放火魔軍団、一休み!
投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 9/ 7)
放火魔軍団、一休み!
「後・・・五分?」
唐突な物言いに対し、彼女はただその言葉を繰り返した。
見上げる形で仮面を見る。月明かりにさらされ、うっすらと輝くその様はこちらに寒々とした感覚を抱かせた。荒れ狂う炎によってこの公園一帯の温度は上昇しているのだが、それだけにその感覚は確かなものとして感じられた。
『む・・・』
ふと、仮面が口元を歪めた。
『いけませんね・・・仕方ないーーー』
そう言い終わるよりも早く、仮面は黒マントを辺りを包む闇へとなびかせ、大樹の枝を蹴った。
「ちょ・・・」
気づいて声を出したーーしかし遅い。
ザザァーーーッッ・・・
既に仮面はその木からすぐ側に在る木の枝へと渡り、そうして何度となくそれを繰り返しながら・・・瞬く間に視界からその姿を消した。
「どうやら・・・火種も尽きたみたいね!」
走り続けた足を止め、振り返った美神がそう呟いた。
「は〜は〜・・・も、もう走らなくていいんすね!?」
それを聞きつけ、木にもたれかかる疲弊しきった横島。その一方で獰猛な笑みを浮かべながら、西条がジャスティスを握り締め一歩、踏み出した。
「遂にこの時が来たか・・・僕の積み重ねた出逢えた娘達との思い出のアルバムを全て灰にした罪!軽くは無いよ・・・!」
鬼気迫る表情とはこの事か。暴れまわり全ての力を使い果たして、まるで糸が切れた人形の様に崩れ落ちた発火能力者に制裁の一撃を贈る事が出来る間合いまで、後わずか。
「フフ・・・フ!」
ジリジリと、あえてゆっくりと近づきつつ、ドス黒い怨念を噛みしめながら遂に、西条はその間合いへ踏み込んだ!悦楽の表情でジャスティスを振りかぶる!
「西条さん!倒れてる人にそんなーーー!」
おキヌが必死の眼差しで制止の声を上げるが、もはや西条は復讐の念に捕らわれ正常に思考する力を失くしていた。
「駄目ぇーーー!!」
おキヌの叫び声が周囲に響く。しかし西条は構わず剣を・・・斜めに突き刺した。
ザグッ!
「・・・え?」
グラリ・・・西条のその身が横に揺れ、地に伏す。ジャスティスは寝息をたてている発火能力者の躯を大きく外れ、見当違いの場所を貫いていた。
『やれやれ・・・これは標的にする方を誤りましたね・・・』
一同揃ってあっけにとられる中、ふいに聞こえたその声。次の瞬間、仮面が木から飛び降り着地した。丁度発火能力者と美神達とを分かつ位置にたたずんでいる。
「あんた・・・西条さんに何したのよ!?」
怒気こもる美神のその問いに対し、仮面はただ黙って手のひらをかざした。その掌に何か針の様な形状の物が生まれる。
『ただの麻酔針ですよ、もっとも全て水で出来てますが・・・』
美神は絶句した。今の言葉を鵜呑みにするならば、放火魔達のリーダー格が水を扱う能力の持ち主という事になる。美神の、いやその場にいる全員が抱いた疑念。そこから生まれた一瞬の隙を仮面は的確に突いた。
「!」
仮面の足元、履いているブーツから水が溢れ出ていた。その水は美神達の足にからみつき、バレーボール大の鉄球付きの足枷の如き重さで全員の動作を妨げる。
「こ、この・・・!」
霊波を放つが固定されている為、軌道を読まれてあっさりかわされる。うめく美神。しかし足は一歩たりとも動かせない。
『では失礼しますよ・・・そろそろお友達も追いついてきそうですし、部下も待たせてますから・・・』
「待・・・」
仮面はそこでニッコリと微笑んだ。
『置き土産です。お別れにこれを差し上げましょう・・・』
ー五分後ー
「美神さん!だいじょ・・・う、うぷっ!?!」
「見るな、あんた達それ以上こっちに近づくなぁ!」
駆けつけたピートと魔鈴が見たモノ。それは顔の部分を除く全身を拘束され、マジックで化粧を施された顔見知り達のー・・・
『ブ・・・アハハハハハハ!!!』
ー笑える姿だったー
「ええ・・・どうもあのスーツでは予定の出力の・・・はい・・・はい・・・えぇ、それは抜かりなく・・・」
ピッ!
報告を終え、密談を打ち切る。
『ふぅ・・・』
携帯を黒マントの内側へとしまい、仮面は珍しく疲れの見えるため息をついた。伴侶を背負い、息を切らせている『部下』を待たせている場所へと戻る。
『お待たせしました』
早速不機嫌な眼を向けてくる彼女。その彼女に何をしていたのかと問われ、マントを羽織った『GS協会副会長』は笑顔のまま答えた。
『報酬として、貴方達二人に三ヶ月間のヨーロッパ旅行をプレゼントする、その段取りの相談をしてきたんです』
ーそれ以降、三ヶ月の間ー
ー公園での一夜を境に、放火魔達が現れる事は無かったー
ー最後に、放火魔達の詳細を記したレポートの大部分がGメンの本部長と、その後輩にあたるGS協会副会長の手で作成された事を補足しておくー
今までの
コメント:
- 「一応これで終わったといえるのかどうか・・・判断がつきませんけど、とりあえずは・・・ここまで、です。読んで下さった方達には、本当に有難うございました」 (AS)
- ・・・・・・・・無言・・・・・ (カディス)
- カディスさん、感想有難うございます。
反対されたの初めて、です。これも励みになります・・・ですが(出来ればですが)気に障ったところを教えてほしいです。
読んで下さって、有難うございました。 (AS)
- 上のはあくまで、参考にしたいだけの勝手な要望ですので、お気に障った場合、申し訳ありません。 (AS)
- うむむ。副会長殿が何の為に危険かつ凶悪(かつ愉快(笑))かつリスクの大きい(もはや放火魔を超えた)テロ犯罪行為に手を染めていたのか、ほとほと理解に苦しむ処です。
しかも部下は笛で操られていたり……まあこのマンガでは人権蹂躙は日常茶飯事ですけどね(苦笑)。
ひょっとしたら副会長殿は『私立戦隊ダイテツジン(六道神士)』の様な(やや不適切な例え)「スイーパーによるご町内戦隊」でも設立させたかったのでしょうか? そうだったとしても一体何の為になのかが不明瞭です。テロを逃がしたオカルトGメン及び戦隊の評判は失墜するだろうし、どの道メリットの有る計画とは思えません。
まあ今回で「一休み」との事なので、続編での活躍&謎解きに期待するしか有りませんかね。 (Iholi)
- 「発つ鳥跡を濁さず」どころか濁しっぱなしで終わってしまった感がします。
オリジナルキャラの設定が中途半端だったのが全てですね。
これがしっかりしていれば面白いキャラたちだったのに残念です。
オリジナルキャラを出す場合は、どんな人物であるのか、他のキャラとの関係はどうなっているのか、というようなことを読者にもわかるように明確に書いて欲しいです。
あとは、スーツの実験の為に放火をするといのは考えものですね。
これでは消火活動をしたい為に放火する消防士のようなものです。
官民のGSトップが犯罪に手を貸すというか直接やっていたというのもどんなんものでしょうか。
これでGS戦隊が逆手を取って彼らの悪事(犯罪)を暴いてくれたらスッキリといったのですが・・・。
これらが続編で補正されることに期待したいと思います。 (JIANG)
- Iholiさん、JIANGさん、細かなご感想有難うございます。
今までに少しづつ解る要素を入れたつもりでしたけど、自分の未熟さから伝えきれなかった事、そして細かいところで矛盾しているところも全て含めて・・・お詫びします。
申し訳ありませんでした。 (AS)
- 今回の事、戒めにします。有難うございました。 (AS)
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