ザ・グレート・展開予測ショー

鈴の少女(整理整頓)


投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 9/22)




 ー鈴の少女ー



 これまでを整理してみよう。

 愛弟子の青年が雨の日に散歩の途中で鴉に何かをくわえて飛び去られ、泣きじゃくっている女の子を放っておけずに飛び去った鴉から『鈴』を取り返して、その女の子に手渡そうと近づき声をかけた。

 当然だろう・・・整理を続けようか。

 その青年はその事から、どうやらその黒髪で鈴を握りしめた女の子(見た感じよりも更に内向的な性格らしい・・・と言ってもこの時点では汚れがひどすぎて、それすら判別する事は出来なかったが)になつかれてしまったらしく、裾を掴む小さい手を振り払う事も出来ずに、この教会まで連れてきてしまった。

 ・・・問題は無い。

 むしろそこで『はいさよなら』とか何とかで置き去りにしようものなら、私は彼を叱っただろう。

 少し話が逸れたな・・・整理を続ける。

 それからが大変だった。
 時間にすれば一時間弱というところか・・・しかしただのんびりと安穏に一時間を過ごすのとは精神的、肉体的に密度が違いすぎた。
 女の子が冷えた身体を温められる様に風呂をわかす。
 女の子が身につけていた服(?)はあちこち破けて、泥だらけだった。やむなく赤貧の身ながら、服を買いに奔走する。
 女の子が風呂からあがり、着替えを終えてくるのをそわそわした心地で待つ。

 少し・・・間抜けかもしれない。
 
 その後は弟子の青年に任せながらも、少女の身元を聞きだそうとした・・・が・・・

 何故か私の目の前には、不機嫌そうな呪術師の女性とテレパシストでもあるその女性のアシスタント・・・戦慄のスタンガン携帯電話を首輪代わりにされたバンダナ青年が皆、声も発さずに壊『さ』れた応接間にたたずんでいる。

 とりあえずはここで整理を終わろう。 

 私は胃薬を飲まなくてはいけないので・・・失礼させてもらうよ・・・ていうか・・・

(今さらだが・・・何か間違ってないか? いやどこが間違っているのかすら良く解らなくなってきたのだが・・・)

 ーそんな想いを抱きつつ、私は薬を求めその場を後にしたー



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