ザ・グレート・展開予測ショー

黒(その十二)


投稿者名:NATO
投稿日時:(01/ 9/11)

「こいつはいい!これならこの体を自由に動かせるようになるまでほんの数日ですむ。しかもこいつは・・・」

ずっとずっと好きだった。他の誰よりも。でも横島さんは私を見てくれなかった。
他の人を好きになって、私になんか全然気づいてくれなくて。
“自分”を私にはみせてくれなくて・・・。
私は横島さんを本当に知っていたの?
私は本当の横島さんを好きになったの?
それとも・・・・。


「なんてことをしたんだ君は!除霊、しかも悪魔相手にそんな精神状態の人間を連れていくなんて!」
美神親子の師である唐巣神父が怒鳴る。ちなみに他の面子も揃っている。場合が場合だけに東京に戻ってきたのである。夏子も心配してついてきた。そこで悪魔がらみということで唐巣がよばれ、事情を説明した所である。
「だ、だって」
仕事でもさせれば・・・と続くはずの美神の声も唐巣の迫力に押し黙る。仕方なく美智江が口を挟む。
「それで、このままだとどうなるの?」
「聞いた話なら悪魔に体をのっとられたとしては最悪のパターンだ。かなり精神が衰弱していたらしいから、おそらく完全に体が支配されるのに一ヶ月とかからないだろう。しかもおきぬちゃんは有能な霊能者だ。そうなればおきぬちゃんの体に宿る悪魔の強さは以前と比べ物にならない。さらに・・・」
「まだなにかあるの!?」
「ああ、おきぬちゃんは、ネクロマンサーだから、もし悪魔が覚醒すればその力を使って辺りの霊を無尽蔵に取りこもうとするだろうだろうからね。そうなれば先の霊団などの話しではない。へたすればアシュタロスクラスになりかりない。」
「そ、そんなことになったらどうしようもないじゃない!その前にどうにかできないの!?」
自分がやった事を棚に上げて、美神が悲鳴を上げる。
「もし、むりやり取りこまれたなら、おきぬちゃんを手助けするだけで良かったんだが、これではどうしようもないな、よっぽど力を持ったものが、無理やり引きだすか、さもなくば・・・。」
「どうするの?」
「覚醒する前におきぬちゃんごと殺すかだ。」
「「!?」」

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