ザ・グレート・展開予測ショー

朝日。


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 8/29)

秋のそよ風に朝日、人間にはとても気持ちのいいはずである、
が、だ。
その女性、自然な黒肌が魅力的で、細いプロポーションが美を醸し出している。
そして、そおの憂いげな瞳が更に綺麗に見える。
少し寂しげな。

ベットに腰を下しているが、どうも立ち上がろうとはしていないようだ。
「ふぅ。嫌な天気なワケ」
それなら横になればよさそうだが、
頭が妙に働く。

この仕事、ゴーストスイパーになる前にやっていた己の手を赤く染めずに、
やっていた、悪事。
いくら警察とタッグを組んでいたとは言え、
「許される、事じゃない、ワケね」
素直になってしまう。そんな朝であるのか?

普段なら絶対に口にしない、過去だ。
突っ張っていて
妙に暗い世界で
そして、寂しくて。

外に出ている太陽が輝きを増した。
彼女の体から何かが、光った。
確かに、指には、とても大きな宝石がついている。
しかし、そんな大層な光ではない。
例えるに、
消えてしまいそうな蝋燭や、線香花火の最後に似た、
儚い光り。
そう、太陽が彼女の瞳を映したに過ぎないのだが、
もの悲しい。

彼女は無意識のうちにセミロングの見事な髪を弄って遊んでいた。
ねじったり、
手櫛を通したり。
いたっ。
髪が絡まったようだ。

指に鈍い痛みが残った。
まじまじとみるが、血は出ていない。
当然とも言えるが、
今の技が使えなかった時分。
指を切って、血をつけ、そして仕事をしていた。

−アサシン−
殺し屋。日本語にするとこうだ。
己は・・この仕事をやっていた。
「しょうが、ないワケ。体は売りたくなかった・・」
言い訳?
ううん、
ちがう、絶対に違う。
否定・・したい、ワケ。

そういえば、当時、ワタシのパートナーは、
己の欲に忠実な小悪魔だった。
忌まわしい!
そやつは、ワタシの命も欲したが、
偶然もあったかもしれない。
だが、小悪魔との別れが、新しい世界にいく切っ掛けとなった。

女性は少し笑った。
過去を振り返ってもしょうがない。
今のワタシは、正規の免許を持っている。
そして、
社会の役にたっているハズ。

そうよ。
昔は朝日がきらいだった。
今は違う。この穢れのない、陽光を体に浴びられる。

おや、下から従業員の声が聞こえる。
急な依頼、カナ?
いこう!、この秋の光を浴びて!

そう決意して、女は出かける支度を始めた。

終り。
やっぱ、こういうのは、難しいかったな。
なんというか・・
いいのか、こんなので・・うーん。

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