ザ・グレート・展開予測ショー

FORCES(10)


投稿者名:二エー
投稿日時:(01/ 9/15)

「おキヌちゃん・・ごめんな余計な心配かけて。俺はもう大丈夫だから・・なっ?」
本当はてめえでも解らないくらい心の中がグチャグチャになっていた・・が女の子を泣かしたままってのはな・・・。精一杯の笑顔を造る。

や、やべえ自分でも解るくらいぎこちねえ・・おキヌちゃんはそんな俺を見て・・・
やっぱり・・・キッと睨み付けてきた。 こ、怖ええ。美神さんよりも。
「何が大丈夫なんですか!ちゃんと私の目を見て言って下さい!『絶対にそんな事はしない』、ど、『何処にも行かない』って!」
お、おキヌちゃんく、首を絞めないで、苦し・・し、死んでまう!
「わ、解った、解りました!こんなものは使いません!かってに何処かに行ったりもしません!だ、だから手を離して、い、息が・・」

とりあえず首にかかっていた手が緩む。
「・・・・ほんとですね?」
俺は首を五、六回縦に振る。もし横に振ったら・・・死ぬな、俺。

「ちょっと・・・あんたら何時までそうしているつもり?」
美神さんに言われて俺とおキヌちゃんがいまどんな状態か気付く。ちょうど・・そう俺がおキヌちゃんをだっこするような形になっていた。
か、感触が・・・・お、美味しい!
俺の戦士が若さの旗の下に集合をかける。
下腹部に血が集まる。
「よ、横島さんお尻に何かあたって・・ひょっとしてまだ何か隠してるんですねっ、さあ、出してください!」
「こ、こらおキヌちゃん!天然か?知っててやってるんならタチ悪ィぞ!」
救い主?は意外なところから(そうでもないか)現れた。
「おキヌちゃん・・そういう時はこうするのよ。ちょっとどいてくれる?」
にっこり笑いながら(怖い)おキヌちゃんをどかせた美神さんは金縛りにあってる俺を見下ろすと・・・
「こいつがほしいんでしょ!このブタ!」
ぐしゃ「おっファアああ!」
ハイヒールで・・・俺の・・・を・・・・虐待だ・・・これは・・・絶対に・・・アムネスティ(世界人権擁護団体)に・・・・
なすすべもなく転がりまわる俺。やっぱり・・こんな日常いらねえええ!
「よ、横島さん大丈夫ですか!すぐに治療をしますからっ」
「いいのよ、ほっときゃあ治るって」
なおんねえ!少なくとも傷ついた戦士の心は癒されねえぞ!勘九郎の仲間入りしたらどうしてくれるんだ!責任とってもらうわよっ(ちょっとヤバイ)
ん・・・勘九郎?

「美神さん・・・」
俺は痛みの事も忘れていた。
「な、何よ・・・いきなり復活して」
これなら・・この手なら・・・
「魔装術・・はもちろん知ってますよね?もし・・・もしですよ?あれをつかって魔物になってですよ?それでルシオラを生き返らせてですね・・時間はかかるけど俺も因念みたいに治療してもらえばどうです?」
美神さんの顔が曇る・・何で?すばらしい思いつきのはずなのに・・・
「あんた・・まだそんなこと考えて・・・人の気も知らないで・・・いいわ、あんたがおかしな行動をとらないうちに釘を刺しといてあげる。結論からいうとそれは『無理』ね。
『絶対』に」
その時、何でそんなむかつく物の言い方をされたのかも考えずに激昂した俺は吼えるように叫んだ。
「何で!なんでですか!やってもみないでそんなの解らないじゃないですか!」
パシン!
ひ、平手打ち?
「いいから落ち着け!このバカ!」
痛い・・・
「いい?まずひとつ、今の横島君は魔装術で暴走するには霊力が強すぎる。ふたつめ、よしんば暴走したとしてもそうなったあんたがルシオラのことを覚えてるとおもう?『魂まで魔物になる』ってのがどういうことか勘九郎を見たら解るでしょう?今までいだいていた執着なんて屁みたいなものになるわ。みっつめ、そうなったあんたはたぶん魔王級の化け物よ。それを取り押さえて無理やり魂の分離をするなんて不可能よ。殺すしかないわ。
それでもやりたいってんなら・・そうなる前に私があんたを殺してあげるから・・いつでもいいなさい。」
俺は何もいい返せなかった。
「・・・・・」
「ちょ、ちょっと美神さん!横島さんを殺すなんて・・冗談ですよね、ねっ?」
「私はプロよ。本気でいってるに決まってるじゃない。」
本気だ・・美神さん。・・そうなったら本気で俺を・・・
「や、やだなあ美神さん。冗談に決まってるじゃないですか。もしできたらいいなあって思っただけですよ・・そうか、それじゃあ無理ですよね。はははは」
「ふーん。その割にさっきはえらい取り乱してたじゃない」
「そ、そうスか?あはははは。」
無理か・・・やっぱりこんなのは俺の妄想か。いや、待てよ?あの虻野郎はどうだった?
人間のままの記憶と知性があった。人間の外見も保ってた。
会社にも行っていた。これは何かに執着している―「思い」を持っていたと言う事じゃないのか?そう、「望むがままを行っていた」。俺の挑発にも簡単に引っかかってーそう考えてみるとあれは社会の規範から逸脱した「人間」そのもののような気がする。ともかくあいつは「妙に人間臭かった」・・・これがベヘリットの力?だとしたら・・・

俺は今はっきりとわかった。俺が抱いていた妄想はベヘリットの所為なんかじゃない。あいつを生き返らせる。これは俺自身の「思い」だったんだ・・・そのためなら・・・
やはりベヘリットは手放せない。これは俺のものだ。しかしどう使えば?
「今のあんたの考えてる事くらい解るわよ。横島君?」
ギクッ
「あんたが二度と変な気を起こさないように駄目押ししてあげるわ」
そういうと美神さんは何処かに電話をかけだした・・・・・・



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