ザ・グレート・展開予測ショー

放火魔軍団、どこまでも!


投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 9/ 3)




 ー放火魔軍団、どこまでもー



 ひっそりと、静まり返った夜の公園。
 その公園は広い。中央の広場だけでも規模の小さい公園が三つは入る面積があった。それでいて手入れも行き届いているのか敷地には雑草一本、ゴミ一つさえ見当たらず、月の光に照らされてどこか幻想的な雰囲気をかもしだしている。

 ーしかし、その幻想は突如として破られたー

 この辺一帯を震わせた爆音。それと共に逆巻く炎により静寂の刻は終わりの鐘を打ち鳴らす。やがて争乱の幕が上がる。
「ウオォォォッッ!!!燃エローーーーー!!!!」
「ど、どうすんのよこれ!手がつけられないじゃない!」
 愉悦を含んだ叫びに続いて、黒いスーツ姿の女性も叫ぶ。
『ははは・・・困りましたねぇ・・・』
 今やこの場にそぐわぬ声の調子で、落ち着きはらってお茶をすする仮面の輩。黒いスーツ姿の女性のみならず、そこに集まった全員の敵意、殺気、憤怒に憎悪、その他諸々の負の感情のみがひしひしと伝わる視線にさらされながらーー・・・仮面は静かに告げた。神経をこれでもか!と逆撫でする言葉を、ただ静かに。
『まあこの公園が、完膚なきまで焼き野原になる頃には力尽きますよ・・・それまでどうです?粗茶ですが・・・』
『アホかぁぁーーーーーー!!!!』
 全員が同じ言葉を叫び、負の感情を爆発させる。
 流石に多勢に無勢。元来の部下も(当然迅速に)寝返り、孤立無縁の仮面は全員に一斉に飛びかかられ、逃げる隙も暇も無くボコボコにされた・・・筈だった。
 ケロリ、と立ち上がってのたまう。
『私のグッドアイディア・・・理解して頂けず、悲しいです』
「こ、この・・・はぁはぁ・・・化け物!」
 言ったのは栗色の髪を邪魔にならぬ様、後ろで結んだ愛敬のある顔立ちの年若い女性。仮面との腐れた縁をここまで断ち切れずにいた事からいつも通り、常に抱き続けた疑問を発する。
 もっとも今回に限り、その疑問を抱いたのは彼女一人では無かった。その場にいる全員の総意でもある。
「と、とりあえず武器は接収出来た・・・それにしても・・・」 前とは違うピンク色のスーツを着た、西条というGメン捜査官の男が荒い息と共に、途切れ途切れにそう呟く。その視線の先にあるのは・・・まさに絶句すべき光景。
 地に転がる数々の武器やら重火器、例のニトロから始まり、四十五口径の拳銃にサブマシンガン、小型ロケット・ランチャーに加えて、何に使うかも知れないワイヤー、アサルト・ライフルと
ショットガン。それに電気銃やらダイナマイトに得体の知れない装置や薬瓶、赤外線スコープ・・・その他多数。正気の沙汰とかそういった水準をはるか越えている。
「全く・・・この世に、しかもこの日本にこれだけの装備をしながら平然と表通りを歩けるような奴がいるなんて、そんな輩は今まで見た事も無いし・・・想像も・・・」
 視線が泳ぐ。しばらく虚空を眺めていた眼差しはやがて、黒いスーツの女性のところで止まった。
「・・・西条さん?何か言いたい事でもあるのかしら???」
「いいいゃや!べ、別に何でも無いんだよ!うん!」
 しどろもどろで、声を出す。
「ふぅん・・・ま、いいわ」
 慌てて取り繕ったとしか思えないうろたえ、震えた声での返事だったが、黒いスーツの女性は一応納得した様だ。
「今はもう、それどころじゃないみたいだし、ね・・・」
 そう呟き、振り向いた彼女の視線を皆が追う。
「な、何すかあれはーーーーーー!!?」
「燃えてる・・・おっきな太陽みたい・・・」
 先の西条という男並みにうろたえきった男の声と、どこか呆然としている感のある少女の澄みきった声。全く違う感想だが見ているモノは同じだ。そしてソレを目にしているのは当然、その二人だけでは無い。
(・・・・・・)
 息を呑む。誰彼ではなく場の全員が、一様に。ただ一人?茶をすする人外を除いて。
 目に映るのは小型の太陽。形で言うなら途方も無い大きさのラグビーボールだ。(ただし燃えさかっているが)
 その炎の塊は両『軍』『隊』を見下ろしながら、天空に座している。回りの景色が歪んで見える。

『ーーー燃えろ!』

 ーそんな声が灼熱の中から聞こえたと思った瞬間ー

「ヤバい!みんな散って!逃げて!」

 ー太陽が、大地にその身をうずめたー



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