ザ・グレート・展開予測ショー

黒(その十三の続き)


投稿者名:NATO
投稿日時:(01/ 9/17)

「なんで・・・俺は・・なんのために・・・」
無理も無い。横島が事務所をたって、数ヶ月が経過していた。その間、なんども死にかけた事は言うまでも無いし、それを耐えてきたのが皆の為だといえばなおさらに。少なくとも事務所にいればおきぬちゃんはこうはならなかった。横島はおきぬの気持ちは知らないが、ここにいれば何かができたと思うのは仕方が無いだろう。
「俺は結局誰も守れないのか!?誰かに守られて、その人を死に至らしめて・・・」
ここは横島のアパート。今は横島以外誰もいない。一度は事務所にいったのだが・・・



「おきぬちゃん!!」
中に入るなり横島は叫んだ。何も考えているひまは無かった。ただおきぬちゃんが心配で。おきぬの部屋のドアをあけようとしたとき、目の前に人影が立った。
「まって。その前に聞いておきたいの。」
その影・・・タマモは言った。
「このドアを開けて、そしておきぬちゃんになんて言ってあげるつもりなの?」
タマモは真剣だった。その迫力にたじろぎながらも横島は答える。
「な、なにって・・・そりゃがんばれって。何としても助けてやるんだ!」
「それでおきぬちゃんが助かるとでも思ってるの?」
「助けるんだ!早くそこをどいてくれ!」
「いまのおきぬちゃんに必要なのは、千回のおみまいなんかよりたった一言の横島が本当に言う言葉よ。それぐらいわからないの!」
「な、なんだよそれ・・・」
「わたしも賛成よ。タマモちゃん。横島くん、今貴方が何を言っても、おきぬちゃんには何の意味も無いわ。事態は急を要するの。これ以上物事を悪化させたくは無いわ。あなたは一度家に戻って、少し頭を冷やしておきぬちゃんに言ってあげる言葉、自分の本当の気持ちも含めて、少し考えてきたらどう?」


・・・というわけである。こうしている間も、制限時間は刻一刻と迫ってきていた。


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