ザ・グレート・展開予測ショー

ドクターカオスの珍発明13


投稿者名:KUMAさん
投稿日時:(01/ 9/12)

《アモン》その名はカオスにとって忌まわしい記憶。
若かりし頃の過ちというには、余りにも大きな禍根。
命と霊魂を軽々しく弄んだ己に対しての悔恨。

カオスはアモンと対峙しながら、ある確信を得ていた。
《アモンめ、すぐボウズを乗っ取る事が出来たといっておるが、それは嘘じゃな》
《このボウズの煩悩は確かに人並み以上じゃが、本当に凄いのはその霊力なんじゃ。
確かに普段は一般人程度の霊力しか感じられない。が、いざという時には爆発的に霊力が湧き出してきよる。
どこにこれほどの霊力が隠されておるのか信じられないくらいにのう》
《その霊力がアモンのこれ以上の侵食を防いでおる。美神美智恵に頼んだボウズのデータの解析結果からもそれは明らかじゃ》
だが、この時のカオスには気がついていなかった。真に横島を護っていたものの存在を。
《これならまだチャンスはある。その時の為に、美神美智恵よたのんじゃぞ。上手くやってくれよ》

アモンは焦っていた。その焦りをカオスに知られまいとしていた。
《横島に取り付いた時、アモンは驚きそして喜びに打ち震えた。横島の外から見るとまったくわからないが、取り付いてみて初めてわかる超人的ともいえる秘められているその巨大な霊力。
そして何故あるのかわからないが、かすがだが感じた上級魔神の記憶》
それは、まったく磨かれていない超巨大なダイアモンドのようだった。
だが、何者かがアモンが横島を完全に乗っ取る事を防いでいた。
アモンの霊的触手の侵食をまるで横島を護るように防いでいる存在が確かに横島の中にいた。

アモンに取り付かれた横島に下手に手を出せない以上、カオスはアモンの言いなりになるしかなかった。
そして、アモンは横島の体内に姿を消し、横島は意識を取り戻した。
意識を取り戻した横島にはアモンに取り付かれている自覚は無かった。
《もう少しの辛抱じゃボウズ。わしの命をかけてもアモンから開放してやるぞ。わしの過去に犯した罪を償う為にも》
カオスは横島を見ながらそう決意していた。

人工霊横島たちの操る戦闘機、戦闘ヘリ、戦車等によって首都を壊滅させられた政府は、横島の要求を飲む事を決意した。それがいかにくだらない要求であろうと、

ここは破壊を免れた(あああ・・・ ご都合主義といわないで下さい)東京都庁地下オカルトGメン日本支部本部の一室

「いやよー!なんで私が横島なんかの為にそんなバカな事やらなけりゃならないのよ―!」
令子が美智恵の言葉に大声で言い返していた。美智恵は相当バカな事を令子にやれといったらしい。
「横島クンを救う為なのよ!令子聞き分けなさい!」美智恵は大声をあげて嫌がっている娘を説得していた。
「いやよー!なんであんな丁稚なんかのためにー!!」令子はパニックになっていた。

「あのーっ それは本当に美神さんじゃなければだめなんですか?」
そばで二人の漫才を黙って聞いていたおキヌちゃんが美智恵に恐る恐る尋ねる。
「えっ!ああ、おキヌちゃん。そうね、確かに美人なら誰でもいいんだけど、とにかく横島クンの煩悩パワーを最大限に引き出したいのよ」
美智恵がおキヌに答える。
「美神さんがそんなに嫌なら私にやらせてください」
おキヌちゃんが美智恵に申し出る。
おキヌの申し出を聞いた令子が美智恵が返事をするよりも速く叫んだ。
「止めなさい!おキヌちゃん!飢えた狼の前に日本食を出すようなものよ!」
「えっ私は日本食なんですか?」不満そうに令子に聞くおキヌちゃん。
こんどはシロが
「拙者がやるでござるよ。拙者のプリチーな魅力で先生を悩殺するでござる」
すると令子が今度はシロに向かって
「ダメダメ、シロじゃ旗を立てたお子様ランチじゃない。それじゃ横島に見向きもされないわ」
とシロに向かって言った。
「ひ、ひどいでござる。拙者だって、拙者だって成長しているでござる。出るところは出ているでござるー!」
シロは令子に涙ながらに抗議した。
おキヌちゃんも「日本食なんてひどいです」と令子に抗議した。
そしてそこにエミが乱入してきた。
「令子、そんなに嫌なら私がやってあげるワケ。横島だって令子の貧弱なボディより、私のダイナマイトボディにメロメロになるワケよ」
エミは自分の豊満なバストを見せつけるように胸を張る。
「なんですってーエミー!あんたのそのまっ○ろ○くてたれ○がっ○○○○にうちの丁稚が興奮するわけないでしょーが!」

・・・・この騒ぎはしばらく続いた。

結局、令子がしぶしぶやる事を承諾したのだった。
「本当に素直じゃないんだから、あの娘は」
美智恵は苦笑しながら呟いた
《これであの子たちも少しは進展するかしら》
令子たちの部屋を後にする美智恵だった。



―つづく―

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