ザ・グレート・展開予測ショー

ドクターカオスの珍発明15


投稿者名:KUMAさん
投稿日時:(01/ 9/16)

ここは、イタリアの人里はなれたドクターカオスが500年前まで使用していた研究所。
ここは人工生命アモンの生まれた所でもある。
ちょっとした古城だったが、500年の年月を経て荒れ果てていた。
ここのカオスの研究室で、唐巣神父、ピート、助っ人の雪の丞の三人は、三日前から美神美智恵に依頼されて、あるものを探していた。
「んっ、これはっ、唐巣先生ーありました―!これじゃないでしょうか」
ピートが壁の隠し扉を発見して、唐巣神父を呼んだ。
「えっ、ピート君。見つかったかい?」
ピートの呼ぶ声を聞きつけ、反対側の壁を調べていた唐巣がかけつける。
「おい、ピート見つけたのか?」床に散乱している壊れた機材を除けながら、床を調べていた雪の丞もピートのところにかけよる。
「先生、これを見てください。刀です」
ピートが唐巣に確認してくれるように促す。
壁に中には、日本刀!が立てかけてあった。刀剣には素人の唐巣も銘はわからないが、相当の業物である事は理解できた。
500年前の物とすれば、間違いなく重要文化財、あるいは国宝級の物だろう。
「何故ここにこのようなものがあるのか、詳しい事は分からないが、カオスが探してくれと言ってきたものは、確かに日本刀だった。」
唐巣が皆に聞こえるように呟く。
刀を取る唐巣神父、「うんっ若干の霊気を感じるが、まさかな」
唐巣は感じたかすかな霊気を気のせいだと思った。
さすがに鞘は年代を感じるものだが、唐巣が鞘から刀を抜く。
500年経つというのに、刀身に曇り一つなく、歯こぼれも一つもない。
「見事な刀だ!」
刀を持ちながら、唐巣の溜め息とともに出た呟きに、ピートと雪の丞も頷く。
「美智恵君がドクターカオスに探すよう依頼されたモノは、これに間違いないようだね」誰に聞くともなく言った唐巣の言葉に、二人は再び頷く。
「探し物は見つかった。日本は今、大変な事になっているという話だ。よし!急いで日本に戻ろう!」
唐巣が帰国の指示を出す。
そして、美智恵の用意したオカルトGメンの専用機で日本に向かった三人だった。

さて、横島が日本政府に突き付けた要求の内容だが発表する。
それは汚い字で、ただ一文であった。

―日本中の、芸者さん、舞妓さんのきれいどころを一堂に集めて、お座敷遊びをさせろ!―
付け加えて、お座敷遊びは土地によって微妙に違い、非常に奥深いものと聞く、すべて体験、堪能させろ!

西条は、この横島の日本政府への要求内容を美智恵から初めて聞いたとき、思わずひっくり返った。
「あ、あの横島のガキ!未成年の分際でこんな、こんなくだらない事がしたいが為に、国家機密を盗み出し、あまつさえ一部を漏洩したというのか!」
そして、立ち上がりながら。
「なんたる卑劣、なんたる外道!、なんたる破廉恥!たとえ天が許してもボクの騎士道が許さん。
わが分身、霊剣ジャスティスとともに正義の鉄槌を下してくれる!」
一人、ジャスティスを右手に掲げ、大声で誓う西条であった。
《一瞬だが、この時、(横島めうらやましい事を、ボクだって)という、不埒な考えが西条の頭をよぎったのだが。この事は西条の名誉の為に伏せておく作者であった。》by作者
《この西条が横島討伐に向かった結果は皆さんご存知の通りである》by作者

――――――――――――― 回想終了 ――――――――――

―――――――――― ここから本編です ―――――――――

ここは京都にある歴史ある某超一流料亭。
料亭とは、大物政治屋や高級官僚が血税を使い、不埒な悪行三昧の陰謀を企てるところである。
特に今の前の首相が料亭が大好きで、ほぼ毎晩通ったものだから国民のヒンシュクを大いに買っていた。
《ゴメンナサイ。政治家、高級官僚のみなさん》by作者

その料亭の大広間に横島(アモン)とドクターカオスが並んで座っていた。
その周りには人工霊たちもいる。
注意【ここでは、横島の意識は殻に閉じこもったため、アモンが横島の意識を乗っ取っています】by作者
「ほほう、ここが日本家屋の座敷というものか。見事なものじゃ。ほう、これが畳というものじゃな」座布団にすわり、周りを見渡し、畳をさわりながらアモンが驚嘆する。
「ワシも何回か他の料亭とやらに行った事はあるが、こんな立派なところは初めてじゃ」
カオスも感心してアモンと一緒になって周りをキョロキョロ見渡す。

正面の襖が開いて、いよいよ芸者さんの入場である。
さすが、選び抜かれた綺麗どころの芸者さんたち、凄い美人ぞろいである。

芸者さんたちを見たとたん、横島の意識がいきなり戻った。「なにっ!!」アモンの意識が横島の意識からはじき出されたのである。

「ぼくは、ぼくはずっと前から貴方の事をっーー!!」ぶっ!
横島はキレ―な芸者さんにの一人に抱き付こうとして、隣にいた芸者さんに見事なローリング・ソバットを食らって吹っ飛んだのである。
タイミング、スピード、パワー、完璧なローリング・ソバットであった。

横島は吹っ飛びながら、自分の良く知っている上司である女性の事を思い出すのであった。



―つづく―

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