ザ・グレート・展開予測ショー

彼女の名は2その2


投稿者名:KUMAさん
投稿日時:(01/ 9/25)

「そろそろ、皇姉妹が来る時間ね」
美神が事務所の時計を見ながらいう。

「美神さん、今回の仕事の内容まだ聞いてないんですけど」
女に変身し、真紅のチャイナドレスを身に纏い。長い黒髪を二つの団子にしている横島が美神に尋ねる。

「仕事の内容はクライアントの皇姉妹に聞いてちょうだい」
美神は長身のチャイナドレスの美女に素っ気無く答えるのだった。

美神令子除霊事務所の前に高級車ロールスロイスが横付けされて、皇霊華、霊菜の姉妹が降りてくる。

「ミス美神、皇様がお見えになったようです。」
「わかったわ。ありがとう人工幽霊1号」

「こんにちはー!皇でーす!」
霊華が元気良く事務所に入ってくる。それに霊菜も続く。
麗華も霊菜も白いスーツにロングスカートをはいていた。
麗華は、背中までストレートに伸びるロングヘア。
霊菜はトンボメガネをかけて髪をポニーテールにしている。

「うわぁーっ横島さまですね!綺麗だわー」
麗華はチャイナドレス姿の女横島を見つけると、美神への挨拶もそこそこに横島に声をかける。
「ホントです。やっぱりチャイナドレスも凄く良く似合いますね。でも、横島さまなら何を着ても似合うと思いますけどね」
霊菜も麗華に同様に横島を誉める。チャイナドレスは霊菜の選択のようだ。
「そうかな、ありがとう皇さん」
いつもは美人と見れば、見境なく口説きモードにはいる横島も皇姉妹は苦手である。

皇四姉妹も全員、美人ではあるが女性化した横島が綺麗過ぎるのである。
《ところで、女性化した横島は若い時の母親の百合子さんに良く似ている。》by作者

「横島さま!皇さんなんて他人行儀な呼び方をしないで下さい。麗華でいいですよ」
麗華は横島のチャイナドレスにのの字を書きながら
「私も霊菜と呼んでください」
霊菜も麗華に負けじと横島の腕を引っ張る。
《ああっ横島さま。惚れ直しましたわ!×2》by麗華、霊菜
《彼女たちレズの気があるのかも》by作者

「ねぇねぇ!横島さま、結婚式は何処でします?教会がいいかしら、それとも和式でやります?」
話をころっと変えて麗華が横島に尋ねる。
「お姉さま!横島さまは私と結婚するんですのよ!」
霊菜が麗華に抗議する。
「横島さまは私の方を愛して下さっているんですよね!」

「ちょっと待つでござる!先生はあんたらと結婚の約束なんかしてないでござる」
皇姉妹に纏わりつかれ、困っている横島を見かねて、シロが毅然として言った。
「シロちゃんの言う通りです。横島さんが困っています。止めてください」
おキヌちゃんもシロに続く。

「あーら、犬のお嬢ちゃん。横島さまと私はぶっとい赤い糸で結ばれているのよ。横島さまだって、犬のお子様に興味なんかなくってよ。おーほほほほ!」
「お姉さまの言う通りですわ。でも赤い糸は私とつながっていますけどね。そこの巫女さん姿のお嬢さんも、もう少し栄養を取らないと、そんな貧弱な胸では横島さまに振り向いて貰えません事よ。おーほほほほほ!!」

「拙者、犬じゃないでござる!誇り高き狼でござる!!うっうっうっヒドイでござるー!」
シロが霊波刀を出して麗華に涙ながらに抗議する。
「私の胸だって貧弱じゃありません!同じ年齢の子の標準サイズ位はあります!」
弱点をつかれ、さらに墓穴を掘るおキヌちゃん。
《シロ、及びおキヌちゃんファンの皆様ごめんなさい。》by作者

《この皇の女狐どもめー!好き勝手な事を言ってくれるじゃない。大口のクライアントじゃなけりゃぶちのめしているところよ!》by美神令子
わなわなと拳を握り締め我慢している美神であった。

「あっもうそろそろ時間ね。それじゃあ横島さまをお借りしていきますね―!」
「そうね!お姉さま。さあ、行きましょう。横島さま」
大騒ぎを前にして、ぼーぜんと立ち尽くしていた横島を連れていく皇姉妹。

バタン!ブウオオオオォォォー
事務所の外からロールスロイスが走り去る音がした。

「うわ―ん!悔しいでござる!悔しいでござるー!」
泣いて悔しがるシロ。
「女は胸の大きさが全てじゃないわよね。でも私の胸もう少し大きければいいのに・・・ 」
自分の胸に手を当てて溜め息をつくおキヌちゃん。

「ふっふっふっ!うちのかわいい従業員を、よくも苛めてくれたわね皇四姉妹!」
「このお礼は必ずするからね!覚えてなさいよ!」
怒りのオーラを噴き出し、皇四姉妹への復讐に静かに燃えている美神令子であった。

「ホント馬鹿ばっか」
タマモがポツリと呟いた。



―つづく―

《あああ・・・誰かお願い、皇姉妹を止めて・・・》by作者

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