ザ・グレート・展開予測ショー

極楽大作戦 de 時代劇 第弐幕 巻之拾参(蟲娘特別出演編)


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 9/ 8)

江戸時代とは、不定時法、つまりは太陽と共に働き、太陽と共に生活が終わるのだ。
遊郭を除いて。
その朝、老同心の蛮平信(ヘルシング)が旅篭魔鈴屋へ顔を出す。
「御免。魔鈴殿はおるかな?」
「これは同心様、御早いお越しで」
旅人の早立ちの事もあるので、旅篭職の朝は早い。
2人の旅装束の娘が玄関口にいる」
「るし姉さん、はやくしてよぉ、末っ子のぱぴも用意できてるんですから」
「そうでちゅよ、るしねぇ。早くするでちゅ!」
厠(トイレだね!)がある方向から、少し待ってという声がかかる。
「あー、そこの二人、これから出るのか?」
「はい、これより江戸へ出立の予定で御座います。人別改(職務質問みたいな物だ)で御座いますか?」
べす、と名乗った娘が自分達は江戸の回船問屋『吾朱(アシュ)屋』の娘に御座いますと身分をあかす。
於勢参りの帰りだと言う事だ。普通は東海道ではないかと詰問すると、
「商用を兼ねてで御座います故」
理に叶った言であるし、平信の本意は、
「いやな。この所江戸への道中に不心得者がいるようでな。もう少し安全な時刻に出立する事を願うのじゃ」
ついでに、我が美神藩でも見て欲しいと告げる。
「御忠告感謝します。ではもう少し日が昇ってから向かうように致します」
「そのほうがよい。何処か行きたいところはあるかな?」
すると、三女と思われるぱぴが、
「それなら、甘いお菓子をたべたいでちゅ!」
「おぉそれなら、ここへ向かうが良い」
平信が贔屓にしている汁粉(おしるこ)屋があるという。
「わしの娘も気に入っておってな。関東八州では珍しい京風の物を出すのじゃ」
そすして三人娘は少し街を歩いてからその汁粉屋に向かうのであった。
「どうぞ、御茶で御座います」
と、女亭主めぐみ(魔鈴めぐみ)が茶を持ってくる。
「うむ。良い茶だな。実はな、昨日の今日で恐縮だが、関(関俊介)の事じゃが」
今日の昼過ぎに向かうのだがと告げると、
「解りまして御座います。平信様。御付き合い致します」
「御苦労」
そういって、再度市中見まわりへと出るのであった。

愛犬麻呂(マーロウ)を連れて散歩をするのは、歌舞伎役者の銀一(堂本銀一)だ。
「いい朝やな。散歩にはもってこいやな」
通常は犬を飼う風俗はこの時代高級武士に限るのだが、
「野犬対策にも、犬を飼うことは奨励すべきである」
という家老薫栖(カオス)の政策が効を奏して藩内の安全に一役かっている。
同じ時期、江戸では野良犬が横行して、子供の死亡令が報告されているのだ。
麻呂の手綱が強くなる。
「おい、どないしたんだ?」
麻呂が吠える火災対策の水桶を覗きこむと、
「おや、酔っ払いやんか。なんやこの二人?」
浪人にして妙に羽振りの良い服装の男に町人らしき男、
横島和馬と氷室屋忠夫である。酒臭いのだ。
「こないな時期に酔っ払ろうて、兄サンがたおきなさい」
と、其処へ駕籠が止まる。
『八兵衛、九兵衛ちと止まっとくれ』
駕籠の中から現われたのは他でもない、家老の毒田薫栖(Drカオス)その人である。
本日は普請を見に行こうと思っていたそうだが、
「あっ!ご家老様」
町人の銀公も驚いてしまう。
「おぉ、御主は歌舞伎役者の銀ではないか。わが妻もお主の芸に惚れこんでおるぞ」
ありがたい、御達しであるが、
「やはり。忠夫様、和馬様、風邪を引きますぞ、おきなされ」
顔を何度かたたくと、二人同時に起き出して、
「あっ、ご家老はん・・ぶるっ、さむー、和にぃおきなはれ、おきなはれ」
「頭いたぁ。昨日はしたたか飲みすぎのようじゃな」
それでも二人は風邪を引いていないのだ。
「御二方・・。どうぞ、この駕籠に乗ってくだされ、御宅まで御送りします故」
二人を乗せて、氷室屋夫妻のいる北方に向かうのだが、
「ご家老が、御駕籠に乗らないので御座いますか??」
美神藩でナンバー2の家老が歩いているのだがら、驚きである。
「この二人に関しては、口止めを願う、それとな」
「解りました。して、何か?」
「すまぬがこの色紙に御主の名を書いていただけるかな?」
「はっ、はい!」
薫栖、妻への土産が出来たようだ。

後回しになってしまった普請場には今しがた机組副棟梁の寅吉が現われると、
「とらきっつあん、お早いンだなー」
「おぉ。いぃむですの、左官の主がどうしてこのように早くに?」
「万一を考えて、来たんだなー。兄貴のやぁむも来ているだなーー」
すると、普請場で握り飯を頬張っていた兄貴と呼ばれたやぁむが顔を見せる。
「副棟梁もお早いですなぁ。新婚いうに。いいんですか?今のうちですぞ?甘いのは」
「はは。わっしのトコはかかあ天下じゃからな、もう恐いですのぉ」
「あやぁ?お惚気ですか?あつい、あつい」
「こ、こら、副棟梁を苛めるでないノ!さて、おぬし等がいるなら、今日の仕事について話すカノ?」
だが、二人のからかいはもう少し続くのである。新婚さんはいい玩具なのだ。

唐巣寺も朝は早い。寺男の権三郎爺(92)が枯葉と格闘をしていたが、
もうあきらめて、煙管をたしなんでいる。
「もう、秋じゃのー。ワシはあとどれぐらい、この時期を見れるか」
だが、彼は、まだまだ、現役であるのだ。
すると、本道から誰かが下にやってくる。
「はて?あぁ令子姫様か、おはよう御座いまする」
「権三か、御主もよぉ働くねぇ」
「お城へ御帰りですかな?」
「えぇ。たまにはね」
すると大通から、家老の薫栖が駕籠についてやってくる。
「爺、どうして駕籠にのらないのじゃ?」
「姫様では御座いませんか。どうなさったので有りますか?」
どうして駕籠に乗ってないのか問いただそうとした時に、
「姫さんがいるんか?」
すっと、中から出てくる武士が横島和馬である。
「げっ!和馬様!」
「ん?忠夫様じゃないね。何方じゃ?」
次いで氷室屋忠夫がやってきて、
「あぁ、こちらはワイの従兄弟や。横島和馬いいます」
薫栖としてはここで終わらせて欲しいところだが、
「こらぁ〜綺麗な姫さんやないか。忠夫。うん、これならええで!」
令子姫も褒められているようなので、
「有難う存じますが、何が宜しいので?」
「御見合いやで」
和馬の言葉が無惨にも響く。
「・・爺、あとでくわしーく聞かせて頂戴。わらわは城に戻るわ」
とても恐ろしい形相であったという。

さて、奉行西条にみぃ、けいは既に西片の山麓に来ている。
「と、言う事なのだが、虞螺殿。この覇亜非亥なる悪鬼を知っているか?」
絵を見ていると、
「うーん。あたしゃ、解らないけど、ちょっと待ってな、おーい夜叉鬼、娑婆鬼」
この姉弟もこの森に住んでいるという事らしい。
すると、
「姉ちゃん。こいつなら昨日空とんでたぜ」
なんという報告であろうか。
奉行西条に冷たい汗が流れた。
「・・悪鬼の攻勢は近いか・・」
さて、芽道邪にはこの朝、どういう連中が来ているのか、
それは次号で。


新登場人物説明。
説明も要らないとは思いますが。
るし>ルシオラ
べす>べスパ・・・にしてもすげぇ名前(笑)
ぱぴ>パピリオ・・同上(笑)
この三人は今後関わる事は・・ないでしょう。無事に江戸へ行ってもらいます。

八兵衛&九兵衛
 ヨコシマン編に出てきた韋駄天の二人です。駕籠掻き屋さんにぴったりでしょ?

いぃむ>イーム 天竜童子の部下ですが、今回は机組の左官頭、寅吉の部下ですね。
やぁむ>ヤーム 天竜童子の部下ですが、今回は机組の大工。寅吉の部下ですな

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