ザ・グレート・展開予測ショー

未来掲示 別編(ラプラスの語り21)


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 9/25)

そこは一筋の陽光も蛍光灯もない薄ぐらい部屋である。ある特殊な牢屋だ。
貴方はどうしてもこの鬱蒼とした部屋の奥へ行かねばならなかった。
=やぁ寛氏さん、お仕事順調かい?=
悪魔ラプラス、確実に未来を映し出す能力を持つ。

待ちなって、未来ってのは無限の可能性がある。その数と同等の俺がいる訳だがな。
それでも聞きたいのなら、俺の知っている歴史を語ろうじゃないか。そう忠告を一つ。
誰が来るか、注意しておきな。

さて、まずは横島の状況から話さないとな。この牢獄と一緒で明かりの一切ない場所にいやがる。
どうしてかだって?それはな、ご存知暴走GS六道冥子の所為だ。昨日の今日、
「令子ちゃーーん、たすけてぇーーー」
と泣きながら、事務所にきたはいいが、幸運にも美神は他行中でね。
「うっそー、冥子、これから大変なお仕事しなくちゃなんないのにー、令子ちゃんのばかぁー」
・・馬鹿はおまえじゃないのか?六道の嬢ちゃんよ。
で、書類整理をしていた横島でもいいから、という訳で、さる国道沿いのトンネルに向かう訳だ。
通常現場に向かう足は車か精精バイクと相場が決まっているが、
「あのー、冥子さんて運転出来るんすか?」
「ううん〜〜〜〜でもインダラちゃんでひとっとびよぉ!〜〜〜〜」
飛んでる少女ってか、もとい飛んでる美女ってか?
仕事はトンネル内にいる悪霊の除霊。とうぜんホラーテイスト満点だ。
言う必要もないだろうが、お決まりどおりプッツンで出口が塞がれた。

「うぅーー、寒ぃ」
手を目の前に持ってきても爪の光沢も見えないほどの闇だ。暑くても寒く感じるだろう。
文殊を回復に回した為、怪我はないが、どうも嫌になる暗闇だ。
どうも回りに気配が無い。
「冥子さん、近くにいないのかな?それはそれで安心だけど」
だがよ、人間のもろい部分でこんな状況だと、不安になるんだろうな。
「冥子さーん、何処にいるんすかぁ〜〜」
グローリーハンドの光沢のみを頼りにトンネル内の散策、という訳だ。
10分もすれば、霊力を使い切った六道冥子が見つかるって寸法だ。
つまり気絶している、な。
「冥子さん、起きてっすよ、冥子さん!」
肩を揺さぶると、うっすらと気が戻ってきたようでな。
「う、うーーん?ど、どうしてーーこんなにーー、くらいのーーー?ま、まさか冥子失明!!」
ほっとくと、又暴発するところだが、慌てて横島が、
「ち、違うっすよ!トンネルの崩落事故っすよ」
だが、この一言も間違いだ。結局式神さんいらっしゃーい、な状態だぜ。
に、してもよく死ななかったな、横島、鍛え方が違うってか?

人段落ついて、ようやく事が飲みこめた無事な冥子と襤褸雑巾の横島だ。
もっとも、この坊やがどう言う状態かは闇にまぎれているがな。
「お、落ち着いてくれたっすか?冥子さん・・」
「うんーー、グッス、ごめんねーーー、横島くーーーん、エーーん」
涙混じりの平謝りってかな。こっちが泣きたいっすよ、というのは喉で止めて、
「大丈夫、直ぐに助けが来るッすよ」
「ほんとーーー」
当然確証もないが、ここは偽弁というやつだ。万一、
「わからないっすよ」
なんて言ったら又式神ファンテリュージョンアタック炸裂だからな。
さて、泣き止んだと思ったら、冥子クシャミをはじめてな。
「ぶるぅーー、冥子さむーーい」
その寒いの一言が横島の体感温度を寒くしたと言っていいだろう。
「そういえば、おれも・・」
さてこの一連のせりふが世紀の煩悩神経が首をもたげてな。
「そう云うときは、お互いあっためっこするそうっすよ!」
「なーにー。それ」
「えぇ、雪山で遭難したときはお互いの体をくっつけ会って・・・」
「そーなんだー」
・・・冥子さんそれシャレ?・・こいつの場合天然かな?
それで、横島は冥子公認で体を寄せ合っているんだ。
「へへー、役得、役得」
「もぉーー、お尻さわらないでよぉーー」
取りあえず、触られたのがお尻だけでよかったな、と言っておこう。

まぁ横島の言もまんざらうそでなくて、二人が寄り添って睡眠をしていたら、
急に目の前が明るくなった。
「うん?あっ!助けっす、たすけっすよ!冥子・・さ!!」
なんで、横島が驚いているのか、というとな。
「うんやったーー、あれっ?私ぃーー。着ている物って・・・きゃーーー!!!」
そだよ。インナーに襤褸切れ状態。まるでグラビアアイドル雑誌並のな。
「よ、横島くんもへ、へんたーーい」
まぁな。こいつはほぼパンツいっちょ状態・・おいおい、あんたの式神の所為なんだってば。
更に悪いことに、この救出劇は生放送であったという事だ。
眉ラインを書いていた美神の手元が狂って繋がり、シロは好物のスペアリブを落とし、
ビスケットを食べていたオキヌちゃんは鼻に入れてしまうほど、
笑劇なシーンじゃないか。
あっ。間違えた。シーンだ。
まぁ、こいつらは所詮庶民+化け物連中だが、六道家となると、そうもいかない。
「・・・しょうがありません。この横島を一族の者として迎えましょう・・」
ご母堂様の発言は絶対だ。
例え、お手伝いさんの半数が辞めたとしても、こればっかりはしょうがないらしい。
「六道家の女子肌に触れたもの、すべからく結婚を強制される」
と、現六道家、当主である、きつーいおとうちゃまの言だ。
訳のわからないまま、初夜を迎えた横島の心境は・・そうだな。
だまされて略奪されたかわいいお姫様じゃないか?
だがよ、少なくとも美神ぱーんちは逃れたんだ。それだけに関しては、
幸せであったと、後に回術しているぜ。

-くくくく、忠告したはずだぞ、誰か来るか忠告したはずだぞ、と-
貴方が気づいた時にはいかついバチカン側の警備兵が来ていた。
ラプラスと話しをした者にはかなりの制裁を必需としている。
有無を言わさず貴方に手錠をする警備兵。
助けてくれというが、その様子をみてラプラスは一言。
=やぁ監視さん、お仕事順調かい?=

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