
この辺は、(http://www10.pos.to/~cwww/cgi-bin/tenkai/old22/993101112.html)
を参考にしよう。

と、それはおいといて。
大樹は、残りの三大暴君を前に、まったく気を抜いていない。
にもかかわらず、尚も霊力自体は放出していない。

『ほーーっほっほっほーー!』

ビブロスは、大樹を鼻息で軽く荒らす。
が、髪がファサリとするだけで、大樹の睨みは解けることはなかった。
…集中している!
暴君らは、そう悟るなり、冷静にあしらう。
まずは、オオダコのヌルを差し向けて様子を見ようというのだ。
だがそれも、大樹には見破られていた。

「…よぉ、俺を倒すには3人まとめてかかって来るのを薦めるぜ・・・・」

大樹のさりげないような、しかしそれでもハッタリのように聞こえても可笑しくないような台詞。
思わず笑ってやりたい3妖怪だったが、それはできないと考えているよう。
そう汲み取ると、大樹は先に動き始める…。

『!!!』

それはわずか0.000000000000124443530072468004144秒のことだ。
大樹の素早さは、人間の考えうる範疇を超えている。
差し向けようとしていたヌルが、いつの間にやらユデダコ状態にのし上がっていた。

『貴様…何をしたんだ!』

ノスフェラトゥーは青ざめた。
ここまで人間の常識を超える人物など、美神令子以外にありえないと誰もが思っていた。
勿論、この展開予想を呼んでいる諸君らも思っていた。
だが、創作者の後藤だけはこのことを書きつづけた。
ヌルに向け、わずか0.000000000000124443530072468004144秒の間にバック宙10回転
式キックを10連打し、
手拳でタコの眉間へ打ち込んでいた。
とても信じられやしないスピードだ。

「…だから来いと言ったろ?」

尚も睨み付けながら、大樹は唾を吐き捨てる。
その唾が、血塗れとヌルのタコスミ、喰い千切られた子供や大人の手足の散らばりパニックと化した道路へと
落ちると、周りの見物人からは一瞬、口数が無くなる。

「おい…あれ……!」
「まさか・・・・」

脳が切り替わってハッと我を思い出した見物人は、大樹に向かって指を指す。
指は、プルプルと振るえている。
その指を指し示す人間は、中年のおじさんのような感じである。

「間違いない、あいつ、今は日本にいないはずじゃあ…」

それに続いて、思い出した人たちが数人いる。

「ああ、これは奇跡だ!奇跡が、あの伝説の男を呼んでくれたに違いない!」

町の人たちからは、ちらほらとうわさにい聞いたような口が飛び始めるが、そのような言動に動じるような大樹ではない。
もともと、攻撃している途中に手を休めるような人物なんかじゃない。

大樹の強さは計り知れない。
すでに、2体の暴君だけになった前に、一体の妖怪は町の人間を襲い始める。
そしてもう一方の妖怪は、布告するかのように待ち伏せている。
だが、そのことも大樹は承知していた。

『ほーーっほっほーー!町の人たちを助けなくても言いのかい?』

ビブロスは、ノスフェラトゥーが町じゅうの人間から血を吸い上げる光景を時々見やりながら、
大樹へ心を揺さぶらせようとする。
同時、ノスフェラトゥーはジウジウと人間を片手に取ると、いやらし〜い顔をせずともに、
人間の頭からガブリと噛み締める。
その噛み締め方は凄まじく鈍い音を上げ、次に口をあけると、今度は首元を噛み上げ、血を吸うための孔を明ける。
そうそう見られるような瞬間ではない。
お構いなく、明けた傷口からジュースを飲むように人間を傾けると、ノスフェラトゥーの喉から吸引の音を立てる。

ゴギュルリィ・・・・

ノスフェラトゥーの喉仏が飛び出すように音を立てると、勢い良く血を吸い上げていく。
もう片手には、腰骨が砕けそうなぐらいに別の人間を握り締め、息を入れるときにその人間の頭を
噛み付き、気を失わせる。今度はそのままで首元へ移してがぶり付く。
その周辺の人間は逃げ出そうとするが、ノスフェラトゥーの巨体の前に、血しぶきを上げない程度に足で踏み潰される。

…この2人の前に大樹は、動じようとせずにただ見るのみ。
それに、もともと正義のためだけに動いているのではなかった。

『助けたくはないのかい?』

ビブロスは、大樹が動くことを念じて構しをかける。
だが、それがいけなかった。
構すどころではなく、大樹は、既にビブロスの視界から消え去っていた。

『うぎゃあああ☆』

ノスフェラトゥーの叫びが、ビブロスの耳に届く。
その方を見やるなり、ビブロスは目玉を飛び立たせる。
「究極超人あ〜る」の鳥坂のような実力だ。
大樹は、既に気絶させたノスフェラトゥーの巨体を、胸を右片手に宛がい軽々と持ち上げる。

…が、ついに大樹にも限界が来ていた。
はぁはぁと息を吐ききらして、巨体を投げ捨てている。
ずずぅぅんと巨体が音を立てて道路わきに落ちる。
と同時、音と共に地面が揺れる。
その揺れに、ふらりと倒れそうになっていたのを瞬間見たものがいた。

このままでは危ない。
そのとき、

「大樹さぁぁん」

と聞こえた。
声のほうを見る。
…美神令子!

見ていて危ないと感じた美神が走りよろうとする。
さて、この後、この2人にどういう運命が待ち受けるか!

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