ザ・グレート・展開予測ショー

おキヌちゃんの日常


投稿者名:ツナさん
投稿日時:(01/ 9/ 1)

 
 学校から帰ったおキヌちゃは、毎日買い物篭をぶら下げて、商店街に買い物に行きます。
「さって。今日の夕飯はなんにしようかなぁ・・・シロちゃんはお肉、タマモチャンはキツネうどん、美神さんは私と一緒でいいから、と」
愛らしい鼻歌交じりに行きつけのお店へむかいます。
「いよ、おキヌちゃん、今日も元気だねぇ」
店先に立つ八百屋の旦那がおキヌちゃんの姿を目にすると、いつもの調子で声をかけます。
「あ、どうも、おじさんも元気そうでなによりです」
「おー、そうだ今日はいいキャベツが入ったんだ、まけとくから買ってきなよ」
いいながらダンボールの中のまるまると形いいキャベツを出します。
「うーん、じゃぁそこの玉ねぎとジャガイモも、ああと油揚げとそこのおうどんも」
「はいよぉ、じゃ全部で550万円になります」
「はい、550円」
「まいどぉ、待ってよってくんな」
笑顔で見送る旦那に笑顔を返すおキヌちゃん。
 その後もよる店よる店どこでもよくてしもらっています。おキヌちゃんはこの商店街では幽霊の頃からちょっとしたアイドルなのです。
 日も落ちかけて薄暗くなってきた頃。
「さぁてと、いいキャベツとお肉が買えたから、今日はロールキャベツにしよ、これならシロちゃんも食べられるしね」
買い物籠一杯の買い物をちょっと重たそうに持って、家路につくのですが。
 ふと人気の少ないわき道へ入ったとき、電信柱の影に人の気配を感じました。
「如何したんですか?」
『・・・ねぇ、私、どうなったのぉ』
話し掛けるとそこに張っていたのは、若い、おキヌちゃんより少し年下ぐらいの年の女の子でした。ただ、少し違うのはその女の子が、もう生きてはいないということだけです。
 でもおキヌちゃんにはそんな事はあまり関係ありません。変らない態度で、彼女と接します。
 女の子はひどく寂しげで不安そうな顔でおキヌちゃんを見ています。
「・・・あなたはね、もう生きてないの」
おキヌちゃんはあえてありのままを伝えます。ここで言いつくろっても、何も変る事はありません。
『わ、私、まだ死にたくないよ・・・やりたいこといっぱいあったのに』
女の子にはまだ強い未練があるようです。おキヌちゃんは彼女を抱きしめるしぐさをすると、
「あなたの気持ち、わかる。でもね、ずっとここにいたら、辛いよ。あなたの人生はもう終わっちゃったけど、楽しいこともいっぱい、いっぱいあったでしょう?生きているってこと、とっても楽しかったと思う。でもここにずっといたら、楽しかったことも嬉しかったことも、みんな忘れちゃうかもしれないんだよ。私たちは神様にいきる時間って言うプレゼントを貰ったの。あなたの時間はもう終わっちゃったけど、怖くないよ、大丈夫、あなたは生まれる前に戻るだけなの、いつかきっとまた新しい命になって、この星に帰ってこれるから・・・だから、かえろ、お空に、ね」
『・・・おそら・・・わたし、星になるの?』
「なれるかもしれないわ」
『うん・・・』
女の子はかすかな笑みを浮かべると、おキヌちゃんの腕の中から天へと帰っていきます。
おキヌちゃんは彼女を慰めるかのように、懐からネクロマンサーの笛を取り出して、優しい旋律の曲を吹きます。
 そして彼女を見送ると、また買い物籠を持って、家路につくのです。
 そんな、ちょっと不思議なことも、おキヌちゃんにとっては日常のこと。
 ちょっと悲しいこともあるけれど、それがおキヌちゃんの優しさを培っているのです。
 今日は、そんないつもと変わらない一日。 

 えー、この文章は謎の提案者氏の提案、古今東西小説、今回のお題、「・・・の日常」に乗っ取って製作されました。稚拙な文ですが、おひまでしたら目を通してくだされ。
 
 

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