ザ・グレート・展開予測ショー

ドクターカオスの珍発明13修正加筆バージョン


投稿者名:KUMAさん
投稿日時:(01/ 9/13)

500年前全盛期のドクターカオスは、高い知性を持った人工生命を創造した。
この人工生命はアモンと名付けられた。そしてカオスに教えを受け、どんどん知識を吸収していった。
だが、悲劇は起こった。カオスの研究所のある村の村人全員が惨殺されたのである。
アモンの仕業だった。
アモンは研究所から出る事をカオスから禁じられていたが、外の世界に対する探求心から研究所から抜け出してしまったのである。
アモンは村人に見つかり怪物呼ばわりされ、そして殺されそうになった。
アモンは自らの身を護っただけである。しかし、恐ろしさの余り逆上して村人全員を殺してしまったが。
カオスはアモンを封印、人工生命の研究すべてを焼き払った。カオスは呟く「奢り高ぶり生命を冒涜し、神になろうと奢った自分に対する罰だな」と
だが、500年後封印されたアモンは封印を破って蘇った。
自分を無意味に創造し、そして不都合になったとたん封印したドクターカオスに復讐する為に。
500年間生き延びたアモンは、カオスの想像以上の能力を持っていたのである。

アモンはカオスを追って東洋の島国、日本にやってきた。
来る間に色々な所で、この世界の知識を吸収しながら、だが騒ぎは起こさなかった。
500年の間に人類は急速に文明を進化させた。アモンは迂闊に人間に自分の存在を知られる事を恐れたのである。
アモンは遂に自分の目指すものを見つけた。ドクターカオスを発見したのである。
アモンは嬉しかった。カオスに対する憎しみとともに、500年前に別れた恋人に父親に再会したような気分でもあった。

アモンはすぐカオスを殺そうと思わなかった。500年間封印の中で苦しんできたのだ。
その苦しみを少しでもカオスに味あわせたいと思っていた。
そして、アモンの復讐劇は始まった。
カオスを見張っているうち、アモンは不思議な一人の若者を発見した。一見したところ普通の若者だが、アモンが隠れて見ている前で文珠を造ったのである。
アモンは興奮した。カオスに復讐する方法を思いついたからである。
その後の経緯はわたしの投稿した作品の中で述べられている。

この横島と呼ばれている若者を完全に己の支配下に置くために、アモンは横島に取り付いた。そして一度取り付いてしまえばカオスも手を簡単に出せない。
しかし、アモンの計算外の事が起きた。完全に横島を支配できないのである。今まで何人かの人間に取り付いたが初めての事であった。

だが、アモンは興奮していた。この若者の潜在能力の凄さに。巨大な霊力と上級魔神の記憶に。
この小僧を使えば自分を殺そうとした人間たちも皆殺しに出来る。人間を根絶やしにする事が出来る。アモンはそう思ったのだ。が、横島の煩悩パワーはアモンの想像をはるか超えていた。
カオスに造らせた文珠をエネルギー源とする人工霊発生機で横島の人工霊を作り、手下にするつもりでいたのが、横島の煩悩にああいう使われ方をされてしまった。
横島の煩悩パワーは止まる所を知らず、自分の願望の達成の為に日本政府まで脅迫する始末だった。
アモンはカオスを苦しめる為に、横島を殺人者にするつもりでいた。だが横島の潜在意識は殺人を強烈に否定した。
西条率いるオカルトGメンの行動隊、世界中の対テロリスト組織から派遣された超一流のスナイパー達も一人も死んでいない。
某○ル○13は流石に手強く廃人にしてしまったが。《ごめんなさいトンプソンさん》by作者
そして、六道横島討伐隊のGS達も怪我人はいても死者は出ていなかった。
《余談だが何人かの女性GSがその時の戦闘の後遺症でGSを廃業した》by作者、
アモンは横島の好きにやらせていた。しかし、少しずつ操りながら。
それより横島の支配に全力を尽くしていたのである。カオスも薄々自分に気付いている。マリアと呼ばれる人形に横島を隠れて調べさせている。自分の目を盗んで外部の人間とも連絡を取っているようだ。
急がねばならない。
横島を完全に支配すればこっちのものだ。

ここから本編です。

《アモン》その名はカオスにとって忌まわしい記憶。
若かりし頃の過ちというには、余りにも大きな禍根。
命と霊魂を軽々しく弄んだ己に対しての悔恨。

カオスはアモンと対峙しながら、ある確信を得ていた。
《アモンめ、すぐボウズを乗っ取る事が出来たといっておるが、それは嘘じゃな》
《このボウズの煩悩は確かに人並み以上じゃが、本当に凄いのはその霊力なんじゃ。
確かに普段は一般人程度の霊力しか感じられない。が、いざという時には爆発的に霊力が湧き出してきよる。
どこにこれほどの霊力が隠されておるのか信じられないくらいにのう》
《その霊力がアモンのこれ以上の侵食を防いでおる。美神美智恵に頼んだボウズのデータの解析結果からもそれは明らかじゃ》
だが、この時のカオスには気がついていなかった。真に横島を護っていたものの存在を。
《これならまだチャンスはある。その時の為に、美神美智恵よたのんじゃぞ。上手くやってくれよ》

アモンは焦っていた。その焦りをカオスに知られまいとしていた。
《横島に取り付いた時、アモンは驚きそして喜びに打ち震えた。横島の外から見るとまったくわからないが、取り付いてみて初めてわかる超人的ともいえる秘められているその巨大な霊力。
そして何故あるのかわからないが、かすがだが感じた上級魔神の記憶》
この横島という人間は、まったく磨かれていない超巨大なダイアモンドのようだった。
《この小僧を完全に支配する事が出来れば、怖いものはなにも無い。外見が醜いだけでワシを殺そうとした人間どもにも復讐できる》
だが、何者かがアモンが横島を完全に乗っ取る事を防いでいた。
アモンの霊的触手の侵食をまるで横島を護るように防いでいる存在が確かに横島の中にいた。

アモンに取り付かれた横島に下手に手を出せない以上、カオスはアモンの言いなりになるしかなかった。
そして、アモンは横島の体内に姿を消し、横島は意識を取り戻した。
意識を取り戻した横島にはアモンに取り付かれている自覚は無かった。
《もう少しの辛抱じゃボウズ。わしの命をかけてもアモンから開放してやるぞ。わしの過去に犯した罪を償う為にも》
カオスは横島を見ながらそう決意していた。

人工霊横島たちの操る戦闘機、戦闘ヘリ、戦車等によって首都を壊滅させられた政府は、横島の要求を飲む事を決意した。それがいかにくだらない要求であろうと、

ここは破壊を免れた(あああ・・・ ご都合主義といわないで下さい)東京都庁地下オカルトGメン日本支部本部の一室

美神美智恵はドクターカオスのアドバイスのもと作戦を立案。この作戦は西条に強硬に
反対されたが、美智恵はアモンに取り付かれた横島に対して、最も効果的な手段として西条を説得した。

そしてもう一人、この作戦の一番の要であり、そして一番厄介な人物を説得しなければならなかった。
「いやよー!なんで私が横島なんかの為にそんなバカな事やらなけりゃならないのよ―!」
令子が美智恵の言葉に大声で言い返していた。美智恵は相当バカな事を令子にやれといったらしい。
「横島クンを救う為なのよ!令子聞き分けなさい!」美智恵は大声をあげて嫌がっている娘を説得していた。
「いやよー!なんであんな丁稚なんかのためにー!!この私が―!」令子はパニックになっていた。

「あのーっ それは本当に美神さんじゃなければだめなんですか?」
そばで二人の漫才を黙って聞いていたおキヌちゃんが美智恵に恐る恐る尋ねる。
「えっ!ああ、おキヌちゃん。そうね、確かに美人なら誰でもいいんだけど、とにかく横島クンの煩悩パワーを最大限に引き出したいのよ」
美智恵がおキヌに答える。
「美神さんがそんなに嫌なら私にやらせてください。横島さんを救う為なら私なんでもします。」
真剣な顔のおキヌちゃんが美智恵に申し出る。
ピクン!このおキヌの申し出を聞いた令子が美智恵が返事をするよりも速く叫んだ。
「止めなさい!おキヌちゃん!飢えた狼の前に日本食を出すようなものよ!自分を大事にしなさい。」
「横島さんになら私、なにされてもって、えっ私は日本食なんですか?」不満そうに令子に聞き返すおキヌちゃん。
こんどはシロが
「それなら拙者がやるでござるよ。拙者も先生にならなにされてもいいでござる。それに拙者のプリチーな魅力で先生を悩殺するでござるよ」
《なんか話が脱線しているような。なにされてもいいは彼女達の妄想であり、実際の作戦内容は違います。確かに恥ずかしい思いはしますが》by作者
すると令子が今度はシロに向かって
「ダメダメ、シロじゃ旗を立てたお子様ランチじゃない。それじゃ横島に見向きもされないわ」
《あんたじゃ役不足も甚だしいわ》といわんばかりにシロに向かって言った。
「ひ、ひどいでござる。拙者だって、拙者だって成長しているでござる。出るところは出ているでござるー!」
シロは令子に涙ながらに抗議した。
おキヌちゃんも「日本食なんてひどいです」と令子に抗議した。
そしてそこにエミが乱入してきた。
「令子、そんなに自分の身体に自信が無いなら私がやってあげるワケ。横島はこのみのタイプじゃないけどカワイイとこあるし、横島を救う為だし、横島だって令子の貧弱なボディより、私のダイナマイトボディにメロメロになるワケよ。ほーっほほほほ」
そういって、令子を挑発するように笑うと、エミは自分の豊満なバストを令子に見せつけるように胸を張る。
「なんですってーエミー!あんたのその貧弱な胸にうちの丁稚が興奮するわけないでしょーが!」
エミは思った。《よし、令子が挑発に乗ったと》
美智恵は見え見えの令子の意地っ張りに、《この娘ももう少し素直なら》と心の中で溜め息を漏らしていた。
そして、令子を承諾させる為に協力してくれているエミにも感謝していた。

・・・・この騒ぎはしばらく続いた。

結局、令子がしぶしぶやる事を承諾したのだった。
「本当に素直じゃないんだから、あの娘は」
美智恵は苦笑しながら呟いた
《これであの子たちも少しは進展するかしら》
令子たちの部屋を後にする美智恵だった。



―つづく―

ドクターカオスの珍発明13の修正、加筆バージョンでございます。

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