日常・ラプラス編
投稿者名:ダテ・ザ・キラー
投稿日時:(01/ 9/ 2)
そもそも彼にとって何を日常とするかは曖昧である。不測事態など起こりうる事などないし
普段成してる事が日常としたって日がな一日未来を見てる。昔と違って今の彼が知りえる
運命は有限なので尚の事百年後の情報を今感じてるかのように熱中している。
そんな時、思い出すように百年前に見た予知が示す自分の発言をなぞった。
「そうだ、お隣さん、脱獄する時は俺もついてくことになってる事を教えといてやるよ。」
気軽に言う。当然だ。結果は見えてる。返事は聞くまでもないが聞く運命が見えてる。
(聞くまでもないのは聞く事が解ってたからなんだから無理もないな。)
彼は一人納得して苦笑いをかみ殺した。そうした自分の行動も予定通りだ。返事がくる。
「だ…?シーッ!声がでかい。……じゃなくてしねーよ!する必要ねーだろ!!」
「無駄よ。こいつが自分の未来に私たちと脱獄するビジョンを見たってんなら、なにを
どうしたって私達とコイツは脱獄するし、自分の未来が定まってるこいつが嘘をつく
理由も見当たんないわ。そうなると、当然私たちが脱獄する理由も知ってるかもね。」
若い男女が同じ牢に投獄されるのは何の冗談だか知らないがとりあえず二人は元気そうだ。
「あぁ、ここに服役してるベリアルに会いに行くんだろ?あの古傷の霊質が
知人によるものらしいな。それで好奇心が刺激されたんだとか。やるな、人間も。」
ラプラスは素直に感心を言葉に出した。ただの興味本意でここの牢を破るというのだ。
自分には凡そ考えつかない発想だ。とかくどこにいても世界など牢屋のようなものだ。
「どうせ悪ふざけが過ぎて投獄されただけなんだから2、3日中には釈放されるでしょうけど
逆に言えばその間だけがチャンスなのよね。エミの奴が中位魔族クラスのどてっ腹に風穴
開けられるってのは気になるのよね。」
彼女の返答に疑問を浮かべたのはラプラスではない方の男だった。因みに人間。
「中位?ここにいるのは最強クラスの悪魔ばかりじゃないんですか?」
「彼女は俺に合わせてくれたのさ。基本的に高位魔族は人間界に干渉しないから人間界で
高位魔族と呼称されるのは魔界では中位なんだ。君が知ってる本物の高位は二人だけさ。」
「つまり地上にいる高位魔族自体アシュタロス並の変り者なのよね、ラプラス?」
ラプラスが彼女の代りに答えると、当の彼女がからかうように返してくる。
「そいつは手厳しいな。ま、そういう事だ。前知に能力が集中してるからアシュタロスには
僅かに及ばんが、それでも地上の妖魔にひけはとらんよ。用心棒になってやろうか?」
自分でも面白くもない冗談だと思うが、ラプラスは何故かほくそえんでいた。
「えぇ、どうせついてくるならそれぐらい働いてもらうわ。本当なら予知で未来の私がその
ベリアルとかから聞いた事を教えて欲しいんだけど…そんな事しても脱獄する未来は
変わらないんなら興ざめするだけね。…さて、と横島君、派手にいってみましょうか」
彼女が一気に言い終えるのを聞くと、壁の向こうで霊気が渦巻くのを感じる。
「しかしまた随分呆気なく結界解きましたね。ま、楽でいいけど。」
「人間が造った物を人間が壊せなくってどーすんの?それにここの結界は幾重にもあるわ」
ズドガーーーーーン
「百年前から楽しみにしていたよ、君たちを生(ライヴ)で見れるのを。クックック!」
「ボチボチ行くわよラプラス!なんかのはずみで他の悪魔が出たらよろしくね♪」
「『♪』じゃないでしょーが!二人掛かりで霊波ブチ込む必要あったんスかー!?」
「やーねー、丁度良い景気づけになったじゃない。」
雇用主の返答を聞いたのち、少年は思考を止めて天井を眺めることしかできなかった。
とかく我々は運命の奴隷だ。奴の監視からは逃れられない。ラプラスにしてみれば、
そうでなければこんなところに誰がいてやるものかというところであろう。
脱獄というのは自由を求めてするものなら意味の無い事だ。
スリルを求めて脱獄するにしたって自分には歯応えが無い。しかし彼女は面白そうだ。
無知は罪だと誰かが言った。だが全知は自分を蝕む。人生を楽しむコツはなんだろう?
「程々に愉しむ事さ。夜はまだまだこれからだ。」
自問自答も答えが出ないことのほうが望ましかっただろうか?否、些末な事だ。
つづく(あるいは「誰も引き継がないので未完」とかいう恐れもある)
今までの
コメント:
- やり逃げますんで誰か気に入ったら続けてくださいね。 (ダテ・ザ・キラー)
- ラプラスのニヒリズム・・・かっこいいスよね。そう言われればベリアルもあそこにいましたね。言われて気付きました。もう続きは書かれないのですか?すごく面白いのに・・・いや、無理強いはよくありませんね。失礼しました。 (二エー)
- なんだかわたくしが考えた
レベルがたかくなってて嬉しいです
こんな奴の話に乗ってくれてありがとうございます (なぞの提案者)
- うっ!うっ!
・・・御株を取られてしまった錯角に陥った、
トンプソンです。
ラプラス、あぁラプラス!! (トンプソン)
- あ〜あ、やっちゃった(笑)。宗教界のトップを敵に回したらオカルトGメンは介入出来無いし、やっぱマズいよなあ……さあ、この後どうなる? (Iholi)
- とてもおもしろかったです。
脱走したラプラス達のこの後がすごい気になります。 (G-A-JUN)
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