ザ・グレート・展開予測ショー

『がんばって〜〜!マコラちゃん〜〜〜!』(その1)


投稿者名:sauer
投稿日時:(01/ 8/28)

「…俺は…一体、何やってるんだろう…?」
 その少年は、ポツリと呟いた。少年…年の頃なら16、7くらいで、背は170前後だろうか?
顔は…悪くない。その顔に浮かんでいる表情を除けば、だが。
 少年の服装は、Gジャンに赤いTシャツ、そしてGパンという、ごく普通の格好なのだが…
何故か、様になっている、と言うか…妙に似合っている。
そして、少年の額には、赤いバンダナが巻かれており、それが少年のチャームポイント(?)となっていた。
 少年は、浮かない表情をしていた。少年の友人が一人でもこの場にいたら、
「ナンパにでも失敗したんだろう」
と言って笑い飛ばすかもしれない……が。
残念ながら(?)少年には、かなりの美少女――少年とほぼ同年齢だと思われる――が、微笑みながら腕を組んでいる。
どうやら、ナンパに失敗した訳ではなさそうだ。
やはり、この場に少年の友人がいたとしたら、
「なんでオマエばっかりモテるんだよ!!」
と、非難の声を浴びせていたに違いない。
 その少女の服装が、またオモシロイ。
少年と全く同じだったからだ。シャツの色から、額に巻かれたバンダナ、さらにメーカーまで、全く同じ。
 両者の違いは、性別と、髪の長さ。あとは身長、顔に浮かんでいる表情くらいだろう。
少年の方が身長が高く、少女は10センチほど低い。
少女の方が髪の毛が長く、腰のあたりまである。
少女はとても幸せそうだが、少年は何やらおもしろくなさそうだ。
 少年は、少女の方へと、軽く目線をやった。少女は満面の笑みでそれに応える。
……はっきり言って、うらやましいくらいに お似合いで、幸せそうなカップルだ。それなのに………
やはり少年は、ほんの少し事務的とも言える笑みを返した後に、空を仰いで…
かなり大きめの――誰が聞いても、不満を込めたものにしか聞こえない――溜息をついた。
「………なぁ…?」
「………?」
「…俺なんかと歩いてて…楽しいか?」
「………♪」
「…そぉか、ならいいんだけど…」
「〜〜〜♪」
 少年が話しかけると、少女は態度で応えようとするかのように、軽く頷いたり、表情だけをころころと変化させたりした。
(…確かに、すごく可愛い娘なんだけどな…)
少年は、一人心の中だけで呟いていた。
(おまけに、俺といるだけでこんなに嬉しそうにしてくれるし…ホントにいい娘なんだけど…)
何故か心の中の呟きを増やせば増やすほど、少年の表情に疲労が見られる…気の所為だろうか?
 一方、対照的に、世界中のしあわせを独占しているかのように、にこにこと微笑む少女は、
どんどんその美しさ…と言うか、可愛さを増していくかのようだった。
「……………はぁ………」
「〜〜〜〜〜♪(はぁと)」
少年と少女の対照的な表情に、道行く人たちは不思議そうに振り返る。
(……ホントに…俺なんかのドコがいいんだ……?)
少年は、何故このような状況に追い込まれた(?)のかを思い出そうと、記憶を少しばかり、逆行する事にした。

 少年の名は・・・『横島忠夫』 
  このお話の、主人公となる少年である。

 少女の名は・・・『マコラ』
  このお話の、ヒロインとなる少女である。



―――つづく♪・・・って、『横神』も終わってないのに、いいんだろーか・・・?(滝汗)
 あと、短編とかぽんぽこ浮かぶんだけど・・・時間見つけてぽんぽこ載せたいなぁ・・・
 とりあえず、このお話は一寸続きます。お付き合いいただけたら、嬉しいなぁ・・・と。(あぅあぅ・・・)

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