ザ・グレート・展開予測ショー

ドクターカオスの珍発明22


投稿者名:KUMAさん
投稿日時:(01/ 9/21)

「マリア!マリア!聞こえるか」
マリアの持つ無線機からドクターカオスの声が聞こえる。

「イエス!ドクターカオス」
無線機に向かって返事をするドクターカオス。
「マリア!釣鐘のシークレットボタンを押すんじゃ!たのんじゃぞ!」
「イエス!ドクターカオス。マリア、釣鐘のシークレットボタンを押します!」
マリアは無線が切れると、釣鐘を持ち上げ横に倒した。
そして、釣鐘の底にある盲蓋を開けると、中に見えるボタンを押した。

《よーし!これで人工霊は無力化したわい》
「美神美智恵よ、もう呪術結界は必要なわい!結界を解いてかまわんぞ!」
カオスは、ビデオカメラのマイクに向かって叫ぶ。
「エミさん、ご苦労様!もう結界を解いてもかまわないわ」
美智恵が別室で結界を張っていたエミに告げる。
「ふうーっ!」
大きな溜め息をついて、呪術の踊りを止めるエミ。

「後、一分結界を張れ続けたかどうかわからなかったワケ」
その場に座り込むエミ。彼女は相当消耗したようである。
《ふふふっ今、令子と喧嘩しても勝てないわね。頑張りなさいよ!令子》
拳を握り締めるエミだった。

《うん!おおお!!結界が消えた!!》
呪術結界が消えた事にいち早くアモンが気が付いた。
《これなら、人工霊たちを操る事が出来る。わははは!ワシの勝ちじゃ》
アモンはすぐに人工霊たちを呼び寄せる。
コントロールを失い、本能のままに芸差さんたちを追い掛け回していた人工霊たちは、アモンの命令ですぐに大座敷に集まってきた。

アモン、対峙するカオス、令子、そして今だ気を失っている横島の周りを回り始める数十体もの人工霊横島。
「呪術結界の時間切れか?ふふふっこれで形成逆転じゃな!覚悟せい貴様らー!」
ザザザー、アモンの命令でカオスたちの襲いかかる人工霊たち。

「ちいいっ!もう我慢できねぇ!いくぜー!!」
雪の丞が我慢できずに飛び出そうとする。
ピート、タイガーも雪の丞の後に続く。だが。
「なんだ?」
「え?」
「なんですかいのー!」

今まさにカオスたちに襲いかかろうとしていた人工霊横島たちが黄金色に輝き出す。
そして、人工霊たちは次々に崩れるように金色の霧に四散して行く。

《な、な、なに―!何がっ、一体何が起こっておるんじゃ―》
何が起きたか分からずうろたえているアモン。

「ボウズの人工霊たちが金に変わっておるんじゃよ」
カオスは金(砂金)に変わって行く人工霊を見ながら、アモンに答える。

「そんなバ、バカなそんなことが!あ、そうか、あれか、あの釣鐘か!しかし、あれは人工幽霊発生器だったはずじゃ?」
アモンがカオスに叫ぶ。

「誰が、人工幽霊発生器といったかのう?」
カオスがゆっくり右手の人差し指を口に近づけ「ちっちっちっ」と言いながら、指先を口の前で左右に振る。

「しかし、ワシが貴様に取り付いて造らせたものは、確かにわが手下となるべき人工幽霊を発生させる機械だったはずだ」
アモンがカオスに聞く。

《あの釣鐘はのう、確かに人工幽霊を発生させる事が出来る。だがそれは釣鐘の機能の一部にすぎんのじゃ。」
もったいぶりながらアモンに説明していくカオス。

「あの釣鐘の本来の目的はのう・・・」
「本来の目的は?何?何なの!教えてちょーだいカオス!」
カオスが言い終わる前に、令子がカオスの目の前に飛んできて両手を胸に組んで目を輝かせてカオスに聞く。

カオスの金という言葉に反応して、横島を放り出してきたようだ。
見ると横島が不自然な格好でうつ伏せに倒れていた。
《みっ美神さん、あんたって人は》by作者

派手にずっこけるカオスと、アメーバ―状の身体で器用にずっこけるアモン。
モニター見ていた美智恵と唐巣神父、雪の丞、ピート、タイガーも同様に派手にずっこけていた。
「れっ令子、あんたって娘はー!」
怒りの表情でモニターの娘を怒鳴りつける美智恵隊長。
今回の事件が終わったら、このあまりも強欲な我が子にオシオキフルコースを誓う美智恵であった。

あああ・・・ シリアスなシーンが型なしである。
《あっ、もともとシリアスとは無縁かこいつらは》by作者

「ねっ、ねっ、早く教えて!教えてちょうだい!」
おねだりポーズでカオスに説明を催促する美神令子であった。

その光景を唖然と見ているアモンであった。



―つづく―

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