ザ・グレート・展開予測ショー

ドクターカオスの珍発明19


投稿者名:KUMAさん
投稿日時:(01/ 9/19)

ここは、芸者さんたちの控え室兼更衣室

「キレイでござるなーおキヌどの」
シロがおキヌちゃんの着物姿を見て、溜め息をつく。
「あら、シロちゃんもタマモちゃんも良く似合うわよ」。
シロとタマモを見ながらおキヌちゃんはシロに答える。
「私は当然よね。着物を着てきた年季が違うもの、馬子にも衣装のあんたとは大違いだわ」
タマモがシロを挑発する。
確かに金毛白面九尾の狐であるタマモは着物の着こなしに関しては年季が入ってといえる。
《でも、その時の記憶はほとんど無かったんじゃないんですか。ねぇタマモさん》by作者
「あんた!うるさいわよ!」
うわっーちちちっ!タマモの狐火に焼かれる作者であった。

「拙者だってお前には負けてないでござる」
がるるるっとシロはタマモを睨み付ける。
「あらあら、喧嘩をしちゃだめよ。二人ともとってもかわいいんだから」
おキヌちゃんが二人の中に入って二人をなだめる。
「二人とも横島さんが見たらきっと驚くわよ」
おキヌちゃんが笑顔で二人に言う。
「てへへへっ先生、拙者を見直してくれるでござろうか?」
「勿論よ、シロちゃん」
おキヌちゃんは笑顔でシロに答える。

シロは青を基調とした着物を着ている。
ただし、お尻からカワイイ尻尾が生えているが。

タマモの着物の色は黄色を基調とている。
タマモは変身の年齢を少し上げておキヌちゃんと同年代くらいの女の子になっている。

おキヌちゃんは白を基調とした落ちついた色の着物である。
三人とも後は化粧をしてかつらをかぶるだけである。
準備は着々と整っていた。

問題は美神令子であった。
彼女が着るのは何と十二単である。ちなみに十二単の重量は二十キロあるという。
彼女とばれないように厚化粧が施されていく。
《なんで私がこんなめんどくさいモノを着なけりゃならないのよ!》by美神令子
だが、小物を隠すには十二単が一番なのである。
それに横島の油断も誘えるというものである。
さらに一つ十二単にはある秘密があるのである。

そして作戦は開始された。
《横島救出作戦といえるかどうかは、本編を読んで皆さんで判断して下さい》by作者

横島が芸者さんとバカ殿ごっこをしてバカ騒ぎをしているとき、一瞬だが彼の背中に悪寒が走った。
《こっこの視線は、まっまさか!》
横島は恐怖に背筋をピンと張り、恐る恐る振り返ると、「みっみっ美神さん!こっこれには深いじっ事情があるんです−!かんにんやー!しかたなかったんやー!」
横島は涙と鼻水を盛大に出しながら目の前にいる人物に土下座する。

すぐに鉄拳か神通棍が飛んでくるものと思っていた横島はおそるおそる顔を上げた。

横島の目の前にいたのは十二単を着た美女と三人の若いが美しい芸者たちであった。
良く見ると青い着物を着た若い芸者さんに、犬の尻尾のようなものが見えるが、自分の身近にも良く似た尻尾を生やした少女がいるので気にならなかった。
《おいおい!本当かよ。横島》by作者

《いよいよ作戦開始じゃな。頼むぞ−っ、美神令子よ!ボウズの煩悩パワーを目一杯引き出すんじゃ!》
カオスは十二単を着た美神に祈るような視線を向けた。
《わしの計算では、ボウズの煩悩パワーとそれに伴う霊力の増大によって、アモンの霊的触手を焼き切る事が出来るはずじゃ!》
自信たっぷりのドクターカオスである。
《本当に大丈夫かカオス?》

三人の芸者さんに付き添われて、十二単の美女は横島の隣に優雅に座る。
三人の若い芸者さんたちも回りに座る。
あっけに取られる横島は口説く事も忘れて十二単の美人に見とれていた。
《横島は彼女が美神令子である事には気付いてないようである》by作者
そんな横島を尻目に、彼女は徳利を持って、横島の御銚子に酒を注ぐ。
「御姉さんキレイだな−っでも、俺の知ってる人に良く似ているんだよなー」
横島が酒を注がれながら十二単の美人に言う。
「そのお知り合いの方は、どんなお方なんです?さぞ美人なんでしょうねぇ」
十二単の美人が横島に興味ありげに聞く。
「いやぁー美人は美人ですけど御姉さんとじゃ月とすっぽんですよ」。
横島の言葉を聞いた瞬間、ぶぅわーっと十二単の美人から怒りのオーラが炎のように噴き出す。
一瞬、横島がたじろぐが、十二単の美人は冷静を装ってさらに聞く。
「また、お世辞をおっしゃって、その方と横島さんとはどういう関係なんです?」

《もしや、この人選間違えたんじゃないのかのう。ボウズが萎縮してしまっておる》
この二人のやり取りを、額から大粒の汗を流しながらカオスは見ていた。

「いやぁー実は彼女、アルバイト先の俺の雇い主なんですけどネ、これが見てくれだけのヒドイ女で、まずとんでもない守銭奴!
高額納税者の上位にいる大金持ちのくせに俺のバイト料、なんと時給255円すよ!!」
「仕事の内容だって百キロ近い荷物を担がせて、悪霊や呪い、妖怪変化と命のやり取りっすよ。
命いくらあっても足りないのに危険手当も出ないんすよ!」
《それでいいって言ってうちに来たんじゃないの!それにあんたは殺されたって死なないわよ!》by美神令子

「それに、ちょっと少年の青い性の好奇心で、彼女のお風呂覗いたり、胸やお尻に触っただけで半殺しの目にあうんすよ。
俺だって若い男の子なんすから、そのくらい大目に見てくれたっていいじゃないすか!」
《それをセクハラというのよ!神が許しても社会が許さないわ!当然私もね!殺されないだけありがたいと思え!》by美神令子

「それに俺が美人のお姉さんを口説こうとするだけで、鉄拳制裁っすよ。恋愛は個人の自由じゃないっすか!」
《確かに個人の自由だけど、相手が死ぬほど嫌がっているのにしつこいのは躾の問題よ!
私はあんたを立派な社会人にするために躾てんのよ!》by美神令子
《美神さん、美神さん。最後はかなり無理がありませんか?いろんな意味で》by作者
ぎぃやー!!美神令子の神通棍が作者に炸裂する。
《なんか、文句あるわけ!!》by美神令子
《いっいいえ、文句だなんて、そんな。失礼しました》慌てて安全圏へ逃げ出す作者

話を戻します。

横島が美神令子の悪口を言い終わると、十二単の美人はうつむいて体をわなわなと震わせている。
「言いたい事はそれだけか?」
十二単の美人が地獄の底から響いてくるような声で横島に聞く。
「へっ?」
なんでしょうと横島が返事をする。
「言いたい事はそれだけか?というとるんじゃー!!こんがきがー!!!」
かつらを投げ捨てる美神令子。
怒りで顔が真っ赤である!体からは爆発的にオーラが噴き出している。

「ひぃえーー!!みっみっ美神サー−−−ん!!!」
涙と鼻水を盛大に噴き出しながら、天井まで飛び上がって驚く横島!!



−つづく−

美神令子の怒りを買い捲った横島クン。次回の話まで彼の命はあるだろうか?
もしかしたら今回でこの話も終わりかも?
《神のみぞ知るです》by作者

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa