ザ・グレート・展開予測ショー

闇の中・・・・・インテンシティー(緊迫)


投稿者名:カディス
投稿日時:(01/ 9/11)

俺は今、漆黒の闇の中、空気さえ個体と化してしまいそうな緊張感に包まれている。

カタッ・・カタカタッ・・・・

ひざが震えている。
仕事の前の何時もの武者震いだ。
この感覚もまた堪らない。

だが今日のは特別だ。

この仕事に関しては、決して妥協を許さない俺だが、今回はターゲットが何時もとは違う。

この俺が今の今まで手を出すことが出来ずにいた代物だ。




ロープを握る手の皮製のグローブが汗で蒸れて来る
武者震いはもう止んでいた。
妙に落ち着いているのもいつものことだ。
ターゲットに近づく時は、ゆっくりと慎重に。
いざ目的を果たす時は大胆且つ速やかに。
この仕事における俺の信条だ


ガサッ!


物音で俺の背中に緊張が走る
・・・・・ばれたか?・・・・


バサッバサッバサッ


からすが数匹闇夜へ消えて行った。

脅かしやがる
だがいつもならこの程度のことで怯みはしない
どうやら珍しくナーバスになっているようだ。




今回のターゲットは特別だからな


ここ何ヶ月も何時ものターゲットに取り組みながら、あらゆる面から情報を収集して、今日ついに実行を迎えているのだ。

成功させなければならない。これはプロとしての意地とプライドがかかっている
このために自分はどんな悪者になることも辞さない

隙間から白いケムリがもれてくる窓にたどり着いた。
この中にターゲットがいる。
ここまで来れば後は、確認するだけだ。

ゆっくりと窓へ右手をかけ顔を近づける
中からは楽しげな鼻歌が聞こえてくる



「・・・・だれだ!!」
中から女の声が聞こえてくる


チッ!ばれたか!!
だが、たとえここから突き落とされようとも、ターゲットの確認だけは行わなければならない。それがプロってもんだ。
だが聞こえた声はターゲットと違ったような・・・?

ガラッ!!

窓から女が顔を出した

「先生!なにをやっているんでござるか?!!」

シロが驚いた顔で俺にいう

『よーこーしーまー!!』
タマモが、湯船の中から指先に青白い狐火を出しながら鋭い視線を送ってくる

『よっ横島さん・・・・』ターゲットがバスタオルで、前を隠しながら、頬を桜色に染めて、呆然とこちらを見ている。
・・・・・俺には汚物を見るような目に見えたが・・・・・


「シロ!タマモ!!なぜお前らがここに???」

『問答無用!!!』


チュドォオーーン

窓から爆炎が噴出し、おれは、吹っ飛ばされ地面にたたきつけられるより早く燃え尽きてしまった。







(まったく・・・よりによってシロちゃんとタマモちゃんと一緒の時に来るなんて・・・・・)
「・・・・・言ってくれれば、一人で待っていたのに・・・・・・(ポッ!)」
誰にも聞こえない様に一人つぶやくオキヌちゃんであった。

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