ザ・グレート・展開予測ショー

ドクターカオスの珍発明23


投稿者名:KUMAさん
投稿日時:(01/ 9/22)

カオスと令子のやりとりを唖然として見ていたアモンは、はっと我に返った。
「えーい!お前らー、何をごちゃごちゃやっとるんじゃー!!」
「特にそこの女!貴様!人として何か間違ってないか!」
令子のあまりの非常識振りに、自分の事を棚に上げ。お説教をはじめるアモンであった。

「うるさいわね!今はカオスと話してんのよ!」
話の腰を折られ、仁王立ちになって、怒りのオーラを噴き出し、アモンを睨み付ける令子だった。
「カオス、話は後よ!まずこのアメーバ―のバケモノをやっつけるわよ。」
カオスから金という言葉を聞き、張り切ってその場を仕切る令子であった。
令子は紅いレオタードに巻いたベルトから神通棍を取り出し、右手に構えた。

「待て、美神令子! わしはアモンと話がしたいんじゃ!」
はやる令子を押さえるようにカオスがアモンのほうに一歩歩み寄る。

「カオス!もはやお前と話す事など無い。人工霊どもなどいなくとも、ワシの力だけでお前たちを皆殺しに出来ると言ったろう!」
アモンのアメーバ―状の身体が変化していく。
40センチ程度の身体が泡立てながらみるみる大きくなっていく。
そして、アモンは2メートルを大きく超える巨人の姿へと変貌した。
タイガー寅吉やカオスも大男だが、今のアモンはタイガーより三回りは大きい。
今は亡き巨漢プロレスラー、アンドレ・ザ・ジャイアントを彷彿とさせる。

「えー!なによこいつ。気味悪い!」
令子が呆れた顔でジェル状半透明の巨人となったアモンを見る。
「アモン、貴様にそんな力は・・・なかったはずじゃ。」
刀を構え直しながらカオスがアモンに問う。

「500年間、ただ封印されていただけと思っていたのかカオスよ」
アモンの声も低い声質のものに変わっていた。
「それにな。お前の造ったこのバケモノの身体はな、ワシの意思に関係なく自己進化したんだよ」
「なっなんじゃと!ばっばかなそんな事が!あっありえん!」
カオスは驚きを隠せない。
《考えもなしに神に挑戦した結果がこれか!》
カオスは自らの罪の大きさを改めて実感するのだった。

「500年もの間、封印の中で死ぬ事も出来ないで地獄を見てきたワシの怒りと憎しみ!」
「カオス!お前にも味あわせてやる!!」
アモンはカオスに叫ぶように声を浴びせ掛けると、右腕を槍のように伸ばしてカオスに
殴りかかる。
「カオス!危ない!」
令子がカオスに叫ぶ。

アモンの槍状に変化した右拳がカオスに当たる寸前、あわやというところで爆発が起こりアモンの拳を弾き飛ばした。
雪の丞の霊波砲が間一髪でアモンの拳を弾き飛ばしたのである。
「カオスのおっさん!無事か!」
雪の丞がカオスに声を掛ける。
ピートが令子の元に、タイガーが倒れている横島の元に駆け寄る。

マリアもすぐに飛び込んできた。
「ドクターカオス。お怪我は、ないですか?」
マリアは無機質な声だが、心配するようにカオスに聞く。
「おお!マリアか、わしは大丈夫じゃ。奴を、アモンを何としても取り押さえるんじゃ。頼むぞマリア!」
「イエス、ドクターカオス」

無から作り上げられた驚異の人工生命と人工幽霊を宿した魂を持つロボット。
現代科学の最先端技術をも超えるドクターカオスの発明品同士の戦いが始まった。

「ロケットアーム!」
マリアの右手のロケットアームがアモンに発射される。
ロケットアームがアモンの胴体に命中する。

だが、マリアの右腕はアモンのジェル状の身体にめり込んでしまった。
「人形!こそばゆいわー!」
アモンはマリアに叫ぶと、ロケットアームのワイヤーを掴む。
その怪力でマリアを振り回すアモン。

「ぐわはははっ!このまま地面に叩きつけてバラバラにしてくれるわー!!」
マリアを振り回しながら、叫ぶアモン!
マリアは脚部のロケット噴射を開始し、ロケットアームのワイヤーを切断した。
ささえを失って、もんどりうって倒れるアモン。
倒れたアモンを押さえ付けようと馬乗りになるマリア。
「わははは!この馬鹿者めがー!」
アモンが叫んだ瞬間、マリアの脚部がアモンの体に飲み込まれた。

そして、先程アモンの体にめり込んだ右腕とともに脚部が溶け出す。
「いっ!いかん!マリア!すぐにアモンから離れるんじゃ!」
カオスは脚部が溶解し始めたマリアに叫ぶ。
「人形めーっ!ワシの体の溶解液で溶かしてくれるわー!」

「ちいいーっマリア!掴まって!」令子が大きくジャンプしてマリアを掴むと、アモンから引き剥がした。
人間業とは思えない令子のジャンプ力とアモンの身体からマリアを引っこ抜いた怪力に皆が驚く。
「おっおい!美神の旦那、いま何をやったんだ!」
雪の丞が驚きながら令子に聞く。
「これよ!」
令子は文珠を雪の丞に見せる。

「横島が造った文珠のストックがうちの事務所にあるのよ」
得意そうに令子が言う。
《美神さん。貴方が文珠を作ったわけじゃないでしょ》by作者
《でも上手く使わなきゃ文珠はただの迷惑な玉なのよ!(特に横島クンが使うと)》by美神令子

「ありがとう、ございます。ミス令子」
令子に礼を言うマリア。
「いいのよ。マリア。お礼ならあんたのご主人様にたーっぷりと貰うからね」
先程のカオスとの会話を忘れてない令子であった。
《あんまり期待しない方が、いいと思うけど美神さん》by作者
しかし、右腕を失い、脚部を損傷したマリアは立つ事さえ出来ない。

「カオスー!一体どーすんのよ!」
令子がカオスに叫ぶ

《うーむ!まさかアモンがこれほど進化していようとは、どうしたら良いものかのう?》
思いっきり本気で苦悩するドクターカオスであった。



―つづく―

《あああっ・・・ ギャグがないー!最近自爆気味》by作者

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