鈴の少女(夢の世界)
投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 9/16)
ー鈴の少女ー
夢。
現実では無い世界。
夢の世界。
自分だけの想いで創られた世界。
少女の世界。
そこはその少女自身ともいえた、全てのモノが少女ひとりの為に用意された場所。しかしその自分が、自分の知らない別の自分になっていたとしたら?
今まさにこの瞬間、目覚めようとしている少女がいる。
(・・・ん・・・)
微かに身じろぎし、少女は薄く片目を開けた。
(ぇ・・・?)
瞳に戸惑いの色が浮かぶ。
二、三回とその瞳を瞬かせてから・・・ここが、この場所がそれまで自分がいた教会では無い事に少女は気が付いた。
少しの間だけ戸惑った少女はやがて・・・そっと横たわっていた身を起こした。小声で囁く様に呟き声を出す。
(ここ・・・は?)
か細い問いに答える声は無い。おそるおそる周囲を見回すと、小さな鏡が壁にかけられていた。
(ーーー!)
目を見開く。
鏡にいたのは見知らぬ少女。
顔も、身体も、瞳と髪の色まで、まるで違う少女がいた。
(・・・)
片手を上げてみる。鏡の中の少女も同時に同じ動作をした。
(・・・)
次に少女は背中に手をのばす。鏡の少女の背中に生えた透き通ってキラキラと輝く『羽根』が自分の背にも在るのか・・・それを確かめる為に。
(ん〜・・・)
届かない。もう少し手をのばす。
(ん〜〜〜!)
上手く触れられず、必死に手をのばしていると・・・
カタン!
(!!!)
無意識に動かしていた足が、何かを蹴った事に少女が気がついた時、少女の頭に何かが落ちてきた。
カァン!
ーーー衝撃。
急速に意識が薄れる中、懐かしいと思える声が耳に届いた。
『ティンク!?』
年若い、どこか聞きおぼえのある少年の声。
(ティンク・・・?誰・・・誰な・・・の・・・)
その想いを言葉にする事は出来ぬまま、少女は眠りについた。
「まったく!少しは反省して下さいよ・・・よっと!」
応接間を壊された時、その衝撃で倒れて気を失った少女を、金髪の美青年が抱きかかえた。
(軽い・・・羽根があるみたいに・・・)
青年がそんな思いを巡らせた時・・・鈴の首かざりを身につけた黒髪の少女の口から、囁きが洩れた。
「ティンク・・・」
「ティンク?」
青年の問いには応えずに、少女は青年の腕の中で、ただ心地よさげに寝息をたてていた。『世界』から、自分と共にやってきた『存在』に気づく事無く、今はただ・・・
(スゥ・・・スゥ・・・)
ただーーー安らかにーーーー
今までの
コメント:
- 「少し違う書き方にしてみました・・・続きです。読んで貰えたら嬉しいです」 (AS)
- この子、外国の方だったんだぁ。
(いや、違うかもしらんが) (トンプソン)
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