全国除霊道派選手権!!!(その3)
投稿者名:ギャグレキスト後藤
投稿日時:(01/ 8/30)
勝利の花束を片手に、もう片方の手でホーコちゃんと握手を交わす。
その手は、少し冷たい様で、なんだか温かみを感じる。
本当は、法子が勝てなかったことを恨んでいたように、キヌは感じ取っていた。
法子の目を見てもなんとなくそのような感じである。
まるで、美神の怒ったときの目のようだったのはいうまでもないけど、キヌは決してそんなことは口に出さなかった。
「あーあ、空作くんと戦いたかったのになぁ…。」
「え?」
法子のわざと口から漏らした言葉に、キヌは目をぱちくりさせる。
「それ、どういうことですか?」
目を曇らせながらも、キヌはすぐに切り返す。
それはそう、いきなりの参戦だったので、この大会の詳しいことは知らない。
しかも、美神さんから突然切り出されていたから、尚更のことだった。
その頃、横手にあるもう片方のリングでは、まだ決着はついていなかった。
先ほど、ホーコちゃんの言っていた空作が、孫 悟空…カカロットと戦っていた。
☆ ☆ ☆
「へっ!その程度の攻撃で、俺を倒せるのかぁ?」
「やってみなくちゃ、分からねえさ。」
空作は、悟空とにらみ合っていながら、口うるさく相手に言葉をかます。
カカロットは、下半身…いや、上半身の上着をリングの外へ破り捨てる。
「へえ、破り捨ててカッコつけようってかぁ?」
またも、空作はペラペラと口うるさくしゃべる。
「口のへらねえやつだな…」
ヴン!と、カカロットは体を瞬時に、スーパーサイヤ人4に変身させる。
鋼色のオーラがカカロットの体を覆い尽くすや、手を軽く前に突き出し気合を一閃とさせる。
「やあぁっ!」
同時に、波動が一閃と空作に襲い掛かる。
それを軽く交わすが、リングには何の変化もない。
界王神界の数百倍の耐力を持つ1998番目の元素質・「スペーシウム」でできた特別製のリングである。
その刹那、カカロットの体が空作の数センチ前に現れると鋭き拳が放たれる。
それは戦闘能力 2.875.694.211.111 (2.88 Trillion)もの威力を秘めた拳。
空作は避け切れないと判断した0.0000000241秒間、空作はカカロットの股間をガツンと、金的蹴りを入れるのだった。
「いてえ、いてえ痛ってええ!!」
カカロットは嫌そうな悲鳴をあげながら、ぴょんぴょんと飛び跳ねている。
この隙を見計らって、空作はリングのポールに飛び乗ると、オモンキのいる辺りを見当をつける。
「このままじゃ勝てない。オモンキの変身能力を使わねば……」
空作は時間を稼ぐ間、目の眉辺りに手の平を水平に当て、自分のバッグを探す。
「法子お姉ちゃん、すぐ僕のバッグからオモンキを出して。」
「分かったわ、えーと……」
「その不細工トリオから5つ横の席だよ。」
この不細工トリオとは、ヤンヤン、ダサイネン、トンメンタンの3人の現在の総称であるが…
「まーー余計なこと言うんじゃないよ、もう、このスカナレーターのイケズ。」
「おさえて、ダサイネン。今は、空作の応援だろぉ?」
一応、女ボスのヤンヤンは少々理知的にダサイネンを抑えるや、さりげなくホーコをフォローしつつ投げる。
法子はそのめがけて投げられたバッグをナイスキャッチする。
「ありがとう、ヤンヤン。」
「あたりまえのことだろぉ?この負けた分はね、きちんと空作の応援に使うんだよぉ!」
☆ ☆ ☆
「あたし・…勝てるかなぁ。こんな人たちと。」
キヌは、リングでの様子を見ていたが、すさまじい応酬である。
こんな白熱した戦いの前に、キヌは恐る恐ると様子を見ていた。
キヌにとっては、こんな戦いは嫌であろう。
「大丈夫だよ、おキヌちゃんには、まだまだ新能力があるだろ?
あれだけ、美神さんに特訓してもらったのを忘れたのか?」
横島は、キヌを慰みものに…いやいや、宥めようとキヌの耳に届くように言い聞かせる。
美神も、うんうんと頷くように、言葉を発する。
「おキヌちゃんさぁ、ホントは貴方はゴーストスイーパー向きじゃないと思うの。
でもね、力が全てじゃあないってとこを見せられるくらいの実力がなきゃ駄目な場合もあるって
教えたのはいつか覚えてる?」
「そうそう、織田ムドーになっちまうぜ!」
☆ ☆ ☆
「くっそぉお…!よくもやってくれたなぁ〜〜〜!」
カカロットは、股間を何とか揉み直す事で治癒を早め、戦線復帰した。
鋼色のオーラも復活している。
だが、その頃には空作も既にイタダキマンに変身し、今もって、更に……
「イタダキマン、2段変身!!」
と、叫びつつポール上を蹴りあげ、飛び上がる。
今回は飛び上がるだけで、同時に、どこからともなく一回り小さいプロテクターが飛んできている。
もちろん、それらを全て装備しあげて着地するなり、しっかりと決めポーズを決めるのだ。
「天から振ったか地から沸いたか、三千世界を乱すやつ!
天に代わって打ち砕く、魑魅魍魎退治のイタダキマン、只今、登場ーーー!!」
「オラは、魑魅魍魎じゃねえ!」
「じゃあ、おまえは何だってんだよ…」
見難い言い争いをしている。
かと思うように見えたが、これはどちらが先制をかけるかの冷静な勝負。
勿論、負けたほうが、先に仕掛けてしまうというシステムである。
「オラは、負けねえ!」
そういうなり、カカロットが言い争いに負けて反撃を開始する。
それは当然であった。
空作は、母親も見つけ、勉強に専念して今やオシャカ学園の2年生、17歳。
横島とタメ年になって教養もたっぷりあるためだ。勿論、横島よりも(笑)
「来るか!ならば、ひょっこりひょうたん玉!」
☆ ☆ ☆
「…!まさか!」
「どうしたんですか?横島さん。」
横島は、ベジータと瓜二つの声で叫びあげた。
何故なら、横島を上回る 『スペリングマスター』 …… 『文殊使い』 が存在しようとは夢にも思わなかったからだ。
「あいつ、出来るの?」
美神は、横島に尋ねる。
「ええ、出来るなんてもんじゃないっスよ!
しかも瞬間にあんなに一個の文殊に 『ひょっこりひょうたん玉』 だなんて増幅して打ち出すなんて、
完全に不可能な芸当じゃないっスか!一体あいつ…何者なんだ?」
☆ ☆ ☆
ワサワサワサ・…と、リング上に何千匹ものサイバイマンを生み出したイタダキマン。
しかも、『ひょっこりひょうたん玉』 という、一個の文殊から何千匹もチビメカ・サイバイマンを出せるなんて
芸当は、普通の人間の霊力では物理的に…というか、霊的にも不可能に近いのだ。
「ちっ!なんて野郎だ。ここは一発、スーパーかめはめ波だ!
かめはめ・・・・・」
スーパーサイヤ人4の姿のカカロットは、サイバイマン全員を気合で上にあげるや、構えに入る。
サイバイマンも、そのエネルギーの前にはオーラ上の結界が張られて近寄れない。
その上からサイバイマンを一箇所に集めて放てば、おそらく一掃出来ると考えたのである。
「…やっぱりそう来たか。でもよ、結界は決壊に尽きるってか。」
イタダキマンは、オーラ上の結界の重点の部分を見据えるや、如意棒を手に出現させる。
そして、数倍の太さへ霊力を与えて変化させていく。
「・…波ぁーーーーーーーーーーーーーーー・・・・・・・・・・っっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
リング内部から、会場もろ共に轟くほどの声をあげ、スーパーかめはめ波を打ち放った!!!
しかし、イタダキマンはまだも笑っていた。
如意棒の太さと長さが、なんと集まった数千匹のサイバイマンの一体の直径よりも……
そしてカカロットの放ったスーパーカメハメ波の波状の直径をも上回っていた。
勿論、重力もである。
「イタダキマン、『如意棒反抗期ハンコ置き』 の術だぁっはっはっはっはっは!」
そう、笑いの意味は、光の波動を威力で消すのではなかった。
異次元の穴を霊力でもってあけることで、カメハメ波の威力そのものを穴へ吸いこまさせるためであった。
そして同時……
べべっっっっしょおおおおおおんんん・……!
カカロットをその太さのままの如意棒を押し当て、ぺしゃんこに潰し果てた。
「く…くそぉおう!オラの負けって事にしといてやらぁ。」
と、『ど根性ガエル』 のように平たく押しつぶされたカカロットは自ら負けを認めた。
あれほど自分の強大な体力を消耗するものを、すんなりと異次元に消し、無傷にすまされた。
その上から、カカロットをハンコの如く、数万倍の超々々々々々々重力で押し潰した実力を認めざるを得なかった。
「しかし、空作ってやら、おめえ本当に強ぇなぁ・…!また今度戦って、今度は勝ってみてえよ。
そういやおめえさぁ…」
鼻をすんとすすりながら、カカロットには何やら気が付いたことがあった。
「…クリリンと声がそっくりだなぁ。お前ら、なんか関係あるのか?」
「さぁーーーな。知りたきゃ、今度勝ったら教えてやるよ。」
こうして、勝利は空作となり、花束が投げ込まれた。
次回、トーナメント方式により、ついに空作とキヌが激突!
はたして、キヌは勝てるのであろうか。
今までの
コメント:
- 今回、主役の出番が少ないですが、次回で増やすので気にしないで下され(謎) (ギャグレキスト後藤)
- 揉むなよカカロット(笑)。
ちなみに……通常金的に強烈な一撃を受けると、衝撃からの保護の為に睾丸は反射的に体内に引っ込みますが、この状態も実に痛い。これをすぐに戻す為には、上下に飛び跳ねて振り落としてやるのが最も効果的なのです。
ですから金的へ一撃を食らったものがその場でピョンピョン跳ねているのはただ痛いからだけなのではなく、れっきとした対処治療を行っているので、その点はお間違え無き様。
(情報源:元柔道部員の友人) (Iholi)
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