ザ・グレート・展開予測ショー

彼女の名は?2その3


投稿者名:KUMAさん
投稿日時:(01/ 9/26)

霊華、霊菜の皇姉妹とチャイナドレスを着た美女(横島)が乗ったロールスロイスが首都高速道路を走っている。

「で、これからどこに行くんすか?」
横島が右隣の霊華に聞く。
「皇本家ですわ。横島さま」
霊華が横島に答える。
「私達は皇の名は名乗っていても、皇の分家なのです」
左隣にいる霊菜が付け加える。
二人とも横島の腕に纏わりついている。
横島は自分に猛アタックをかけてくる皇四姉妹が苦手である。
皇四姉妹は四人とも美人なのだが、口説かれるのは苦手な横島であった。

だからといって自分を好いてくれる女性に対して、彼は強く出れない。
この優柔不断さが彼のいい所であり、彼を憎からず思っている女性たちにとって、一番困る所でもあるのだ。
横島は腕に纏わりついている二人を困った顔をして見ていた。

「で、俺はその皇の本家で何をするんです」
横島は、霊華に聞く。
「それはですね。本家の御曹司に会ってもらいたいんですよ」
霊華はそう答えながら写真を横島に見せる。
写真に写っているのは、25歳くらいのデロリとした二枚目であった。
「こいつ、誰かに似ているな」
横島は、オカルトGメンに所属している、いけ好かない二枚目の男の事を思い出していた。
「名前は皇輝彦、次期皇家総帥です」
霊菜が写真の男の説明をする。
《輝彦って、名前まで奴と同じか》
驚く横島。
「なんか凄くいやな予感がするなぁ」
横島は呟く。
「えっなにかおっしゃいましたか?」
霊菜が横島の呟きを聞きつけて、横島に尋ねる。
「いっいや、こっちの事です」
両手を振って、霊菜に答える横島だった。

「仕事というのは、彼の除霊の助手をお願いしたいのです」
霊華が横島に言う。
「え!っでも、除霊の助手ならわざわざ俺が女にならなくてもいいんじゃ?」
横島が霊華に聞く。
「それがこの男、ちょっと色々困った問題がありまして」
思いっきり嫌な顔をして、皇本家の御曹司をこの男呼ばわりする霊華であった。
「ええ!非常に困った男なんです!」
霊菜も真剣な表情で霊華と口を揃える。

《・・・・・・・・・・・・・えーと!》
二人の説明を聞きながら、さらに嫌な予感が膨らむ横島である。

こうして、三人三様の思惑を乗せて皇本家にひた走るロールスロイスであった。

ここは皇本家
六道家より一般への知名度は劣るものの、その権力、財力は決して劣らない皇家の総本山である。
とにかく敷地が広い。なにしろ門から玄関まで歩いて10分は優にかかる。
そして、巨大なお屋敷。呆れるくらいの大きさである。

そのお屋敷の皇輝彦の部屋。
とにかく広い、無駄に広い。おそらく100畳はあるだろう。
そしてこの部屋の感想を一言で言えば、田舎者の成金趣味である。
家具調度類は確かに非常に高価そうだが、部屋に不釣合いというかなんというか、この部屋の主の美的感覚を疑うものばかりである。

当然、これだけのお屋敷である。10人以上のメイドさんがいるが、みんなおかしいとは思ってもなにも言わない。(言えないが正しい)
逆に部屋のインテリアのセンスを誉めるものばかりだ。
だから輝彦本人は、これを全然おかしいとは思っていない。
「ふふふーん、ようしばっちり決まった。今日来る予定の助手の女性に変な所は見せられないからな!」
この部屋の主がドレッサーの鏡の前で呟く。

このおかしな感覚(センス)の持ち主こそ、皇輝彦、皇本家次期総帥その人である。
着ているものは、確かに高級ブランドの高価なスーツ、装飾品も高級品ばかりであるが、センスが変としか言いようがない着こなし方をしている。
正直言って、皇の御曹司でなければ、誰も彼と一緒に歩きたいとは思わないだろう。

《ぐふふふっ今度の助手を頼んだ女(皇姉妹)は上物だからな。必ずモノにしてやる》
考えている事もこの程度の男である。
この男、これでもGS免許を持っている。まぁ、親の裏工作おかげだが。

カッカッカッ
この部屋の金色で不思議な文様が描かれた不必要に分厚く大きな扉のノッカーが叩かれた。
「お坊ちゃま、皇霊華様と霊菜様がお見えになりました。」
扉のインターホンから執事の声がした。
「んっ今行く。少し待ってもらっててくれ。丁重にもてなすようにな」
気取りながら輝彦は執事に答える。

「はい!かしこまりました。お坊ちゃま」
執事は返事をすると玄関にむかっていった。

なんだかんだと、いよいよロールスロイスは皇本家の屋敷に到着した。
「なっなんじゃー!この庭のべらぼうな広さは、ここは本当に東京かー!!」
皇本家の門の前で横島は思いっきり呆れていた。



―つづく―

今回はタマモの言葉はありません。
今回は状況説明ですね。センスは皆さんそれぞれ違うので、各自の想像力にお任せします。皇輝彦、変な奴です。覚えておいてください。というか、今回のレギュラーの一人です。

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