ザ・グレート・展開予測ショー

ドクターカオスの珍発明28大団円


投稿者名:KUNAさん
投稿日時:(01/ 9/27)

「ぐおおおおおー!!ヨコシマー!貴様から殺してやるー!!!」
叫び声をあげて横島に突進するアモンの巨体。
「おりゃあああああ!!」
「頼むぞレイちゃん(霊皇剣)!!アモンを止めてくれー」
突進してくるアモンに霊皇剣の切っ先を向ける横島。

バッシーン!!
霊皇剣の霊気の障壁がアモンの突進を切っ先の直前で止める。
さらに霊皇剣から噴出す膨大な霊気がアモンの身体を包み込む。

「うおおおお!!霊皇剣めー!邪魔をするなー!」
霊皇剣の発する霊気に絡めとられ身動きできないアモン。

「いい加減にするんじゃ!!アモン!」
アモンの傍に来てドクターカオスが叫ぶ!
「カオス!貴様ー!!殺してやるー!」
アモンはカオスを捕まえようとして、手を伸ばすが届かない。
「聞いておくれアモン!わしはお前の事を片時も忘れた事はないんじゃ」
「ふざけるなー!カオス、500年もの間ワシを封印しておいて何をいまさら。寝ぼけるなー!」
カオスを怒鳴りつけるアモン!!

「確かに、お前が怒るのも無理はない。じゃが、あの時はお前を封印するしか手がなかったんじゃ。」
カオスはアモンの目を見ながら、アモンに語り掛ける。

「500年前のあの日、お前が村人を皆殺しにした事で、お前の存在が国に知られてしまったんじゃ。そして国の軍隊が動いてしまった」
「わしは国王にお前を差し出すように命令されたんじゃ」
黙ってカオスの話を聞いているアモン。

「なんとかお前を逃がそうとも思ったが、半狂乱になっていたお前を逃がすわけにもいかなかった」
カオスの顔は苦渋に満ちていた。
「お前を差し出せば、間違いなくお前は殺されたじゃろう。わしは悩んだ。あの事件は事故のようなものじゃ、運が悪かったんじゃ。生まれて間もないお前に罪はない。」
カオスは苦渋の顔でさらに話を続ける。
「罪があるとすれば、自然の摂理に逆らい、お前を創造したこのわしじゃ!」
カオスは絶叫していた。
「わしはどうしてもお前を殺させたくなかった。そこで、奴らが手を出せないようにするため、お前を封印する事にしたんじゃよ」

「並みの封印ではすぐに破られてしまうからのう。簡単には解く事の出来ないわしの特製次元封印を施したんじゃ。」
「この封印は、一度施せばわしでも簡単に解除できないほど強力なものでな、それでも殺されるよりはましじゃろうと思ってな」
カオスは俯く。

「せめて、お前が苦しまないように、意識を凍結したつもりじゃたんじゃが、失敗したようじゃな。すまぬのう、かえってお前を苦しめてしまったようじゃ」
そしてカオスの話は終わった。

しばらく無言のアモン。
《そんな、そんなバカな。ではワシのやって来た事は、一体!!》
アモンはカオスに対する怒りと復讐心から、今までカオスの話を聞いた事はなかった。
いや聞く耳を持たなかった。

「お前本当はカオスに復讐なんてしたくなかったんだろう?」
横島がカオスの後を続ける。
「お前の心の中はある程度、俺の心にも流れ込んでいたんだよ」
横島の精神とアモンの精神は、アモンの霊的触手である程度つながっていたのである。

「今からでも遅くない。自首しろよ。もう罪を犯すな」
横島はアモンを説得しようとする。
「そうじゃ、アモン。今は500年前とは違う。人間は自分の罪を悔いたものをむやみに殺しはせんのじゃよ」

「主は自分の過ちを認め、懺悔した者をお許しになります。当然あなたもですよ。アモン」唐巣神父もいつのまにか傍に来てアモンを説得する。

《ありがとうよ。小僧、いや横島。お前は人間の良い所を、素晴らしい所をワシに教えてくれた。お前がいなければ、ワシはまだ人間を憎んでいたじゃろう》
《しかし、ワシはまた大きな罪を、償いきれない大きな罪を犯してしまった!何の罪もない大勢の人間をこの手にかけてしまった・・・》
《罪の償いはせねばならん・・・ 》

「くっくっくっ、だからどうした!500年のワシの苦しみが、そんな偽りの言葉で癒えるとでも思ったか?」
狂ったように叫ぶアモン。
「ワシを止めたければ、ワシを殺すしかないぞ!でなければこの場にいる連中、すべてを殺してくれるわー!!」
アモンは絶叫すると、両腕を槍状に変化させて美神を襲う。
「きゃあー!!」
美神の悲鳴が上がる。
「この大バカ野郎ー!!」
横島は霊皇剣をアモンに突き刺し、霊気を剣に込める。
(この時、アモンの槍は美神に当たる寸前でとまっていた)
ズオオオオーー!!!

「ぐわぁーーー!!!」
アモンの悲鳴がこだまする。
「アモン!アモーンー!」
カオスが大声でアモンの名を呼ぶ。

霊皇剣の凄まじい破壊力の霊力を体内に送り込まれたアモンは、その命と魂の玉座である霊核(コア)を破壊されたのだった。
みるみるうちに元のアメーバー状の身体に戻っていくアモン。

「アモン、アモン!」
「この、大バカ野郎が!」
アモンの傍に駆け寄るカオスと横島。
「アモンお前、わざと美神さんを襲って、俺に霊皇剣を使わせたなー!」
「アモン!気をしっかり持つんじゃー!」

「お父さん、横島さん。ありがとう」
アモンがカオスと横島に礼を言った。その声はしわがれた老人の声ではなく、綺麗な少年の声だった。
《CVは緒方恵美で決まりです》by作者
「自分の犯した罪は償わなければなりません。横島さん、霊皇剣もありがとう」
「おっおい。アモン」
「アモンちゃん、とってもかわいそうです」
レイちゃん(霊皇剣の意思)がいつのまにか出て来て呟いた。
「霊皇剣、僕の犯した過ちと同じ過ちは犯さないでね!さっきスッゴイ危ない事を横島さんに言っていたよ・・・ 」
「てへへへ!わかったです。アモンちゃん」
《でも、世界征服の野望は譲れないです。ご主人様を絶対、世界の王にするです》
それでも主人の横島とともに世界征服!の野望に燃えるレイちゃんであった

「お父さん、ごめんなさい。僕は誤解してました」
「息子よ。もういいんじゃよ」
「こんな僕を息子と呼んでくれるんですか?」
「当たり前じゃ!お前はわしの自慢の息子じゃよ」
「ありがとう。お父さん。僕はもう思い残す事はありません・・・ 」

そしてアモンの身体は砂のように崩れていった。
その砂の前には、肩を震わせて泣いているドクターカオスの姿があった。
それを哀しい目で見つめているマリアだった。

こうして事件は無事解決した。

事件の後始末のために美智恵隊長と西条、オカルトGメンが大変な思いをしたのはおいといて。
国家反逆罪という重罪を犯した横島は、アモンに操られていた事、事件を解決した立役者である事、さらに美神美智恵の保護観察下に入る事を条件に無罪放免となった。
《この件では、美知恵隊長と唐巣神父、さらに小笠原エミの凄まじい大活躍があった事を付け加えておく》by作者

レイちゃんこと霊皇剣は、封印を免れていた。
剣の意思が主人である横島の元に居たいとダダをこねていたが、美智恵隊長の人間社会の常識を学習(躾)する事が必要という名目で、妙神山にしばらく預けられる事となった。
《精神年齢の近いパピリオとのコンビで元気にやっているらしい》by作者

さて、ドクターカオスだが、国が例の釣鐘を研究用に購入、大金が転がり込んだものの、マリアの修理代で大半が吹っ飛んでしまった。
今日もアパートの家賃を払うために、道路工事のアルバイトにマリアと共に精を出している。
《ドクターカオスに500年前当時の研究データの記憶はほとんどなく、二度と釣鐘や人工神剣は作れなかった》by作者

そして、ここは美神令子除霊事務所である。
美智恵ママの命令で営業停止一ヶ月、さらに近所の幼稚園の悪霊講習10回、さらに公園のゴミ拾いの無料ボランティア、1日でも休めば営業停止期間が延びるというお仕置きを受けていた。
《まっこれで令子の強欲が直るとは思わないけどね。多少の薬にはなったでしょう》by美神美智恵
《ママに負けるもんですか!》by美神令子





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